一杯のお椀の中のほっこり。

昨日届いたお野菜箱から、まず優先的に大根をぬかちゃんに押し込み
それでもまだ沢山の野菜があったので
母の言った通りにけんちん汁を作ることにした。


基本、けんちん汁は醤油ベースだと思うけれどわたしが好きなのは醤油に味噌もブレンドするバージョン。

ほっこり感が増しておいしい。

けんちん汁のようなお料理には、住んでいる地域や家庭の味がありそうな気がする。

うちの実家の方は、おそばやうどんにけんちん汁をかけたけんちんそば、けんちんうどんを食べることもある。

忙しいはずの年末に、年越し蕎麦が豪華にけんちん蕎麦になるとうれしかった。

そして、弟が幼少の頃に編み出した最高レシピ(?)は、けんちん赤飯。

お赤飯にけんちん汁をぶっかける。
ポイントは、惜しみなくぶっかけること。

母ははじめ、なんてことを…という目で見ていたのに、最終的には家族全員がけんちん赤飯をだいすきになっていた。

他所様のところではやらないことを約束し、けんちん赤飯は我が家だけの特別メニューになった。


弟はその他にも、半熟の目玉焼きに焼肉のタレをかけるという絶品アレンジまで飛び出したのでうちの家族の中では一目置かれる存在だった。

その上からマヨネーズをかけた日には、こやつもしや天才なのでは…と思ったほどだった。


だからと言って今、食に関する仕事をしているわけではなくただのわんぱく食いしん坊だっただけなのだけれど。


昔に良く母から聞いていた言葉は

「ばあちゃんが作るけんちんみたいにうまくいかない」ということ。

わたしも弟も、うまうまと夢中で食べていたけんちん汁に母は納得がいってなかったようだった。


今私も思う。

「お母さんみたいなけんちんがうまく作れない」

出来上がったけんちん汁を一晩寝かせたら明日、夫はうまうまと食べてくれるんだろうけど、わたしはまだ一味もふた味も足りていないような気がしている。

同じように作っているはずなのに、味が少しぼんやりする。
本当は伝授してくれていない秘密のかくし味が何かあるのではと疑っている。

こればっかりは、回数をこなして経験値を増やしていくしかないのだろうか。

と言っても里芋を剥くのが面倒で、一年に二回くらいしか作らないけんちん汁だから回数をこなすも何も…

これを書いていて思い出したのは、そういえばわたしはお赤飯を自分で炊いたことがない。
実家に帰った時に、炊いてもらったのをもらってくるだけだった。

ぬか漬けデビューもしたことだし、そろそろお赤飯まで自分で炊く時が来たのかもしれない。

なかなかレベルが上がらないポケモンGOよりも、自分のレベルの方がどんどん上がっていってちょっと楽しい。

ずぼらのレベルアップなんてたかがしれているけれど、少しずつでも前進出来ているから自分をちょっとずつ好きになれている。

今日も、はなまる。

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