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#47 大学生「シフトを削られて生活が苦しい状況なんです….」からはじまった。新商品開発と全国展開への道

コロナ禍が長引くにつれ、店の運営も厳しくなり、これからのことを考えると不安で眠れない夜が続いた。
飲食・観光業界に携わる人なら、誰もが同じように感じていたに違いない。

そんな2021年2月、多数の大学生からアルバイトの応募が入った。志望理由を聞くと「バイトのシフトを削られて生活が苦しい状況なんです。働かせてください!」とのことだった。

小さいQRコード

アルバイト募集の掲載と言っても、誰もが素通りしそうなほど、小さいQRコードが貼ってあるだけである。
それを見つけて応募してくるほどだから、
大学生たちも同じように苦しいのだと痛感した。

とは言え、給与を支払っていけるだけの売上の見通しがたたない中、感情だけで安易に採用はできない。

採用したところで、結局シフトに入れなければ意味がない。どうすればいいのか?
出来ることなら、何とかしてあげたい。

結局、計画もまま成らない状態で、4名も採用してしまった。

「大丈夫なの?」と言われるのは、当然わかっていたが、「もし断ったら後悔しそうで」と、そんな理由では、到底納得しないのはわかっていても正直に伝えた。

彼女たちの一生懸命働く姿を見ていると、やっぱり採用して良かったと思う。
うちみたいなお店でも、何か教えられることは無いか?とつい考えてしまう。

そうだ!経験だ。ゼロから作り上げる経験だ。

新商品を開発して販売し、売上を作ればなんとかなる!なんとかする!と決めた。
これで乗り切れると、根拠もなくはしゃいでいた。
この時点では、まだ商品は出来ていない。
しかし、何のためにやるのか?を描けた時ほど行動しやすい。しやすいから良くも悪くも結果が出やすい。

そんなありたい姿とは、

大学生スタッフが、これまでの経験や実績を武器に社会に出てからも自信を持って生きていけるように

そんな想いを皆んなに伝えスタートした。
協力して情報収集をし、アイデアを出し合い、その模様をSNSに掲載して、それぞれの役割が決まっていった。
職場は学園祭の催し物を考えているような楽しい時間だった。

そこで出来上がったのがチキンオーバーライスである。
ニューヨーク屋台メシとも言われ、都内にポツポツと出回ってきたカジュアルフードである。

オーバーライスとは、ご飯の上にチキンが載っているというい意味で、日本の丼ものに近い。
決して目新しくはないが、ソースや盛り付けを工夫すれば、盛り上がりそうな肌触りを感じた。

配達などを想定した容器選びと、蓋を開けた瞬間の完成具合までを見た目を10割としたイメージを膨らませた。

8割で一旦商品を撮影し、後はお客様に判断していただく。デリバリー用タブレットを接続し、いよいよスタート!
と同時にオーダーが入った。
「やったー」たった一回の注文なのに、妙に嬉しかった。その後も火切なしに注文が入り、最先の良いスタートが出来た。

あるスタッフが、「もしこの商品が、故郷でも販売していたら、親にも食べさせてあげられるのに・・・」と呟いた。
私は、なぜかと尋ねると「だって私たちがゼロから考えたから、両親に食べさせたくて」と答えた。
私は「だったら、YOU!やっちゃいなよ~」とジャニーさんばりに伝えた。
周りからも「なんか面白くなってきた〜」と盛り上がり
結局、全国へ展開する大きな目標へ進むことになった。
まだまだ輪郭すら見えていないのに、無知ほど強いものはないと感じた。

そして、更により良くするために、お客様のレビューを参考にしたり、容器のデザインや、味付け、彩り、オペレーションの短縮など、細部まで丁寧に変えていき、商品も私たちも少しずつ成長していった。
面接当初の不安そうな印象は、何処かへ消えて無くなっていた。
世の中を変えるのは、結局のところ人の想いなんだなと、
彼女たちから沢山のことを教わった。

月日は流れ、2022年2月に大変有難いご縁をいただき、FC運営先との交渉ができた。無事に審査を通過し、とうとう全国展開への切符を掴んだ。

しかし、うちにはそんな資金はどこにもない。銀行からの借り入れもできない。
やっと掴んだ切符なのに、資金不足で今は難しいとは、口が裂けても言えない。なぜなら彼女たちは、来年に大学を卒業してしまうからだ。

何か考えろ!考えろ!と自分に問う。

そこで考え出したのが、クラウドファンディングへの挑戦だった。
しかし、プロジェクトを揺るがす大問題が発生してしまった。

果たして、全国展開をスタートし大学生に経験や実績という武器を持たせてあげることができるのか?

乞うご期待です。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

godaigenso


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