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余命10年としたらどう生きるか

ゆらゆらと街は陽炎で揺れている。
林立するビルの窓は灯台のように明滅している。
すれ違う電車の残像が光を引いていく。


自分がどうやって生きたいのか、死にたいのかを考えさせられる一冊でした。

茉莉ちゃんは芯を強く持って生きたカッコいい人だ。最後に死にたくないと思わないように。できるだけ大切なものをつくらないように生きてきた。茉莉ちゃんの人生の中でそれが、漫画を描くこと、自分の趣味に没頭すること、新しくものを作り出すこと、大好きな人と恋愛をすること。

残された時間があと3年だって時に運命の出会いをしてしまった。神童と言われて育ってきた和人と余命10年を宣告された茉莉、次第に惹かれあって行く2人。茉莉ちゃんは自分が死ぬ時大好きな人と一緒にいないという選択をした。和人のことが大好きだった、それでも1人で生きるという選択をして、和人のこれからの幸せを祈って、別の人と結婚して家庭を築いて幸せになってほしいと願った。

わたしは他人の幸せを願うことができるだろうか?私なら、残りの3年大好きな人とずっと一緒にいたい、できるだけ、長くずっとそばにいて欲しいと懇願してしまいそうだ。別に悪いことではないだろう。茉莉ちゃんの言うようにやせ細り衰えていく私を見て欲しくない気持ちもわかる、それでもやっぱり一緒にいたいなと私は思う。

茉莉ちゃんは寂しい時悲しい時やっぱり脳裏に浮かぶのは和人だった、そんな経験を私もしている。いつだって優しい声が聞こえるのはあの人の声だった。3年が経とうと、8年が経とうと、わたしはきっとずっと彼のことを好きなのだろうと思うと勝手に涙が出た。どうしても辛い。
会うと楽しいそのあとは必ず辛い。文書中にもそんなことが書いてあった、あぁその通りだと思った。

25歳になろうとしているわたし。
茉莉ちゃんと同じような歳だ。
わたしは今何がしたい?
どうやって生きたい?
どうやって死にたい?

わたしはどうしてもまた本気で恋がしたい。
仕事を変えて新しいことをしたい。
そして趣味を楽しみつつ、大好きな人と暮らして生涯を終えたい。

生き方を考えるきっかけになりました。
文字を追うことでこんなに泣いてしまうのだから、映画なんて観られたもんじゃないね。
いつか1人で観たい。

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