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思惟かねのじっくり焼きマシュマロ:「努力をしなくても誰か愛してもらう」には?

マシュマロをいただく立場になるというのは、正直言ってなんだか不思議な気持ちです。前回産まれて初めていただいたのは応援のメッセージでした。そして今回頂いた2通目は、お悩み相談のマロでした。

私などが回答してよいのかという気持ちもありますが、不肖思惟かね、受けた問いには真摯に返すことを心に決めています。
というわけで私なりに答えていこうと思います。ただし真摯さと優しさとは往々にして両立しないということはお覚悟の上で…。

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○論点の整理

まずマロ主さんの「ポジティブスパイラル」という言葉について私なりに理解するところから始めましょう。おそらくこれは、

「人から関心・愛情を受ける」⇒「モチベーションが高まり技術を磨く」⇒「技術が高まることでより関心・愛情を受ける」

という正の循環を意図したものかと思います。その上でマロ主さんは、

技術を身につければ人に求めてもらえる(関心・愛情を受けられる)
② しかしその関心は「技術」に対してのみのもので「人格」に対してではない(=自分そのものへの肯定、モチベーションの向上に繋がりにくい)
③ なので逆に「人格」に関心・愛情を受けられる方法を見つければ、高いモチベーションを維持し続け、技術を高めていけるのでは?そんな方法はないでしょうか?

というお考えなのでしょう。


○私の回答

まず現実的なことを言いましょう。世の中の多くは往々にしてゼロサムゲームです。誰かが得れば、誰かが失う。その総和は変わりません。
愛情や関心というのは、まさにその一例です。愛情や関心とは、すなわち人間が他人に対し時間的、金銭的コストを費やすこと(ツイートにファボをつける、リプを送る、動画を見る、投げ銭をする、etc...)であることを考えれば、決して無から湧いてくるものではなく、有限な誰かの時間、金銭、関心から供出されているものであることを理解する必要があります(Twitterを見ている時間が有限であることを考えると、「関心」すらもが有限であることは自明ですね?)。

換言すれば、その有限な「資源」を受け取る立場の人間とは、当然それに見合うだけの対価を支払わざるをえないのです。等価交換です。夜の街を見れば、多少の関心を買うために金品を差し出す人間が世にどれだけ多くいるかということが分かりますし、それは人の関心を「買う」ことの難しさの証明でしょう。


言い換えればマロ主さんは、とても厳しい言い方になりますが、なんとかしてタダ飯を食べる方法はないものか?お腹いっぱいに慣れば元気になって、お金を稼げるのだが…と言っているに等しいのです。
…もっともそもそもが無理筋な話だというのは、他ならぬマロ主さんも理解しているでしょう。だから私も厭味ったらしく説教を垂れるのではなく、建設的な提案をしたいと思います。


提案① 可能性に投資をしてもらう

最も建設的な提案はこれでしょう。今は腹ペコで動けませんが、腹一杯にご飯を食べさせてもらえれば精一杯働いてそれ以上に返します!そう、力いっぱい、心から主張することです。
誤解を恐れず言えば、クラウドファンディングの一形態とはまさにこのことです(無論、大半のCFはこれよりも遥かに計画的であり、高いハードルを超えてゴールをクリアするための優れた手段ですが)。

あなたには技術がない、モチベーションもない、ならば売ることのできるものは可能性しかありません。
例えば「こんな革新的で面白いゲームを作りたいです!」であったり、「こういうサービスを作って皆を幸せにしたいです!」というような具合です。今は影も形もないけれど、自分のアイデアこそが関心を集めるにふさわしいものだ!と大ぼらを吹くのです。
その先に、あなたがその可能性をどこまで魅力的に見せ、誰にアピールするか。そして実際にその「投資」にどのような成果でどれだけ応えられるか、それはあなたの能力と趣味志向、そして努力と決意の重さ次第です。その背負うものが増えれば増えるほど、心の重荷とともにモチベーションは山と積み上がるでしょう。

ただし、言うは易し行うは難し。ましてやあなたには技術も自信も無いのですから、清水の舞台から身を投げるほどの不退転の覚悟と、それを実現させることが現に可能だと思えるだけの計画性は不可欠です。この際、人脈もファクターとしては重要でしょう。
そもそもがよほど魅力に溢れたワクワクするビジョンを、さらに上手く宣伝することができなければ多くの人の「関心」など買えません。加えて、それが上手く行かなかった時は多かれ少なかれ「詐欺師」の烙印を押されるだけの覚悟も必要です。

…とまあ、大げさなことを言いましたが、一言で言いましょう。何も持っていないのなら「夢」を売れ、と。
もし多かれ少なかれ赤字になろうと、一度「夢」を発売までこぎつける実績ができればあなたには信頼というポイントが貯まります。それは次の踏み台となって、どんどん高みへ登っていく階段になります。これが私のもっとも建設的な「何も持たない」あなたへの提案です。


提案② 哀れみを請う

いよいよドギツく、そして救いのない方法ですがこれもある意味正攻法です。世に最も古い商売は娼婦と乞食と申します。
何も道端で乞食をしろというわけではなく、自らの哀れさをネタにするのです。つまりは自虐ネタ芸人の道です。人の不幸を笑うのが人間の性であることはTwitterを見れば自明です。そして「こんなにかわいそうなら、まあちょっとぐらい応援してやるか」という素朴な優しさもまた人の常です。少なからぬファボとRT、上手くやれば投げ銭ぐらいは受け取れるでしょう。

