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中国茶のお茶会

先日、中国茶のお茶会にお誘い頂き参加する機会があった。

お茶会と言われてまず想像するのは、抹茶を茶室で頂くものだと思う。 
作法などがいろいろとあり難しそうだが、気軽に抹茶をいただけるカジュアルなものもあるので参加したことがある方も多いのではないだろうか。 
私もそのようなお茶会には参加したことはあったのだが、中国茶のお茶会というものは最近になって初めて体験した。 

そもそも、中国茶と言ってもあまり知識もなく、中華街に食事に行った時に飲むウーロン茶、ジャスミン茶、プーアール茶、鉄観音茶くらいしか知らなかったくらいだ。 

今回の中国茶会では、菊花白茶、杉林渓貴妃茶、鳳凰単そう草蘭、氷島古樹金潤生餅茶を頂いた。 
もはや名前の読み方すらわからないようなお茶だが、お茶の先生に一つ一つ解説をしていただいた。 

一つ目の菊花白茶は読んで字のごとくお茶に菊の花が入っており飲むと菊の香りがする。 
乾いたお茶の葉は針金のような棒状のものを想像するが、中国茶はいろいろな形があり、このお茶は平たいお茶の葉をプレスした塊になっている。 
また、中国茶は熟成させるため何年も寝かせるものもあるため、汚れや酵素を落とすために最初の一杯目は洗茶と言ってお湯をさっと通して洗ったりするらしい。 

二つ目の杉林渓貴妃茶はちょっと変わったお茶でウンカというお茶につく虫が茶葉を嚙むことにより、茶葉にウンカの分泌物が入り、それによって変化した茶葉を使って作られる蜜香烏龍茶だそうで、飲むとマスカットの香りがするのだ! 虫の唾液? でそんな変化が起きるなんて自然って不思議だし、それを見つけた人もすごいと思う。 

3つ目の鳳凰単そう草蘭は本日のメインでまろやかで甘くとてもおいしかった。このお茶はランクの高いものになると、100グラムで10万円以上するものもあるそうだ。 

お茶会というだけあって一緒にいただくお菓子もお茶の種類ごとに変わってくる。菊のお茶には中華のスパイス五香粉の入ったクッキー、マスカットの香りのする貴妃茶には、マスカットと白葡萄のゼリーとアイスクリームの入ったドルチェ、メインの鳳凰単そう蘭茶には卵黄の餡の月餅が用意されていてどれも本当においしかった。 

最後にいただいたお茶は、氷島古樹金潤生餅茶、氷島で栽培されたお茶で生茶だそうだ。ウーロン茶やプーアール茶など中国茶は紅茶のように発酵させて作られているがこの氷島古樹金潤生餅茶は生茶なので緑茶に近い。 
最後にふさわしくスッキリとしていて爽やかな青い味がした。

お茶会を主催された先生は、50を過ぎてから中国茶の世界に目覚め、すっかり沼にハマってしまったと言っていた。中国茶の他に中国はワインも素晴らしいらしく、これからが楽しみだと仰っていた。 
もともと、キャビンアテンダントのお仕事からスタッフの教育担当に移り中国で指導もしていたということで現地のことにも詳しく、お茶畑を見学されたときのお話なども楽しく教えていただいた。 
お茶を淹れる際の茶器などにもこだわりがあり、茶器を製作しているデザイナーさんに直にお会いして茶器を購入するなど本当に熱心でそのパワーには驚かされた。お茶と一緒に出すお茶菓子もお茶に一番合うものを手作りしたり、自分が考えたレシピでお店にオーダーしたりするらしい。 

ここまで来ると中国茶オタクと言ってもいいのかもしれない。 
実際お茶の話をしているときの先生は生き生きしていて本当に楽しそうだった。そこまで夢中になれるものがあるなんて羨ましいとすら思い、素晴らしい行動力と研究熱心さにすっかり憧れてしまった。 


今まで、中国茶といえばウーロン茶かジャスミン茶しか飲んでこなかった私だが中国茶の新しい世界を教えていただいて楽しさを知ったので、これからは色々なお茶を楽しんでいきたいと思う。 

皆さんも機会があったら中国茶の世界を楽しんで見てほしい。 
きっと想像を超える新しい香りと味に出会えると思う。 

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