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うだる夏、水族館でダンスする

暦の上ではもう秋だというのに、永遠に続く暑さ。
朝晩は比較的涼しくなったと思っていたら、裏切るように早朝から強烈な日差しが照りつけてくる。
夏は爽やかで快活なイメージだが、私は夏に気が沈みやすい。
これは私なりの解釈だが、夏は世間の人々が活発的に動きだす季節。それと比べて、私の夏は不要な行動を制限して身を潜めて過ごす日々。
そんな世間と自身の生活の乖離を痛感して、「取り残された感」を感じてしまう。
何やってんだろ自分、と思ってまた沈んでいく。
 
この夏、浮上するきっかけを。
よし、思いっきり夏らしい場所へ行ってやろう。充実した夏を演出しよう。
と思い立ち、水族館に行くことにした、ひとりで。
そんな、とある夏の日のお話。
 

8月某日。
平日だからきっと空いている~♪
ゆっくりお魚とかペンギンとか見たいな~♪
と、るんるんで現地へ向かうと、、

とんでもないお子の数。

しまった、「夏休み」というものを忘れていた。
夏休みを迎えたお子達に平日・休日という曜日の分別はない。そもそも毎日休みだし。
お子よ、荒み切った心を浮上させるために、平日の水族館に助けを求めに来たアラサーの悲哀は理解できないだろう(いや、お子にはお子の悩みもあると思うよ)。

ひとまず入場。「ひとり」水族館への若干の気恥ずかしさを抱えながら、入場。
はじめは川魚のゾーン。
室内は薄暗く、照明が水槽を照らし、その中を悠々と泳ぐ魚たち。
水槽の青色を眺めているだけで、真夏の暑さを忘れさせてくれる。

それにしてもお子で溢れかえっている。そして、お子の多さで気づかなかったが、お子の家族やカップルもわんさかいる。

あれ、おひとりさまいなくね?

なんだか急に恥ずかしさが増してきた。
いやいや、何を怯んでいるのだ。主役はお魚たち。お客は目の前の水槽に夢中でこちらは気にしていない。

思いっきり楽しもう。

スーベニアマドラードリンク 490円(税込) ※いきもののマドラー付き

思いっきり楽しんでる風のドリンクを頼んでみた。
こちら、スーベニアマドラードリンク。3種類あって、私が選んだのはペンギン(ブルーソーダ味‌)。

ペンギンが先端に付いている素敵なマドラーは持ち帰ってもいいとのことで、持ち帰り用のビニール袋をもらった。
ブルーハワイの不健康な甘さと、弾ける炭酸が真夏を演出している。これだけで、夏を満喫している気がする。
 
その後、アザラシ、オットセイ、ペンギン、海水魚のゾーン、クラゲのゾーンなどなどを巡り、気の赴くまま水族館の隅々までを堪能。
ペンギンが可愛くて、思わず連写。

目が澄んでいる

そして、大トリのイルカショー。午後一番の部が間も無く始まるとのことで見てみることに。
会場に入ると、やはり人で溢れかえっていた。イルカは人気者だな。
おひとりさまは上のほうの端っこの席を確保。

10分ほど待ってスタート。
キラキラしたトレーナーが手を振り登場。それは、完全に「イルカショーのお兄さんとお姉さん」なわけで、発声やジェスチャーが完璧に仕上がっている。
イルカたちも調子が良いのか(知らんけど)、ものすごく飛んでいる。
我々はお兄さんからイルカたちへの合図のレクチャーを受け、一緒にやってみることに。
私はこういうとき、積極的に参加するタイプ。乙に澄ましてその場に加わらないより、この世界観に乗っかる方が絶対楽しいのだ。
見事、我々の合図によって「お客さんに水しぶきを浴びせる」という大技を決めてくれた。

しっかり水族館を満喫し、帰りにミュージアムショップへ。
何も買わずに帰るつもりだったが、本日のお気に入り、ペンギンのクリアマグがあまりにも欲しくて思わず購入。

かわええ。何を入れて飲もうかな


うだる夏、落ちた私を浮上させてくれた水族館。ありがとう。

さて、今日も生きていく。

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