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採用活動を2年目の社員さんと取り組んで気づいたこと

こんにちは、袋屋のシコー株式会社で社長をしている白石です。社長になる前から採用活動について色々トライしてきました。その中で23年卒の大卒採用で若手に手伝ってもらうことを通じて学びがありましたので書き連ねようと思います。
余談:トップの画像は弊社ゆるキャラのシコラです。

結論を先にいうと、素晴らしい学生さんを2名迎え入れるという成果をあげることができました。また、採用活動を通じて若手社員2人の成長を感じることもできました。この成長には再現性があるのではないかと思い、若手に採用活動を手伝ってもらうスタイルは継続する予定です。

なぜ採用を2年目社員に手伝ってもらうことにしたのか?

もともと新卒採用は毎年していたわけではありません。諸先輩方の卒業を考えると、そろそろ採用しないといけないなーと考え始めたのが数年前。そこから手探りで新卒採用を私が中心に進めてきました。その中で感じたことは3つ。

  • 中小企業の採用活動は社長が全面に出た方が効果的

  • 全面に出てあれこれやり過ぎると自分が他のことに使う時間がなくなる

  • 全面に出過ぎると入社後も若手社員の相談事が社長窓口になる

採用活動をするにあたって、素敵な学生さんがいらっしゃったときに「君のような人材と働きたい!」と伝えるのは平社員と社長なら社長の方が相手にインパクトがあると思います。社長という看板の効果が十二分に発揮できるのが採用活動だと考えています。ただ、そこへ注ぐエネルギーが増せば増すほど物理的に他のことに使える時間が減ってきてしまいました。また、採用活動にエネルギーを注ぐほど、入社後に若手社員の相談事が社長の私に直接くるようになりました。それはそれで有難いことなのだけど、中長期で考えた時に「40歳を迎えたオジサンが若者の気持ちを理解したうえで相談にのれるのか?」と考えたり、「自分が全面に出過ぎると部長などの管理職が機能しないのでは?」などと考えるようになりました。
このような思考のプロセスを経て、社長として採用活動を行いつつ、若者の気持ちがわかる若手先輩社員のサポートをしてもらう方向にシフトすることにしました。

どのようにして、メンバーを抜擢したのか?

挙手制にしました。社長としてやってほしいと気持ちはあるけど、「社長に言われたからやる」というのは当事者意識に欠け、パフォーマンスが低くなると考えたからです。
まず、若手メンバー数名に対して採用プロジェクトを行う旨の説明を行い、既存の仕事のプラスの負荷になるが大切な仕事なのでサポートしてくれる人を募集していると説明。その中で手を挙げてくれた2人を抜擢しました。このときに「この案件で残業をしたときに手当をつけてよいのか?」や「どのくらいの工数が必要なのか?」「興味はあるけど、不安もある」 などの全ての質問に丁寧に聞いて回答しました。この不安を取り除くプロセスを経て採用プロジェクトに対して前向きになってくれたようです。

具体的に任せたことは何か?

まず、シコーで活躍する人物像はどんな人か?というのを私を含めた3人で言語化しました。①素直さ、②挑戦できる、③当たり前になっていることへ疑問を持てる、という3つだということになったので、採用活動でもこの3点を意識してもらうようにしました。社長の私が一方的に押し付けるのではなく、このプロセスで学生さんに求める人物像を若手メンバーと共有できたので、それに対しての所有感ができたようです。この所有感を共有してからの若手2人の言動は目に見えて変わりました

次のプロセスとして、ダイレクトリクルーティングを利用して学生さんにオファーを送信するサポートをしてもらいました(具体的に使用したサービスはオファーボックスとアババ)。上記で求める人物像を言語化したので、学生さんのプロフィールと照らし合わせて、大部分を若手2名で対応してくれました。
オファー文章の作成が十二分に機能した段階で次に学生さんへの会社説明のプレゼンと一次面接をまかせました。
プレゼン資料は私が作成したものはありましたが、若手2人に修正の権限を与えて自分達のベストだと思う内容に変更してもらいました。また、一次面接に関しては具体的に以下2点を伝えて判断基準を明確化しました。

・言動や見た目などが社会人として明らかに難ありと判断した場合のみ、お断りすること
・どうしようか迷う人材は躊躇せずに二次面接に進めること

あとは面接の際に、学生さんに求める資質である「素直さ」を引き出す質問はどのようなものだろうか?といったことを若手メンバーと一緒に考えていきました。想定外の答えがでてくることも多いので、十分に機能したとは言えません。ただ、こういった質問を一緒に考えるというプロセスは思考が共有することに寄与したのでよかったと思っています。

どのような成果と成長を得られたのか?

採用活動における成果としては冒頭に書いた素晴らしい学生さん2名とのご縁がつくれたことです。加えて、若手メンバーの発言を通して彼らの成長を感じました。例えば、選考を進めた学生さんの理由を若手メンバーに質問したときに「~という点が弊社の●●という点で活きると思います」と明確に口にするようになったことです。あとは、内定式が無事に済んだ後に「入社式までの接点づくりをしたほうがよいのではないでしょうか?」などの提案をしてくれるようになったなどです。これらはきっと当事者意識が醸造されて「採用活動は自分の仕事」であり、「入ってくる後輩は自分の仲間」という意識が芽生えているからでしょう。
さりとて、色々見えてきた課題もあるので、来年度は「よりよい採用活動」を入社してくる若手社員と一緒にしていく予定です。

まとめ

自分は今まで「若手だからまだできない」と勝手に決めつけて彼ら、彼女らの可能性にフタをしてしまっていたのかもしれません。さりとて、一方的に「できるやろ?」と押し付けてもパフォーマンスは上がらないでしょう。
少々手間はかかるのですが、不明な点を明確にして、当事者意識を醸造するというプロセスを丁寧にすることが大切なようです。
自分の携わった採用活動は、その年毎のベストオブベストだと自負しております。そんな自分が彼らの限界を一方的に決めてしまっていたのは皮肉な話です。

企業は経営者の器以上にはならないというのはなかなかうまくいったものです。お猪口並みに小さな器を少しでも大きくするにはどうしたらよいか?そんなことに思いをはせながら筆をおかせて頂きます。

おあとがよろしいようで。

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