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わたしをかたちづくるもの

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「私の形」をテーマに創作したものがたり #エッセイ #小説
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#旅する日本語

青色の空

19歳、黒い猫の運送屋さんでアルバイトを始めた。
深夜3時から朝の6時まで。

大きな扉が開け放たれた冬の寒い倉庫から見上げる空は、
吸い込まれるような深い濃紺なのにどこまでも透き通っていた。

太陽が昇る前のほんの少しの時間。

その空を見上げながら息を吸い込むと
肺の中まで真っ青になる気がして、自分が少しだけ綺麗になれた気がした。

朝ごはん

はじめて朝帰りをした高校3年生の春休み。

ぼんやりと痺れた頭であるく帰り道。
なんだかまだ帰りたくなくって。

誰もいない朝の動物園の門をくぐった。
おばあちゃん象のはま子はりんごを美味しそうに食べていた。

柵の前のベンチに座って、くしゃくしゃの袋に入ったチョコレートを取り出す。
はま子と一緒に私も朝ごはんを食べた。

「昨日ね、」
そっとはま子に語りかける。

キラキラした朝だった。