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私の鉄道写真

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OM SYSTEM 鉄道部のクリエイターたちの鉄道写真へのこだわりや思いを語ります。 鉄道写真の撮影術や表現手法など、参考になるコンテンツが満載です。
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記事一覧

山下 大祐・OM-1 MarkⅡを生かす!シンガポールの鉄道シーン

 先代OM-1から早2年、OM SYSTEMの新フラッグシップ機が発売となった。ペンタ部に「OM SYSTEM」のロゴを誇らしげに掲げ、見た目にも期待が高まるモデルチェンジである。いつも国内の鉄道ばかり撮っている私も、このカメラの記事執筆のために気分一新。南国シンガポールでの撮影を試みた。  シンガポールはマレー半島の先端にある貿易・金融大国。鉄道は6路線の地下鉄(Mass Rapid Transit=MRT)が張り巡らされている。そのほか、いわゆる新交通システムが地域の足

<徒歩電鉄>東急世田谷線・視点を変えた鉄道写真「いろあわせ」

■きっかけはグループ展 2022年の春、写真仲間と同年9月頃にグループ展を開催しようという話になったことが始まり。都会の暮らしの中で目に入ってくる意外なギャップを共通のテーマとし、6人のカメラマンがそれぞれのテーマで数点の作品を発表するという写真展です。都心からわずか15分以内に昭和の町並みを走る小さな電車、東急世田谷線をテーマに撮り歩きすることにしました。 ■町中を走る小さな電車 東急世田谷線は、東急田園都市線の三軒茶屋から京王下高井戸までの約5kmを20分弱で結ぶ

<インタビュー> 高屋 力 写真展 「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~

*この記事は2023年1月20日に公開した記事の一部を修正して再掲載したものです。 2023年9月2日から24日まで、滋賀県長浜鉄道スクエアにてにて開催される、高屋 力 写真展「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~ について、作者である鉄道写真家の高屋 力さんに語って頂きました。 写真展「詩のある風景」で目指したことは何でしょうか? 2023年2月にOMSYSTEMギャラリー新宿にて、「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~を開催させて頂き、多くのお客様にご覧頂く

<OM SYSTEM アンバサダー>三橋 康弘「乗って発見、ローカル線の旅・弘南鉄道」

■2つの路線をもつ「弘南鉄道」 私は列車に乗って、ふらっと降りて、その土地ならではの景色を発見できるローカル線の旅によく出かけます。途中下車した駅から沿線の風景を楽しみながらの鉄道写真撮り歩きで、コンパクトで機動力のある OM SYSTEM のカメラは私の旅に欠かせない相棒です。今回は OM-1 をぶら下げて弘南鉄道の旅に出かけてきました。 青森県を走る弘南鉄道には弘前(ひろさき)と黒石(くろいし)を結ぶ全長16.8kmの弘南線と、中央弘前(ちゅうおうひろさき)と大鰐(

<OM SYSTEM アンバサダー>穐田 英則「乗って発見、ローカル線の旅・山形鉄道」

2022年3月から始めた「鉄印帳」。これがとても楽しく、全国各地のローカル線に撮影に出かけることが増えました。列車を撮影しようと思っても、本数が少なく「撮り鉄」と「乗り鉄」の両立が難しいローカル線、駅や車内での撮影が多くなります。でも、駅で撮影できるのは列車の顔や姿だけではありません。地元の珍しいものや、一期一会の出会いで、撮影の旅が楽しめるというところも魅力と言えます。 ※鉄印帳(旅行読売 × 読売旅行 ホームページ) 2020年に旅行読売出版社が第三セクター鉄道等協議会

<連載>OM と旅する鉄道情景(第2回/高屋 力) GROUP K.T.R

北九州の隠れた名所「くろがね線」を訪ねて ●くろがね線とは? くろがね線とは、福岡県北九州市の日本製鉄が運営する専用鉄道です。 八幡地区と戸畑地区を結ぶ総延長およそ6kmの路線で、かつては複線でしたが、現在は輸送量も減り単線化されています。 JR 貨物や他の鉄道路線との運用上のつながりも無く、ここでしか見られないオリジナルの機関車や貨車が活躍しています。さらにここの路線は「時刻表」というものが存在せず(内部では存在はしているのかもしれないですが非公表のため)、いつ走るのか

小竹 直人・夏だ!! Tough TG-6で遊ぼう

2022年夏のロケでは、各地で発生した積乱雲を眺めながら蒸気機関車の煙と対比させようと思いつきました。雲の白のグラデーションと黒煙の黒のグラデーションの対比です。さらに、そのデータをモノクロ化していつかの展示作品にしようと考えたました。 この作品は、そうしたイメージから撮ったショットです。場所は磐越西線の山都付近の一ノ瀬橋梁で、言わずと知れた有名ポイントですね。さらに面白いショットを求めて翌週末もこの場所に立つ予定でした。ところが自宅を出る寸前に豪雨で山都喜多方間の鉄橋崩落

なかむら義宣・身近にある絶景を探して  ~後編 写真のチカラ~

前編はこちら 写真のチカラ 歌なら約5分 映画なら約2時間 小説等の物語は数時間 でも 写真なら一瞬ですぐに人を感動させることができます。 私は何も考えず「わぁ!!」って思ってもらえるそんな写真が撮りたいです。 そんな考えのもと2014年4月9日からほぼ毎日ブログで計3,000枚以上の写真を公開してきました。 その他にもInstagramやFacebookなど様々なSNSで写真を紹介してきました。 私が撮影するのはほとんどが自宅周辺(滋賀東県近江市周辺)です。この限定的な

なかむら義宣・身近にある絶景を探して 〜前編 私の人生を変えたカメラとSNS〜

今回は滋賀県にお住いで地元近江鉄道の写真で数多くの作品を発表されているアマチュアカメラマン・なかむら義宣さんにご登場頂きます。なかむらさんのカメラとの出会いや写真の楽しみ、SNSとの向かい方、写真のチカラについて、2回に渡ってお届け致します。 カメラとの出会い 2003年に結婚した私は、新婚旅行にCAMEDIA C-40をずっと手に持ちヨーロッパ7日間の旅を楽しみました。 これが私にとって初めてのデジタルカメラ。 OLYMPUSとの出会いでした。 2009年長男の出産を

<連載>OMと旅する鉄道情景(第1回/神谷 武志)GROUP K.T.R

「えちごトキめき鉄道」に輿入れしたオイラン車を撮りに行く ●オヤ31ってなに? 2023(令和5)年3月、車両限界測定用試験車・オヤ31 31が、えちごトキめき鉄道に譲渡されました。 「建築限界測定用試験車」という聞きなれない名称は、新線開業時などに設備関係が列車に接触する危険性が生じていないかを検査・測定するための専用車両を指します。その測定は、車両から上体ぐるりと角のように検知針を突き出し、それが接触しないかどうか調べるスタイル。アナログだけど絶対確実な検査とも言えま