ありがとう、ばぁば

こんにちは、おもちです

これまで何度も闘病中の祖母の話をしてきましたが、2月3日、天国へと旅立ちました。

今日はその直前の1週間と、簡単な祖母への手紙を記録しておきます。

いつもと違って、太字も絵文字もありませんが、祖母の最期に向き合わせて下さい。

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日曜日、祖母と母と妹と4人でアイスを食べた

"ご飯はいらない"、そう言っていた祖母だけど

"一緒に食べよう"とワイワイすると、祖母も口を開けてくれた

「抹茶とバニラ、どっちがいい?」妹が奮発して美味しいアイスを買ってきた

抹茶の方に頷く祖母、アイスを口まで運んだのは妹。

「美味しい?」と聞くと、うんうん頷いては、口を開ける祖母

抹茶を一通り食べて、「バニラいる?」と聞くとまた口を開く祖母。

その姿を見て、私たちはすごく嬉しかった

4人で食べたアイスは、最高に美味しかった

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火曜日、祖母は40℃を超える熱を出して震えていた

呼吸も浅く、看護師からは少しずつ看取りの話をされた

「もしかしたらこのままアカンかもな」「一晩超えれるやろか...」母が言った

すごく怖くて、悲しくて、涙が止まらなかった

「まだ大丈夫や」祖父が言ってくれた

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水曜日、祖母はすこぶる元気だった

昨日の高熱が嘘のようだった

ジュースもお水もゴクゴク飲んでいた

久しぶりに名前も呼んでくれ、意識もしっかりしていた

すごく、すごく元気だった

「ゴミが気になるから持って帰ってよ」「爪切り、持ってきて」

身の周りの事を気にする余裕もあった

「焼きそば食べたい」「お肉も」「アツアツの」
そう言うから、明日作って持って来ると約束した

ベッドを起こすと、見慣れた街を眺めていた

その姿がとても愛らしかった

「また明日な〜!!」「おやすみぃ」バイバイと手を振っていた

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木曜日の昼、食べ物が食べられなくなっていた

「焼きそば持ってきたで〜、食べる?」

少し頷いたものの、うまく飲み込めないようだった

二口目は到底食べられず、ジュースとお水を少しだけ飲んで"いらない"と言った

私たちが残ったジュースを飲んでいると

"ちょうだい"と言う

かなり力は弱っているものの、自分でコップを持って、ストローで飲んでいた

「持とうとする気力があるからまだマシや」祖父が言った

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木曜日の夜、祖母は眠ったままだった

いつも私達が声をかけると必ず目を覚ましたのに

夜は目を覚まさなかった

「お母さーん、起きてよー」母が何度大声を出しても起きなかった

"これからは、ウトウトする時間が増えてくると思います"、看護師は言っていた

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金曜日、やはり目を覚まさない

祖父と母は、時間をかけて看取りの説明をされた

"もしかすると今週末、持ってもあと数日ですかね..." 看護師が言ったそうだ

今日はもう金曜日なのに、週末か...と思った

目を覚まさなくても、耳は聞こえているらしい

病室で1人、寝ている祖母に声をかけた

「ばぁばが起きてくれな寂しいわ」

「ばぁばが起きてくれるまでずっと来るからね」

「大好きやで...」

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土曜日、1日バイトなので妹と母に任せる

...はずだった。

11時を過ぎた頃、休憩のタイミングてスマホを見た

"ばぁば日超えられらんって"

"病室来てる"

妹と母からのLINEだった

走って事情を話しに行き、「すぐ帰ろう」と許可を頂いた

急いで自転車を漕ぎ、病院へ向かった

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病室へ入ると、必死で呼吸をする祖母と、それを見守る祖父が居た

心電図を付けていないから、祖母の呼吸だけが頼り

「さっきより、手が紫になっとるんや。来た時は黄色かったのに...」

母が言った

それから更に手の色が変化し、体も少しずつ冷たくなっていった

手を握っても、握り返す力と意識がない様子の祖母。目は閉じたままだった

私たちは見守ることしかできなかった

下顎だけで何とか呼吸する祖母

かなり呼吸は弱かったけど、一定のリズムだった

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母の弟は、14時頃に到着予定、
私の妹は、13時頃に到着予定、

みんなが来るまでもつだろう、

そう思いつつも、体の変化が心配だった

すると突然祖母が目をぱっちりと開けた

「ばぁば目開けたで!」
「お母さん?!みんなおるからな」「頑張れよ!」

祖父は頭を撫で、母は手を強く握った

何とか目を開けてくれたものの、意識はほとんどなかった

そして涙を流して、また目を閉じた

「最後の気力を振り絞ったんやな...」

祖父が呟いた

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するとだんだん無呼吸の時間が増えてきた

"一定のリズムから、無呼吸の時間が長くなると、お別れの時期が近づいているサインです"

