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あっち側。こっち側。

友人がテレビに出ていた。
その友人は自分で会社を興して社長をしている。
あっち側の人間になっちゃったなぁと、
存在を遠く思ったりもしたのだが
実際会うと以前と変わらない彼女がいる。

あっち側。こっち側。

私は専業主婦である。


「私は“何者か”になるのだ!なんかスゴイ人間になれる気がする!」
と鼻息荒く生きていた若い頃もあったのだが
年を重ねるごとに
「私は何者でもないなぁ」
と思う。

私的あっち側のざっくりとした定義はこうであった。
社会的に広く影響力をもっているかどうか。

今は、
社会的に広く影響力なんか持つ度胸は無い、と思う。
そして、
私がスゴイと思っているあの人もこの人も実はフツーの人間なんだ
と思う。

きっと、
人はみんな、
今自分ができることを精一杯やって生きているんだと、

そのできることに
あっち側もこっち側も無いんだと、

そういうふうに思えるようになってきて
やっと生きるのが、気楽になってきたと言うか。

あっち側にいくのだ!と
もがいていた時も楽しく生きてはいたけれど

40代になってから、
生きるのに、肩の力が抜けてきた
といった感じである。


しかし
人生100年だとして
まだ折り返し地点にもいない私は
まだ50年も生きるの~??と考えると
自然と脱力してしまうから
歳を取るのも悪くないかもしれない。

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