【人財育成論第5回】今、クリティカルシンキングが必要な理由
日本の学校でクリティカルシンキング(批判的思考)が不得意な教師にクリティカルシンキングが教えられるのか?といった教育学者がいたとか、いないとか。
学校は別にしてビジネスシーンでは、クリティカルシンキングは現代のビジネスパーソンに求められています。定義は、
【定義】
・あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法(wikipedia)
・批判的思考(様々なサイト)
となります。少しかみ砕くと、感情や主観に流されずに物事を判断しようする思考プロセスとか、物事を批判的に考えるとか、そういった考えのことを言います。
なぜ注目を浴びているのか。
なぜ注目されているのか。それは、「自分の頭で考え、最も正しい答えを導ける」人材が求められているからです。言われたことだけやる、指示待ちというスタンスではビジネスの世界では役に立たないということでしょうか。クリティカルシンキングのスキルを身につけた人材を企業は必要としているのでしょう。
「批判的」というのはまさにこれからのキーワードです。社会は大きく変わっています。これまでの仕事のやり方、コミュニケーション、業務プロセス、それを支えるこれまでのルール・不文律などは随時「これでいいのか」を疑い、改善もしくは改革しないと・・・・厳しいビジネス業界では生きていけなくなってきたからでしょうか。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングとの違い
さて、クリティカルシンキングに近い考えに、ロジカルシンキングというものがあります。皆さんもよく聞いたことがあるでしょう。物事に筋道を立てて、要素別に分類して思考し、論理的つながりをつけることなどと定義される考え方です。クリティカルシンキングが重視するのは論理性です。原因と理由、目的と手段という感じの論理構成がポイントです。
これと違ってクリティカルシンキングは論理的思考のように「論理構造」を重視しつつも、既存の概念を疑うことをベースにしています。特に、前提や常識を疑う、すなわち「そもそもどうなのか?」を考えることが重要です。
・そもそもこのやり方でいいのか?
・そもそも部長の意見は正しい認識なのか?
・そもそもこの指示にしたがっていいのか?
・そもそもこの現状分析あっているのか?
・そもそもこのデータでいいのか?
こうした疑いをいっつもしている人では困りますが、ある程度の割合、なんか違和感を感じた時にこうした思考をしていかないといけないことも確かでしょう。
クリティカルシンキングのポイント
具体的に見て行きましょう。
クリティカルシンキングのポイントは4つ。
①本当か?と疑う
②前提を疑う
③目的を意識する
④相手の視点で見てみる
この図を見ていただければ、なんとなくイメージできたでしょうか。
クリティカルシンキングの本質
クリティカルシンキングの本質は、見えている「事実」が本当なのかどうか疑う態度を持てるかにつきます。会社の常識に問らわれない、他人の意見も疑い、自分自身すら正しいのかを問い続ける、多様な視点での思考方法、特に当たり前の常識を疑い、検証していくための視点が重要です。
そのための前提が2つあります。第一に、自分の価値観、利害、思考タイプを踏まえ、自分自身を徹底的に俯瞰できる、客観視すること。第二に、事実認識、データの読み取り、文章や文脈の解釈は利害・立場によって変わってくることを理解してもらうこと。この2つが批判的な考察をするための前提になります。
クリティカルシンキングがビジネスの質を上げていくことは理解できるでしょうか。
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【参考】ターンアラウンド研究所は様々な人財育成メニューを提供しています。クリティカルシンキング研修・ワークショップも開始しました!
https://www.turnaround.tokyo/
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