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Spotifyの「ボイス&トーン」を考えてみる 〜③他サービスとの比較〜

「UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方」 (キネレット・イフラ著)の第一章で説明されている「ボイス&トーン」を理解するために、音楽配信サービス「Spotify」を題材にして考えてみました。
今回は他サービスと比較して考えてみます。
※前回の「ユーザーを知る」の中の「競合」についてより理解を深めるために今回比較してみます。

・比較するサービス

①Spotify(free)
②Amazon Music (prime会員用・無課金)                ③YouTube Music(無料)                         ④LINE MUSIC(ゲストログイン)                   ⑤AWA(無料)

以下、ホーム画面(タブバーの1番左)に記載されている文面を上から順に書き連ねてみました。
※「◎◎」→アーティスト名 「△△」→ユーザー名

①Spotify(free)

・「こんにちは」「こんばんは」
・自分のプレイリスト
・こんなリスナーに人気「◎◎」
・おすすめのアーティスト
・最近再生したコンテンツ
・あなたのお気に入りアーティスト
・本日のおすすめ
・チャート
・今週のスポットライト
・アーティスト特集(「This is ◎◎」)
・本日のベストヒット
・最近の再生履歴を元に選んだおすすめの曲
・人気のアルバム
・テイストが近い音楽「◎◎」
・15分以下の番組
・テイストが近い音楽「◎◎」
・テイストが近い音楽「◎◎」
・ちょっと前のお気に入り
・テイストが近い音楽「◎◎」
・チルアウト
・テイストが近い音楽「◎◎」
・△△さんスペシャル「Daily Mix1」「Daily Mix2」…

☆特徴

・ユーザーは「あなた」                       ・自動で作成されるプレイリスト名は「△△さんスペシャル」
・挨拶から始まる
・個別的な機能がある
→「おすすめのアーティスト・曲」/「ちょっと前のお気に入り」/「(ユーザーが短いポッドキャストを聴くことが多い場合)15分以下の番組」/プレイリストを自分用に組んでくれる機能
・表現が個別的
→「△△さんスペシャル」/「最近の再生履歴を元に選んだおすすめの曲」/「あなただけの音楽」
・ポッドキャストがある

②Amazon Music (prime会員用・無課金)

・お客様へのおすすめ 最近の再生履歴に関連
・J-Rock
・人気急上昇中の楽曲
・おすすめのポッドキャスト
・新着
・人気ランキング
・Amazon Music Unlimitedのおすすめアルバム
・夏に聴きたいプレイリスト
・◎◎を聴いたお客様におすすめ
・今週のピックアップ
・(ポッドキャストのバナー)
・注目のステーション
・お客様におすすめのステーション
・注目のプレイリスト
・(Amazon Music Unlimitedのバナー)
・注目のソング
・音楽関係のポッドキャスト
・◎◎をフォローしているお客様におすすめ
・お客様におすすめのソング
・注目のアルバム
・お客様におすすめのアルバム
・最近再生した楽曲
・お客様におすすめのプレイリスト

☆特徴

・ユーザーは「お客様」
・個別的な機能がある
→「おすすめのアーティスト・曲」
・もとあるプレイリストを提案してくれる               ・聴いているアーティストに基づいて提案される音楽リスト名は「ステーション」
・ポッドキャストがある
・宣伝が挟まれる(ポッドキャスト・Amazon Music Unlimited)      Prime会員が使用できるサービスであることから、既にECサービスの顧客であるため「お客様」という扱いになっているのだと考えられる。

③YouTube Music(無料)

・ワークアウト/フォーカス/リラックス/通勤・通学
・新しいおすすめ(スクロールすると更新されることが分かる)
・おすすめの音楽「ようこそ、△△さん」
・マイミックス/インストール時好きと選択したアーティスト
・おすすめのミュージックビデオ
・似ているかも「◎◎」
・おすすめのプレイリスト(おそらく自分がよく聴くアーティストをミックス)
・毎週金曜日に更新 話題のヒット
・感謝の気持ちを音楽と共に。父の日
・チャート
・新作
・アニソン
・おすすめのプレイリスト
・毎週金曜日に更新 新着&トレンド
・ライブ
・似ているかも「◎◎」
・エナジー
・懐かしのヒット

☆特徴

・ユーザーは「△△さん」                       ・自動で作成されるプレイリスト名は「My Mix」
・個別的な機能がある
→「おすすめのアーティスト・曲・動画」
・動画がある
・「フィードをどうしたら新しくできるのか」「いつフィードが新しくなるのか」の注意書きがある(スクロール・「金曜日」)
・シーンやキーワードを表す言葉が多い(ワークアウト/フォーカス/リラックス/通勤・通学/エナジーなど)

④LINE MUSIC(ゲストログイン)

・すべての機能を使ってみよう!(LINEログインを促すバナー)
・今日のおすすめ
・好みのアーティストを選ぼう(本ログインが必要な機能)
・ソングTop100
・ニューソング
・ニューアルバム
・おすすめミュージックビデオ
・アーティストプレイリスト
・おすすめプレイリスト
・LINEの設定におすすめ
・トピックス
・ステーション

☆特徴

・宣伝が挟まれる(本ログインしないと利用できない機能も表示させ、クリックするとログインが促される)
・LINEとの連携が可能
・動画がある
・項目が少ない
・「〜みよう」「選ぼう」などLet’s系。ユーザーに行動を促す
→再生画面でもユーザーが該当ボタンをクリックすることで似た曲を探すことができる。

⑤AWA(無料プラン)

・全ての音楽を、フル尺で聴こう STANDARDに登録(STANDARD登録を促すバナー)
・おすすめのラウンジ
・新しいおすすめがあります
・ようこそAWAへ あなたのためのプレイリスト Playlist by AWA
・あなたが選んだアーティスト (歌手のキャッチコピー+◎◎+曲の数)
例:「仲間はずれを作らない視野の広い歌詞に注目 全方位のクリエイティブ高すぎる男 星野源 23アルバム|121曲」
・◎◎の人気曲(歌詞が動く動画と曲名が表示)
・あなたにおすすめのプレイリスト(プレイリスト名+Playlist by AWA)
・あなたが選んだアーティスト(◎◎+歌手紹介文+紹介文を記載したライター名)
・◎◎の最新アルバム(キャッチコピー+アルバム名+◎◎)

☆特徴

・ユーザーは「あなた」
・キャッチコピーや詳細な紹介文を記載。雑誌・情報サイトみたいなUI
・ユーザーが能動的に探している気分になる
→「あなたが選んだ」という言い方
・アプリを擬人化というよりも「AWA」というサービスの存在感がある
→「Playlist by AWA」
・項目が少ない                           ・ユーザーが音楽を聴きながらチャットができる機能は「ラウンジ」

                          ④該当表記に続く…

◆参考文献・サイト

「UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方」キネレット・イフラ(著), 郷司陽子(著), 仲野佑希(著),翔泳社,2021/2/15

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