知的好奇心は豚をも殺す
息子3歳。世の中全てに興味を抱き出すお年頃である。
息子「おかーさん、気のせいだった」
ちょい発達が怪しまれる息子との会話は謎がまぢ多い。……なんか内なるギャル出てきた。まだ多い、ね。そもそもいないし、内なるギャル。
私「なにが気のせいなの?」
息子「気のせいだった!気のせいだった」
私「だからね、なにが気のせいなのかを教えて」
息子「気のせいだった」
私「だから!何が気のせいなんじゃい!!!気になるやろ!!!」
(※イラチなのですぐキレます。真似しないでください。)
んで、押し問答の末に息子が言ったのが「豚の鳴き声がする」ってことだったのね。まぁ、そりゃ気のせいだ……と思ったけど、ちょっと待て。それはもしかして、さっきから遠くで響いてる草刈り機の『ブーーーーン』って音と豚の鳴き声を間違えてるんじゃないか???
私「あのブーンって音は草刈り機の音だよ」
息子「くさかりき!」
私「豚の鳴き声はもっとこう……フゴッフゴフゴゥ!フゴオ!」
豚の鳴き真似をしている私の顔をじーっとみていた息子「おかーさん。ぶたのうんちってどんなの?」
おい。なぜ私の顔を見て豚のうんちを連想した?言うてみろや、理由を!
とはさすがのさすがに言えない。ギリギリ喉元まできたのを飲み込みつつ、手で適当にかたちを作って「こんな感じじゃないの?」と言うも、息子もなーんか疑わしげだし、やっぱり豚のうんちひとつとっても曖昧なこと言うもんじゃないよなという自省の気持ちも出てきまして。
ちゃんと調べたんですよ。といっても、Google画像検索だけども。
そんな画像出るかな〜?と思ったけど、2枚目にあった。さすが天下のGoogle。サイコーや!
豚のうんち意外と丸いね!などとはしゃいでいると、不思議と豚のうんちがもっと見たくなってきた。たまたまこの個体のうんちが丸かった可能性あるのでは?みたいな気持ちが芽生えてきたわけよ。
(ウン)知的好奇心か、これが。
しかし、2枚目の画像くらいしかまともにうんちを捉えたものが見当たらない。「ないわね〜、うんち」などと30代女性としてどうかという呟きをしながらスクロールしていたら息子が急に「おかーさん!これ!これ!」と興奮し出した。
どれよ?
これ!これ!このブタがいーの!
まさかと思うが、これか?
どうかこの愚かなるうんち豚めに お恵みのうんちをお願いいたします
って書いてあるこれ?
わたくしめはうんちしか食べられないうんち豚ですので
って書いてある、これ???
息子よ。30年、それなりにゲームをしてきた人間の意見を言わせてもらってもいいかな?
これ、多分クソゲーよ?
しかも多分狙って作られた、隙のないクソゲーよ?
さらに糞ゲーでもあるのよ?
それなりにゲームしてなくてもわかるわ、こんなもん!!!!!教育上絶対よろしくないやつ!!!
「うんちブタとか書いてあるし!絶対ダメ!!!」「これ!このぶたのうんち見せて!」「ダメダメダメ!第一、これ豚のうんちではない!絶対違うから!」「見せて!!見せてよーーーーー!!!」
発達が怪しまれし息子の癇癪は一度始まると大変なことになる。私は折れた。それに、もしかしたら、万が一、豚のあり方を問う名作ゲームの可能性あるし。
ありうる。ありうる。こういう何気ないブラウザゲームが意外と面白いことある!
あ、ある!まだ!可能性ある!
ある……あるよね?
神様……ありますよね?
…………………………
終わりました。
一応ゲーマーの端くれとしてすべてのルートを確認したと思います。
その上でね、言わせてもらうわ。
クソゲーだわ。
タグ通りのクソゲーだわ。糞ゲーだったし。
むしろ奇跡。こんなゲームに出会えたことが。私はただ単に息子の知的好奇心を育みたいと思っただけなのに。顔からうんちを連想された上に、謎のゲームに行き着いてうんちを食べる豚を見守ることになるなんて、人生ってもしかしてミラクルの連続?
しかし、息子はこのうんち豚のゲームをいたく気に入ったらしくことあるごとに「うんち豚のゲーム、みーせて!」と言ってくるようになった。
制作者の方が自称しているとはいえ、クソゲーとか言ってすみません。
とりあえずここに一名、うんち豚ゲームの大ファンが誕生したことをご報告します。
本当、どんなものでも存在意義ってあるんだなぁ……
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