闘う二体の異形。怪談・逢魔が時物語「コタツの乱」
友達は神奈川県の自宅のコタツで昼寝していた。
ウトウトしていると、家の外で大きな声がする。
何を言ってるのかわからないが、うるさい。
気にしないようにして、寝返りを打とうとした。
すると、ガキッと体が動かない。
(あれれ? 金縛りになっちゃったの?)
焦っていると、さっきの声がまた聞こえてくる。
しかも、それは部屋の中でしていることに気づいた。
えっと思って、動く目だけであちこち探してみる。
すると、有り得ないものをコタツの上に発見した。
ちっちゃな小人が二人、何か叫びながら喧嘩している。
お互いを突き飛ばしたり、胸ぐらを掴んだりと激しい。
呆気に取られて見ていると、殴り合いになった。
どんどんエスカレートして、いつの間にか刃物を
持っている。
ぶっそうなことにコタツの上で、刃物を振り回し
はじめた。
戦いは一方が斬られて倒れるまで続いた。
どうやら一人の小人が死んで決着したようだ。
殺した方がそいつを引き摺って、どこかに連れて行く。
小人たちが消えてしばらくすると、
体が動くようになった。
金縛りの際に見た『夢』?
いやいや、夢ではなかったのかも知れない。
だって、コタツの天板には
刃物で浅く斬ったような傷が……。
※怪談・逢魔が時物語select
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・投稿 颯朧さん(女性・神奈川県)
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