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sweet valentine's day       (甘いバレンタインデー)

この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
大人な表現ありです。加えて痴漢シーンの描写がありますのでお気をつけください。
加えて芸能活動に関しては妄想で書かせていただきました。ご了承ください。

今まで全く変化が無かったけど…
知里side

私は藤本 知里(ふじもと ちさと)。高校2年生。私にはずっと好きな人が居る。今日はバレンタインデー。私の趣味はスイーツ作り。趣味でも仕事でもどちらでも良いのでスイーツ作りを一生続けていきたいのだ。

今日も朝からチョコレーションデコレーションケーキを焼き上げたのだ。ただ彼に食べてもらった事は無いのだ。

今更告白なんて出来なかった。近すぎて伝えられない気持ちってあるんだな…。

中学2年生になってやっとレンへの気持ちに気付いた。好きな人、それは幼馴染のレンだ。

ずっと小さな頃から仲良しで、誕生日が半年くらい私の方が遅いのであるくらいであとは産まれた病院も同じだし家も歩いて15分くらいと近いのだ。

レンとは友達としてこの16年間仲良くしてきた。
「付き合わないの?」
という言葉も良くかけられたが、もう周りにも友達同士と認識され、諦められたようだった。その方が気が楽だった。

そして2人は周りにいろいろ言われるから疎遠になるほど距離を置いたりはしなかった。至って友達として仲良くしていた。

しかしながらレンは凄く評判が良い。すごぶる人気者だ。勉強やスポーツもなかなか出来が良く明るくて元気で優しく、性格が良い。見栄えもバッチリで学業の傍ら芸能活動もしているのだ。男らしくたくましく、裏表の無いハッキリした性格だがよく笑い、感情表現も正直でおちゃめなのだ。場合によっては女子よりも可愛いのだ。

全校の女子は間違いなく、中には男子も狙っているという噂を聞いたこともある。

私は小学6年生の時にいじめに遭っている。
レンと仲良しだったので、特に女子からの嫉妬からいじめに発展し、クラス中を巻き込んだかなりひどいいじめを受けた事があったのだ。全く覚えのない事の濡れ衣を着せられた事もあった。

それに気が付いたレンは私を守ってくれた。彼は隣のクラスだったが状況を読むのが早く、誰がやりだしたかなども的確にはじき出したのだ。
「君たちは何をやっているのだ!?俺の事で揉めているのか?知里には非は無いぞ!俺は君たちのように人をいじめる人が嫌いだ!」

彼はハッキリ言ったのだ。その辺りからいじめが沈静化し、主犯格の生徒をはじめ、クラス中が私に謝ってきて解決に向かったのだ。

レンには感謝している。この事件があってから私の心の中には何かが確かに住み着いたのだ…。

レンside

知里と過ごす楽しい日々。だけど何かが足りない気もした。あと一歩何かスパイスが欲しいなあ…。あと一歩何をしないといけないかは分かっていた。早く動きたい…でもそれで向こうが良いのか?俺は知里が好きなんだ。

俺は学校に芸能活動に毎日忙しくしていた。学校には真面目に毎日行っている。芸能活動は何があるか分からない。突然仕事が来なくなることだってある。だから芸能活動以外の道も考えている。俺は教師になる勉強をしようと思う。しかしながら今はかなり芸能活動の仕事をお陰様でもらっている。

仕事柄目立つし、大勢の友達と群れる事は芸能活動でも学校でもある。ただ心を許した友達は知里だけだった。
それも同じ女の子と長く仲良く出来るなんて、俺は運が良かったのだろうな。

ただ俺には人には話せない悩みがあった。本来なら嬉しい事なのかもしれないが、告白は日常茶飯事だ。

ただ誰一人告白を受け入れようとは思わない。中には
「レン君…1回だけで良い…お願い…。」
とセックスをねだられる事もあった。それも1度や2度では無かった。

高校生になってからグラビアの仕事も増えてきたのだ。雑誌のグラビアページや写真集にもたくさん載ってきたのだ。インターネットで検索したらすぐに俺のはだけた写真は出てくる。

生足を出したりおへその見える服を着たり。ほぼ裸体の写真も載せられた事があった。男女問わないカメラマンさんから詰め寄られたり少し怖い目に遭った事もある。

夜道知らない人から待ち伏せされたり電車の中やバスの中でお尻を触られたり柔らかい胸を揉まれる、下着に手を入れられる事もあったのだ。
もちろん警察に自分で突き出した事もあったのだ。しかしながら度重なって少し辛くなってしまったのだ。しかも
「次会ったらやらせてもらう」
など予告されたこともあり、最近はいつもの時間とはずらして家に帰っている。情けない事にトイレに行くのも怖い…。

