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「誰か」と比べることについて
私はずっと、職場で聞く「ここって給料低いから」というセリフに、違和感を覚えていました。
私の地域では、女性が正規職員になれる職種が限られており、たいてい友だちの給料より私のほうが高額でした。だから私は、高いお給料に見合った仕事をしなければと焦っていました。
ですから、「ここって給料低いから」という言葉を聞くたび、誰と比べてそんな言葉が出てくるのだろう、そういうあなたは給料に相当した仕事ができているの?と憤りすら感じていました。
その後、オンラインのコミュニティに入って、様々な場所に住む様々な人たちに出会いました。
日々の暮らし方も仕事に対する向き合い方も、お金の作り方も、背後にある考え方も、すごく多様で、まるで空から見ているような気がするぐらい、世界が広がりました。
コミュニティの中では、生まれた田舎でずっと暮らしているということが、自分の個性となっていることにも気がつきました。
交流会で「田舎が好きなら違う地方に移り住む選択もあったのでは?」と聞かれ、言葉を失ったこともあります。そんなこと、今まで考えたことも無かったのです。
そんなある日、「ここって給料低いから」の件を思い出し、あれ?と気がつきました。私自身が、同じ地域に住む女友だちという限られた「誰か」とだけ比べて、勝手に義憤を募らせている。なんて一面的で失礼なことをしているんだろう、と恥ずかしくなりました。
誰かと比べるなんて良くない、と言う考えもありますが、私は比べ方が重要だと思います。比べる対象としてバラエティ豊かな「誰か」を持っていれば、比べ方も変わってきます。
狭い範囲で(例えば一地域内の女性の給料の額だけで)物事を捉えるのでは無く、たくさんある生き方の中で、自分はどんな生き方をしたいのか。たくさんの「誰か」が放つ色彩の中で、私は何色で輝きたいのか。
そんなことを考えさせてくれる、たくさんの「誰か」と出会わせてくれたオンラインコミュニティに、感謝しています。
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