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監査は機能している???~【解説】人的資本可視化指針(第26回:KPIシリーズ)

人的資本KPI。コンプライアンス関連では「外部監査で指摘された事項の件数、種類、要因」です。外部監査、いわゆる公認会計士がいわゆる監査、つまり会計帳簿などをチェックして、結果として出てくる指摘事項数、その内訳ということです。

監査が示すことの意味

外部監査で指摘された事項の数、種類および発生源とそれらへの対応。外部監査の指摘事項に対する企業の取り組みを測る指標なのですが、監査って受ける側からしたら「細かいことばかり指摘して労働生産性に邪魔になる」「細かいところばかり指摘して針小棒大」「だから何?」という声も多いものです。しかし、神は細部に宿るのですし、ルールとして指摘する側も一生懸命仕事としてやっています。

改めて会計監査の意味を確認すると決算書をはじめとした財務諸表を対象に、会計処理が適正に行われているか、経営状況に問題がないかを評価し報告することを目的としています。具体的には

・適正
・限定付適正(おおむね)
・不適正
・意見不表明

という形で財務諸表が評価されます。
じゃなぜ監査なるものが必要かというと、ガバナンスのチェック、リスクマネジメントの確認、内部統制をチェックという意味があるからなのです。効率化すべき、DX化すべき課題は大きいですが、やはりしっかり意味のあることは理解できるでしょう。ちなみに、監査が効率的でないというのでしたら、コストフォーマンスの評価でもすればいいのです。内部監査によるコスト改善策としては「監査の有効性」による評価などがあり、不適合指摘件数/是正件数の推移、品質問題発生件数の推移などをもとに行われるケースもあるようです。

可視化すべきか?

人的資本KPI、指標としての有用性は「×」と言う評価です。これを書くことは色々な問題もありそうです。
ようはしっかり監査されているか、そしてその検証がされているか、その問題意識を投資家はチェックしたいし、あるとよりよいかもしれません。
・(ルール順守がゆるゆるだとしても)しっかり内部での改善ができそうか?
・(いまはまだ大丈夫とはいえ)いつかリスクが顕在化するのではないか?
といった点で少しは参考にはなりそうです。
しかし、監査については厳しく監査をしたらそれなりに数として現れるものです。監査方針ややり方であったり、そういったものに影響するわけで、その数字の意味を見るのは「人的資本」の指標としてはどうかとも思います。

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TL

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