いつもはクラブ活動が終わった後にすぐ1人だったり一緒になった友達と帰っていた。

この間知らないお姉さん、おばさんがスマホで俺のセクシー目な画像を保存していたのだ。いったい何に使うんだろう?そんな事を考えてしまう。
こんな時知里に凄く会いたい…。話を聞いて欲しい…。彼女ならきっと俺の事を軽蔑したり、「あんた女の子じゃないんだから自分で何とかしなよ。」と笑ったりはしないだろう。

変化~甘い支え愛
知里side
レン、どうしたのかな?私はクラブ活動が終わり、たまたま忘れ物をしたことに気が付いて教室に戻った。ちなみに今は彼と同じクラスだ。
ここ最近何故かレンが居る。いつもならとっくに先に家に帰っているはずなんだけどな…。

1回目の時はクラブ活動の友達が待っていたから先に帰ったのだ。
いつも通りあっさりバイバイして別れた。

しかしながらずっと引っかかっていたのだ。
レン、何してるのかなと。

そんな事が何度かあり、クラブ活動の友達がしばらく来ない時があったのだ。
試しに教室に戻ってみるとレンが自分の席に座っていたのだ。

やはり…。

「レン…帰らないの?」
レンは黙って首を横に振った。

いつもの明るく元気な彼とは違った。
「おい…何かあったのか?」
私は彼の背中にそっと手を当てた。

彼の瞳からポロリと涙がこぼれた。
1粒ポロリ…2粒ポロリ…。

珍しい彼の涙だった。

「ふがいないが俺…。痴漢に遭っているんだ…。今度会ったら集団で襲われるかもしれない…」
その後は彼は涙を我慢して私にいろいろ聞かせてくれたのだ。
今でも放課後の教室って結構怖い…。でも帰った方が怖いかも知れない…。

そういえば…彼が少し困った顔をしていて、多くの人に囲まれているのを見たのだ。
その時は邪魔をしてはいけないかもと思い、スルーしてしまったのだ。突っ込んだ方が良かったのか?

気付いてあげられなくてごめんね…。

私は反省する点が多かったのだ。

これまでの関係が壊れませんように、そして誰にも見られませんように…

私はレンを優しく抱きしめた。
辛かったよね?怖かったよね?ごめんなさい…。
そう何度も言って。

レンは私の腕の中で泣いていた…。

私も彼の写真集や雑誌などを買って、エッチな魅力の彼にもハマっていた。
それをきっかけにどんどん彼の事が好きになっていったといっても過言ではない。私は少し反省してしまった。しかしながら彼の魅力はそれだけでは測れない。凄く友達想いで愛情深い彼…。今度は私が彼を守る番だ。

彼は涙をためて少し赤くなった色っぽい目で私を上目遣いで見つめてきた。
彼は部活のユニフォームから私の前で着替え始めたのだ。
下着のまままた席に座り、体を伸ばしたのだ。おへそが見えた。

突然彼が私の唇にキスをしてきたのだ…。

「好き…そばに居て…。」
彼は耳元で囁いてきた。

つい声が出てしまった。
ドキドキが止まらない…。色っぽい…
もう離れられない…。
彼のお色気が駄々洩れだった。

今日、凄いチャンスだ…。

レンside

男ながら泣きながら知里にいろいろ聞いてもらい、甘えてしまった。

このまま帰りたくなかった…。ただそういうわけにはいかない。
外はもうしっかり暗くなっていたのだ…。

しかしながら今日は両親が旅行に行っているのだ。ラッキー!

「良かったら私の家に来てくれないかな?」
朝までゆっくりしていかないかと知里が案を出してくれたのだ。

簡単な物なら作るからと。

そのまま学校から目と鼻の先の知里の家に行き、泊る事にしたのだ。

2人でカレーを一緒に作り、その後知里が作ったチョコレートデコレーションケーキが出てきたのだ。
切り分けながらカフェオレと一緒に食べたのだ。

「うまいぞ!」
思わず声を出してしまったのだ。知里は店を出せるレベルだと思った。

「ありがとう!」
知里は嬉しそうだった。

「君が好きだ!是非恋人になって欲しい。」
「ありがとう。私もあなたが好き。是非よろしくお願いします。」
2人でケーキを食べさせ合い、これからも支えあっていこう、何でも話して…などと約束した。

1人で帰る時や移動するときは私を呼んでね。と知里から優しい気持ちをもらったり。

風呂を終えて2人同じ寝室で照れ合って…
何だか新婚の夫婦のようで…
緊張もしたからキスをして添い寝する事が精いっぱいだったのだ。
甘い甘い恋人たちの時間…
夜はどんどん更けていった。



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