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全社的経営課題「後継者育成とサクセッションプラン作成」~【解説】人的資本可視化指針(第16回)


今回もまた、ジャニーズ事務所を事例に考えたいと思います。全社的経営課題は「後継者育成・サクセッションプラン作成」です。

後継者育成の課題

ジャニーさんの後継者として、タレントの発掘と育成をタッキー、デビュー後のマネジメントはメリーさんとその後継者のジュリーがという役割分担でやってきているようです。後継者育成としてはきちんとした後継者を輩出した面では一定の評価はできるでしょう。しかし、こうして後継者としてかんがえていたタッキーさんが退社することを受けると、なかなか難しいようでした。特に長年貢献していても、創業者一族でないことというのはとっても重いものでしょう。もちろん、

サクセションプランのポイント

後継者育成においては、後継者として大丈夫な人材がそもそもいるのか、後継者の条件は何か、候補の定義づけ、候補者プールの方法、選抜方法、維持と育成方法などなかなか面倒です。特に後継者の定義が問題になるでしょう。

・リーダーシップ
・主体的な行動
・コミュニケーション
・人望
と言った能力面で明確に基準をつくって定義することが大切です。できれば、コンピテンシーを明確にする必要があると思います。つまり、リーダーシップがどれくらいあるのか、というより、こういうことができているか、という視点が重要だということです。そうしたうえで、サクセッションプランを作る必要があります。サクセッションプランとは「経営戦略上の重要ポストが将来時点で欠けないように、その候補者を前もって管理」することと定義されています。

コーポレート・ガバナンスコードでは取締役会の役目として「CEO等の後継者計画の監督」に関連する項目を設けられ「取締役会は後継者候補の育成を行わなければならない」と明記されています。サクセッションプランについては念入りに検討して準備していくことが望ましいということです。サクセッションプランの具体的プログラム化については今後紹介していきたいと思います。

戦略人事

HROやHRBP、人事部門の立場で考えてみましょう。タッキーさんのような後継者が退社してしまう事態を防止、もしくはそれを防がなくてはいけなかったかもしれません。また、タッキーさんがいなくなっても対応できるようサクセッションプランを作成しておき、準備する必要があったかもしれません。

タッキーの後継者としていきなり井ノ原快彦さんが出てきましたが、唐突感があります。現在、テレビで活躍するタレントであり、時間が取れるのでしょうかという懸念もあります。タレントをすぱっと引退したタッキーさんとは大きな違いがありそうです。
タッキーが辞めそうな場合も想定して、その人材を用意しておくこともHROやHRBP、人事部門の役割です。

ジャニーズ事務所を例にしてきましたが、皆さんの会社でも同じでしょう。「戦略人事」というのは会社経営にまで責任を持つことです。人的資本の「全社的経営課題」今後も考えていきます。

PS:TL人的資本ガイドブック もし欲しい方がいらしたらご連絡ください(企業の人事担当者に限ります)。

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