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詩/朝倉彫塑館にて
朝倉彫塑館にて
囲炉裏の灰を
カンリンポチェの形にして
その中心に
新しい炭をくべていく
温もりを残して
影は隣の部屋へと移った
星の運行を測る、
世界で一番正確な時計の誤差を
補正するものはない
報いられずとも
尽きるまで正しくあろうとするだろう、
機械のモラルを
信じる以外にない
断崖の岩陰、
未踏の荒野にも
花は咲くだろう
虫や風の訪れを
信じる以外にないように
「なぜ石に水をやるのですか」
「この石は真鶴の沖、
海の底に石だから
濡れていた方がいいのです」
濡れている、石の静かさ
1995年11月
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