万引き犯を捕まえそびれた夜でも音楽は気持ちよかった
日記です。
今日は朝から夕方まで本屋のバイトだった。
昨晩は居酒屋のバイトだったため就寝は4時(友達と長話したことも理由)、今朝は9時の出勤に間に合うために起床は7時過ぎ(私の顔面施工が時間かかりすぎることも理由)。
私は生粋のロングスリーパーなのだが、こうした短時間睡眠をたまにかますと異常事態にアドレナリンが出るのか、頭が冴える。気がする。
そのため、朝からの本屋バイトもわりとスムーズに動いていた。「ずぼらダイエット飯」だの「はじめての刺繍」だの、そういった感じの本をどんどん出す。ご年配のお客様ときゃっきゃうふふと喋る。山積みになった漫画に矢継ぎ早にビニールをかける。
いいぞ、体が動く動く。
そう思っていた午後2時過ぎだ。レジの人員は2人、私の横には優しくて頼りになるパートさんがいた。
どこか目に留まる客がいた。手には2冊ほどだろうか、大判の本を持っている。新書が並べられた棚の前で少し止まった。そして1冊手に取り、歩き出す。少しほくそ笑んでいる。なんか嫌な予感がした。隣のパートさんは接客中。
私はレジを離れられないから、インカムで共有して誰かに見張ってもらおうか。いや、気にしすぎだろうか。他の人の手を割くよりは自分で行ったほうがいいか。
そんなことを思っていたらレジにお客様が並んでしまって、私は悶々としながらレジに戻った。悶々。
そしてひとしきり落ち着いてから、嫌な予感を纏った客が行った方向にかけて行ってみた。しかし姿はない。背中がすうと冷たくなる。どの売り場を見ても姿はない。いかんぞ。
焦って社員さんに報告し、それを聞いた社員さんも焦って防犯カメラの画面に飛びつく。社員さんと一緒にカメラを巻き戻してみる。指の先が冷たくなっていた訳は今日が寒かったからというだけではない。
やられた〜〜〜!!!やられてたよ〜〜〜!!!
めっちゃ普通に手に本持って店出てた〜〜〜!!
わりと万引き犯は出没するのだが、こんなにニアミスしたのは初めてのことだった。
なんかもうめちゃくちゃ悔しくて、申し訳なくて、お腹ぐるぐるなった。部活(テニス部だった)で変な負け方した時みたいな悔しさだった。こんなの久しぶりよ。
犯行発覚後、盗られた商品が何か調べたら、何かの写真集、某暴露系YouTuberのエッセイ、非行少年に関する新書だった。
持ってった本のラインナップちょっと面白いのなんなの!非行少年の本レジ前で盗っちゃいますよ、まあ俺は非行おじさんだけど、ゆうとりますけども〜てことか!?自分のボケに対してほくそ笑んでたのか!?
結構凹んだ。もっと咄嗟の判断の精度を上げて迅速な対応を心がけよう、と明日以降の私と契り。
そんな夜だがMONO NO AWARE主催の天下一舞踏会に行ってきた。ゲストはBREIMEN。行くっきゃなかった。
すんごいよかった。すんごい、よかった。
何がよかったかって言うと、私の目の前にシティハンターの冴羽獠みたいな体格の人がいた。ていうか髪型も冴羽獠だった。後ろから見ても、前髪のあのちょろんって部分が横からはみ出しているのがシルエットでわかった。
嘘です。冴羽獠がいたのは本当だけど。
音楽がめちゃくちゃよかった。BREIMENは初めてで、MONO NO AWAREは久しぶりだったんだけど、どっちもすごくよかった。びりびり。るんるん。ゆらゆら。く〜!といった感じだった。
お腹ぐるぐるなるくらい凹んでた気持ちをいとも容易く高揚させて、バイトで疲れた足をいとも容易く動かして踊らせる。音楽は貴いと改めて感じた。縋る先として音楽が存在してくれていることに感謝した。
今日は珍しく居酒屋に寄らずに帰っている。今日のやるせなさと、それを吹き飛ばした音楽を、だいじにだいじに持ち帰って、家に着いたらゆっくりハイボールを飲もうと思う。