ただし、これは関心こそ得られますが、一方モチベーションはモチベーションでも負のモチベーションを積み上げる鬼手です。あなたが単に自己肯定感を得たいのなら、真逆の道ではあります。
しかし一方で「なにくそ、俺はこんな泥水を吸ってでも這い上がってやる」と思えるマゾヒズムに溢れた気骨があるのならば、「なにもするきがおきない」今の自分を変えには強烈なカンフル剤になるのではないでしょうか。


提案③ 考えを改める

あくまでマロ主さんの主張に合わせる形だと①と②の提案しか私にはありません。そして私の個人的なおすすめはこちら。

そも、あなたの根本的な勘違いを一つ指摘するのならば、優れた技術と称賛というのはセットではありません。あなたが見ているのはごく一部の成功例のみであり、どれほど優れていても称賛なき技術など世の中に果てぬほどあります。神絵師のアップした絵にだれもが称賛を寄せるのに日常ツイには無反応。よくあることです、がそれ以上にどれだけ努力して描いた絵にすら反応がない人など見渡せば山ほどいるはずです。
つまり、今あなたがこうしてマロをしたためている間にも、称賛なきまま技術を磨き努力を重ねている人が世の中の殆どなのです。それが表には目立たぬだけで

自分語りをすれば、私とて10万とホニャララ年前には「私にだって守りたい大事な人や、譲れないプライドがあればどんな努力だってできるはずなのに…」と、優れた同級生や漫画の主人公を羨んだ経験が実際にあります。そしてそんな都合のいい機会は、当時よく読んでいたライトノベルの中でしか転がっておらず、努力を怠った私はヒューペルボリア国立大学の入学受験であっさり門前払いを食らいました。努力なくして結果なし。まさに因果応報というべきでしょう。

努力する機会、モチベーション、そんなもの誰だってほしいに決まっています。しかしそんなものはありません。だから皆裏で苦しみ、血反吐を吐きながら我慢して、最後には平気な顔で「ま、こんなもんだね」と神絵師はイラストをアップするのです。「評価されなかったらどうしよう」という不安を胸に隠して。


ただ、あなたの抱く「何か私をやる気にさせてくれるキッカケはないものか」というのは、俗悪でも怠惰でもなく誰にでも訪れる当然の考えです。恥じる必要ははりません、誰だってやる気スイッチが背中に着いているなら、誰かに押してほしいでしょう。
けど実際にやる気スイッチを押すのは、自分自身でしかありえないのです。正確には自分自身の苦しみの中での努力が、どれほど些細な形でも実を結んだ時の「ああ、無駄ではなかったんだな」という実感こそがスイッチを押します。人はそれを達成感といいます。

私も、最初に投稿したnoteにふぁぼが着いた時、RTされた時、スキをもらった時、どれほどそれが嬉しかったかをいまだに覚えています。それが今も私がキーボードを叩く原動力です。


抽象論や精神論はここまでにしましょう。
このプラン3を選ぶなら、私のオススメはひとまず何かnoteで文章を書いてみることです。このマロを書ける文章力があるなら、何かしら今の思いを言葉にしてアウトプットするだけの能力があなたにはあるはずです。

「説教臭いこといいやがってこのクソヤロー!」でも「乞食になるぐらいなら今からバイトでも探すわバーカ!」でもいいです。ただこれだけ長文の悩みを送ってくるあなたなら、きっともう少し思いの丈を文字にして表してくれるものと私は期待します。

文章は良いです。たった一つのアウトプットが無数の人に読んでもらえます。上手くいけば共感で人の心を動かしたり、感想をもらったりすることもできます。
反応がなければきちんとタグを付け、何度も宣伝し、繰り返しRTし、とにかく読んでくれる人を増やせば良いです。みっともなく努力しましょう。そして反応が一つでも付けば、あなたの「ポジティブ・スパイラル」の一周目が回りだす日も近いはずです。最初のゼンマイを巻くのは、あなた自信の努力です。


○さいごに

私なりに思うところがあり、気づけば4000字の長文になってしまいました。私は暇人か。
このマシュマロもじっくり焼きすぎてそろそろコゲコゲの炭になっていることでしょう。こんな焦げ臭いのに甘ったるいポエムみたいな文章、とても食えたもんじゃないと思う皆さまも多いと思うので、ここらでさっさと失礼します。

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思惟かねはとかく文字を読むのが好きな活字中毒ですので、今後とも遠慮なくマシュマロをお寄せください。
好きな色や車やゲハ、noteについての手厳しいツッコミ、ただのヤジ、応援まで幅広くお待ちしています。

この他にもちょっとしたエッセイや、VRやVTuberに関する考察記事を日々投稿しています。
もしよければぜひnote、Twitterをフォローいただければ嬉しいです。

また次の記事でお会いしましょう。

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今回も長文にお付き合いいただきありがとうございました。
引用RT、リプライ等でのコメントも喜んでお待ちしています。

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マシュマロ(お便り): https://marshmallow-qa.com/omoi0kane
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○引用RTでのコメント:コメント付のRTとしてご自由にどうぞ(基本的にはお返事しません)
○リプライでのコメント:遅くなるかもしれませんがなるべくお返事します






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