2022/08/01

肌感で覚えている記憶というのがあって、記憶はただの記憶より匂いとか音とか温度とかで結びついている記憶の方がそれをトリガーにして思い出しやすいと言う。俺には夏にまつわる記憶があって、夏と言えばダンスですよ、音楽ですよ、SEXですよという感じでイケてる奴になりきって羽目を外す季節としての側面が強いでしょうが俺が夏に対して抱く印象は苦い思い出の季節、これが強いです。夏を楽しむイケてる奴になる為に俺だってそう悪くないだろうと自分を励ましてみるのだけれど夏に限っては俺はカスです、家でちんぽでもいじってなさいよと自分を諦めさせる内からの言葉が強く出るのがこの季節。

夏に何があったかと言いますと元カノと別れた季節が8月でした。元カノですよ、元カレではなくて。俺はちんぽではなくマンコをいじっていた時期があるのだ。この元カノがほんとに良い奴で、16歳から4年も付き合って頂いておりました。今の俺は絶賛他人のちんぽをいじっていることからお分かりの通り、ゲイだと彼女に告白して別れてもらったのだが貴重な10代の青春を4年も捧げてくれたのに俺はゲイですよ、嫌になってしまいますね。これは笑い話としてよく言うのですが、彼女に「俺は男が好きだから別れてほしい」と告白した時に「私も男好き。一緒じゃん!」と言って俺を励ましてくれたんです。ほんとに良い女ですよ。俺は彼女と会う時は事前に爪を切り、いっぱい水を飲み、脇を入念に洗ってから会うということばかりしていたのに彼女はそんな俺を受け入れ許してくれていました。優しい女です。俺はその優しさにつけこみ、自分を成長させる機会として恋愛を楽しんでいただけかもしれません。そもそも恋愛とも言えないかもしれません。こういった若い時分の苦々しい恋愛話はそれはそれで美しくもあり、キャッチーでもあるかもしれないが俺の場合はどうしようもないほどの不誠実さを孕んでいる。思春期の思い出としてラベルを貼りしまい込むのではなく、一つの反省としてこれからも抱え続けなくてはならないと思っています。

夏にイケてる奴になり切れないのは過去の思い出にあるという言い訳を書きましたが、そればっかに囚われていても駄目だという自戒もあります。許されたのなら許された顔をしなくてはならない。ちんぽとキーボードばかり触ってないで、オーバーサイズのTシャツ着たりしてさ、酒を飲みに行かないといけないのかもしれません。俺だってそう悪くないかもしれないしさ。

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