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母の精神が崩壊④ 真実を突きつけられる

日々、刻々と、精神が壊れていく母。

仕事を終え、足早に自分の家の家事を済ませ、実家へ向かうことが日課になっていた。車を降り、夜道を小走りで向かう。

息も絶え絶えに、玄関を開けた途端、飛び込んできたのは、父と母の怒鳴りあっている姿だった。


『ワケのわからんことばっかりいいやがって!』
『もう、限界じゃわ!』

『そんな風に言わんどいてー!!』

2人とも、鬼の形相だった。

父と母を同じ空間でいさせてはいけない…
直感的にそう思った。

父に『お母さんと一緒に生活するん、限界?』と
尋ねると、母を睨み付けながら

『無理やな!』

その言葉を聞き、ワッーと泣き崩れる母。

『明日、市の相談室に電話してみるわ』

そう一言だけ言い、父にも母にも、かける言葉がみつからなかった。

父は煙草を吸いに外に出ていき、泣きじゃくる震える母の背中を、さすることしかできなかった。

翌日、午後から仕事を休み、市の相談室に電話をかけ、昨日の出来事の一部始終を話しした。
状況を聞き終わった後、精神保健福祉士の方に

『お父様とお母様を、離してください』
『このままでは、2人とも危険です』
『最悪の状態に向かっています』

と、言われた。

覚悟はしていたものの、真実を突きつけられ、頭が真っ白になった。

明日は、母に嘘をついて、病院へ連れていこう。
そう決意し、眠れぬ夜を過ごし、朝を迎えた。

私の心とは裏腹に、嘘をつく日は、快晴となった。











































































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