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病は気から・治療も気から⁉全話泣ける!『救急ハート治療室』


今年の年の瀬は、大寒波襲来ですね。
そんな時でも、せめて気持ちだけは温かく…!ということで、今回はハートフルな人間ドラマで心を温めてくれる「救急ハート治療室」をご紹介したいと思います。
個人的に、医療系のマンガでは「気持ちよく泣ける作品No.1」
全16巻の作品です。


【あらすじ】

主人公の冴は、医者との玉の輿を夢見るナース。そのじゃじゃ馬ぶりで上司からは不良ナースとして睨まれることも多々あるが、患者達からは慕われている。
そんな彼女が配属されたのは、新設された「救急ハート治療室」。悩みを抱えた患者の心(ハート)のケアを行う専門チームで、治療拒否や原因不明の不調など、様々な問題を抱えた患者達がやってくる。冴は問題児ばかりの患者達と共に、病・そして人生に向き合う勇気を体当たりで探していく。

魅力1:マイナスからのスタートだからこそ描ける、大きな感動

本作の特徴の1つが、治療を始める前段階にスポットを当てている点。病気をどうやって治すかではなく、「いかに病気と向き合う気持ちにさせるか」を軸にストーリーが展開されていきます。

通常医療マンガの展開は、助けを求める患者さんを天才医師が神技で救っていく、もしくは隠れた病気を名医が発見し、よし治療するぞ!…という形で進むパターンが多いです。(ブラックジャックとか)。
つまり基本的には病気を把握した時点で患者さんが「治したい!」という思いを持ってる=治療のスタートラインに立ってるという前提で、「どう治すか」を軸に話が進んでいくんですよね。

ところが、本作の患者さんたちは「治す気がない」人ばかり!物語の冒頭は治療拒否or病気であることを否定がお決まりです。

第二巻 カルテ7より

しかし、そんな風にスタート地点の遥か後ろから始まる物語だからこそ、彼らがそのマイナスを乗り越え、治療を経て辿り着く結末は、一際大きな感動を与えてくれるのです。

第三巻 カルテ14より
病と向き合うまでの生々しい葛藤シーンは、こちらまで思わず歯を食いしばってしまいます…。


第二巻 カルテ10より
救急ハート治療室を卒業していくシーンでは、
マイナスからの苦しい日々を思い返して感涙…!

もちろん病気の話なので完治という形のハッピーエンドだけではありませんが、どの話も救いのある結末なので、安心して読めます。


魅力2:プロでなく、1人の人間として患者と向き合う主人公

そして、このマイナスからの逆転劇に説得力を与えてくれるのが、主人公・冴のまっすぐさ

第四巻 カルテ18より

どんな患者さんにも、一人の人間として正面から対等に向き合う冴。時には患者さんと一緒に全力で間違ったり、本気でケンカしたり…。
彼女は治療のヒントを、ナースという「プロ」として「与える」のではなく「対等な人間」とし一緒に探す」スタンスなのです。
そんな彼女だからこそ引き出せる患者さんの魂の叫びには、毎回圧倒されます。

彼女によって勇気を持ち病と向き合うようになっていく人を見ていると、
病気を治すのに真に必要なのは、世界一の名医でなく、忖度なく側にいてくれる周りの誰かなのかも、と感じます。



気になった方は、箱ティッシュを携え号泣する準備を整えて、ぜひぜひ読んでみてくださいね^^

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