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Spotifyの「ボイス&トーン」を考えてみる 〜④該当表記〜

「UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方」 (キネレット・イフラ著)の第一章で説明されている「ボイス&トーン」を理解するために、音楽配信サービス「Spotify」を題材にして考えてみました。                               最後にまとめということで、①②で調べた内容・③で比較した内容をもとに、Spotify内でブランドを表す表記を探しました。

・挨拶                               ・個別化を想起させる文言                       ・固くなりすぎない敬語


・挨拶

「こんにちは」「こんばんは」
→アプリを擬人化している。ユーザーと一体化するのではなく、アプリと対話するような形式を取っている。
また、挨拶から始まることからユーザーとの距離が近い雰囲気を出す事ができている。(スターバックスコーヒーのよう)

・個別化を想起させる文言

「あなただけの音楽」/「(プレイリストについて)△△さん専用に作成」/「△△さんスペシャル」
/「最近の再生履歴を元に選んだおすすめの曲」/「メイド・フォー・ユー」
→ユーザーの個別性に特化した提案であることを示唆している。
※表記ではないが「15分以下の番組」など、ユーザーがよく聴くポッドキャストを提案している

・固くなりすぎない敬語

「帰宅中に、ゆったりと落ち着いたセレクションをお楽しみ下さい!」
「眠れない夜も音楽と一緒に。くつろぎながら、入眠効果のある音楽と素敵な夜をゆったりとお過ごし下さい。」
→基本丁寧語。固くなりすぎず丁寧。学生・社会人ともに受け入れられる表記。


☆まとめ

Spotify内の表記から「アプリの擬人化」「ユーザーとの距離の近づける表現」「個別性を感じさせるワードの多さ」という特徴が見つけられた。
また、「Sportify」という主語の表記がないことから、匿名のコンシェルジュから受動的に音楽を提案されている体験を生み出せていると思った。

また、文章表現では無いが、有料プランの宣伝も他サービスと比べて特徴的。他のサービスではホーム画面にバナーとして宣伝されているが、Spotifyはタブバーから有料プランへの移行を促している。また、ホーム画面内で操作している最中にポップアップとして宣伝される。(例:よく聞くアーティストを選択した際など)
Spotifyは無料でも使用可能な事を推しているから、必要なタイミングの表示に絞りユーザーに選択を任せるようなUIになっているのかと考えた。

◆参考文献・サイト

「UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方」キネレット・イフラ(著), 郷司陽子(著), 仲野佑希(著),翔泳社,2021/2/15

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