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展示会に出展したら何を学ぶか?

先週末は、文具メーカーとして展示即売会に参加させていただきました。

東京インターナショナルペンショー2019、主に万年筆ファンのための展示会となります。海外でペンショーといえば歴史も古く、熱心なファンがいるのは知っていましたが、これに相当するものを東京では誰も開催していなかったということで、昨年から始まったショーです。

うちは万年筆メーカーではないのですが、万年筆を「書く」道具だとすると、「書かれる」ほうも必要なわけで。高品質なノートを昨年クラウドファンディングで作って、今年から一般発売を始めた弊社としては、認知度を上げるためにぜひとも出展したかったのでした。

ビミョーに興味のないお客さんにどうアピールするか?

とはいえ、メインの来場者さんはやはりペン類にご興味のある方なわけで。ノートなど紙ものについてはついでにちょっとだけ見てあげようかね、という気持ちはどうしても感じるわけです。

そして、それこそが重要。

商売で最も難しいのは、感心のない方に興味を持っていただいて、なんとか最終的に購入していただくことではないかと思います。もちろん、要らないという方に押し売りする気は毛頭ございませんが、どうしたら興味を持ってもらえるか?どうしたら買ってもらえるかということをお客さんから直に感じる、そして考えるために、展示会というのはものすごく勉強になる場なのです。

商品の反応が良かった悪かった、売れた売れなかっただけ見ていたのではもったいない。商品以外にも改善点が山ほど発見できます。

普段は店頭で応対しているわけではありませんので、リアルな接客のプロになろうとは思いませんが、ここで感じたことは、形を変えてウェブサイトやネットショップなどにも反映できますしね。今後の販促の作戦を練るのに、こんな良い場はありません。

ということで、2日間のショーで学んだことを、半ば自分用にメモしておきたいと思います。参考にはならないかもしれませんが、よかったら読んでください。

自分の当たり前はお客さんのスルーにつながる。

ペンの展示会ですし、ほとんどのお客さんは、紙製品メインの弊社のことを知らずにブースにいらっしゃいます。ですから、自分は何者なのかをひとことで説明することが必要です。

弊社は高品質ノートを作っているメーカーであるということは、自分には当たり前ですが、一般的には誰も知りませんから。商売の土俵に上がる以前の問題です。今回はこれができなかったので、改善項目その1。というわけで、

「万年筆に最適な、裏抜けしにくい書き心地のよいノートを作っています。」

というキャッチコピーを大きく出しておくべきでした。ノートを売っているのは見ればわかるので、万年筆ファンの方に必要なノートですよということを最初に言わねばなりません。ノートなんて世の中に何万種類もありますし。

一番大事なことを忘れていて、いきなりアリャリャですが、次にいきましょう。

お客さんに質問してもらう仕掛けはできているか?

これもできてなかった。

自分が客の立場だったらどうかを考えます。お店でいろいろ見てて、店員さんに質問するのって、よほど欲しいものがあった時の情報確認であり、普通の状態ではそんなに自分からは聞かないですよね。(わたくしの場合は人見知りというハンデもありますが。)

かといって、店員さんにグイグイ来られるのもウザい。

だから、商品を見て、POPを見て、思わず質問したくなってしまう仕組みにしておくべきですよね。難しいけど。

質問じゃなくても、何か会話のきっかけができればいいと思うんですね。

1日目に忘れていたのは、ノートに試し書きしてもらう仕組み。うちのノート、実はめちゃいい紙(手帳メーカーさんが特別に製紙メーカーで漉いてもらっている薄くて滑らかな裏抜けしにくい紙)でできてまして、これ、触ったり書いたりしてみたら、「いいねぇ。」と言ってくださる方はかなり多いのです。

特に今回は万年筆の展示即売会です。ご自身のお気に入りのペンを持ち歩いている方が多いはず。好きなペンで試し書きしていただければ、自信あり。これはぜひ書いていただかないとということで、2日目には「試し書きどうぞ」のPOPを追加。

早速、「書いてみていいですか?」というお客さんが現れました。
「もちろんです。どうぞどうぞ。」

お話できた。みなさん、お気に入りの万年筆ですから、楽しそうに書かれます。そんな様子を見てるこちらも楽しい。へー、同じメーカーの同じペンを色違いで3本くらいペンケースに入れている人が多いなぁ。そんなことにも気付きます。

お試しの結果。

いろんな方が、いろんな色のインクで書いてくださいました。

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達筆の方が多いですねー。

インクの裏抜けも確認してみましょう。

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大丈夫ですね。太字の万年筆の場合、インクの溜まった部分は抜けてしまうこともあるのですが、MやFの細字中字でしたらほぼほぼ問題なく筆記していただけます。

ちなみにこの紙、189ページもあって9ミリというかなりの薄さなのですが、同じく薄いのに裏抜けしにくい紙として世界的に有名なトモエリバーとの比較記事を、有名なブロガーよしぞーさんが書いてくださっています。

>>【ノンブルノートN】箇条書き手帳術(バレットジャーナル)を気軽に楽しめるノート

すみません、脱線しました。

結果を申しますと、2日目から試し書きをおすすめするPOPを出したところ、書かれた方はほとんどがお買い上げくださいました。それをきっかけにお客さんとお話もできましたし、やはりお試しは大事だなと。

そこから学んだこととしては、これからもっとこのノートを知っていただくために、気軽にお試しいただく施策をあらためて練らねばと思った次第です。例えばこの紙でミニノートを作ったり、原稿用紙を作って、そういう機会を増やしたいですね。

1冊1,500円という、そこそこのお値段ですので、お客さんには買ってみてダメだったらどうしようというハードルが必ずあります。ですので、サンプルのかわいいミニノートを作って100円くらいで先に購入していただくとか、そういうの案外いいかもーと妄想。

そうそう、こういう妄想が起きるのが、本当に勉強になっている瞬間なんですよね。

まだいくつか学んだポイントがありますが、長くなってしまうので今回はこのへんで。

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