看護師の言葉を思い出した

無呼吸が表れると、一瞬のうちにその時間が長くなった

「頑張れよ」「お母さん...」

祖父も母も、必死だった

無呼吸の時間が長くなり、"もう呼吸をしないのかも"そう思って名前を呼ぶと、思い出したかのように呼吸をする祖母

何度もその呼び掛けに応えてくれた

「まだ頑張れるな、ばぁば...」
「大丈夫やからなぁ」

私も声をかけた

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息絶え絶えと呼吸をする祖母

「もうすぐ妹来るから!みんな来るから!それまで頑張って!!」

妹の名前を言うと、ブルブルっと肩を震わせた

何度も呼び掛けに応えてくれた祖母だったが

13時を迎える前に、息をしなくなった

「お母さん、ありがとう」「よう頑張ったな」

母と祖父が、同時に声をかけた

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それから約3分後、妹が到着

「ついさっきな...」母が言葉を濁すと、

目をまん丸にした妹が、ベッドの傍で大号泣

「最期間に合わへんかった...」「土曜日行くって約束したのに...」

1時間以上泣き続けた

それから遅れること1時間半、母の弟も到着

「お疲れ様、」

目に涙をいっぱい溜めて、祖母の顔を眺めていた

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家に戻ってくると、多くの友人が祖母に会いにやって来た

「なんでよ...」「寂しいやんか...」

みんな涙を浮かべ、顔に優しく触れた

本当に、何人も何人も訪れては、涙を流してくれた

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祖母が家で過ごす最後の時間

私たちはずーっと祖母の布団の傍にいた

私はずっと、祖母の頭を撫でていた

「ばぁば、みんな来てくれて良かったなぁ」

「ばぁばのお顔、めっちゃ可愛いなぁ」

お供えのご飯だけでなく

ご飯のおかずも、おやつも、ジュースもみんなで沢山お供えした

祖母の頭の上は常にご馳走だらけだった

祖母と添い寝する母と、その弟。

みんなが祖母の思い出話をして過ごした

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お花が大好きだった祖母

お葬式当日は、本当に溢れてしまうお花が届いた

親戚だけでなく、多くの友人が見送りに来てくれた

「大きなったね」「おばぁちゃんおらな寂しいな...」「昨日は眠れへんかったんや」

祖母の友人が、声をかけてくれた

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棺の中には、

たくさんのお花と、孫で沢山折った折り鶴やお花、そして私が祖母に見てもらおうと残していた書道の作品、果物、みんなで書いた寄せ書き。

直前までみんな頭を撫でては、声をかけた

「笑って送らなばぁば悲しむで」

母が声をかけてくれた

みんなずーっと泣いては、何とか笑顔で寄り添った

「お疲れ様、ほんまにありがとうな」

喪主である弟が最後に花束を置いた

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直前まで元気やったのに。

突然の事で、一瞬で過ぎ去ってしまった。

それでも、祖母は何度も奇跡を起こしてくれた

長くても3年、そう言われていたのに6年近くも生きてくれた

何度も何度もピンチを乗り越えてきた

強いばぁばだった

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とてもとても、温かくて優しい人だった

「おかえり」

ドアを開けると、いつも笑顔で迎えてくれた

「もしもし〜!」「おはようさん」

電話越しに聞こえてくる、明るくて大きな声

「上手になったな」

ピアノも習字も、たくさん褒めてくれた

「ほんまに鼻がええなぁ」

いつもいい匂いが漂う、美味しいご飯を作ってくれた

「バイバイ~~!!」

帰る時はいつも手を振って送ってくれた

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今でも全部、ずっと鮮明に覚えているのにな

ばぁばがいないと、寂しいよ

もっと一緒に、ずっと一緒にいたかったのに

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「みんな仲良くな」

祖母の願い。

私たち孫・いとこ家族、ずっと仲良しでおるよ

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「お父さんが心配なんや...」

祖母がずっと心配していた祖父のこと

私たちも、県外に住む弟くんも、

祖父の近くにいると約束した

祖父を独りにしない、すぐに追いかけさせはしない

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ばぁば、

ばぁばのおかげで、習字もお花も続けられとるんよ

しんどくて辞めたいって思う時もあるけど、

ばぁばと一緒の事できるのが嬉しくて。

褒めてもらえるように頑張ってきたんよ。

これからは、ばぁばの道具も使わせてもらうで

これからもちゃんと頑張るから見といてな。

ばぁばのこと、ほんまに大好き。

明るくて、元気で、みんなから愛されるばぁば

これからもいっぱい会いに行くで

ちゃんと見守っといてよ

...ばぁば、寂しいよ

まだ近くにおる気がするもん

おらんくなったなんて、信じられへんもん

ばぁばの存在が大きすぎて、実感湧かへんわ

家に帰ってきても、ずっと頭撫でてたし

みんなとご飯も一緒に食べたやん

骨になっちゃっても、何故か実感湧かへん

ばぁばはずっと一緒におってくれとる気がしてしゃあないわ

...きっと、ほんまにそうなんやろ、

おってくれとるよな

見てくれとる、一緒におってくれとる

ばぁば、じぃじの事は任せてな

みんなで仲良くするからな

ばぁばは、お母さんとお兄ちゃんに会えた?

こっちの事も忘れんと、ちゃんと見といてよ

これからも、ずっとずっと一緒

ずっとずっと大好きやで

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- ̗̀ 𝐦𝐲 𝐩𝐫𝐨𝐟𝐢𝐥𝐞   ̖́-

名前 : おもち
line : 03'
趣味 : アイドルのヲタク👦🏻🎶
now : 日本語情報学専行/ケーキ屋でのアルバイト/塾講師

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