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<インタビュー> 高屋 力 写真展 「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~

*この記事は2023年1月20日に公開した記事の一部を修正して再掲載したものです。



2023年9月2日から24日まで、滋賀県長浜鉄道スクエアにてにて開催される、高屋 力 写真展「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~ について、作者である鉄道写真家の高屋 力さんに語って頂きました。

高屋 力 (タカヤ リキ/Riki Takaya)
1974年 京都生まれ。幼年期より鉄道に興味を持ち写真を始める。 フォトスタジオで6年間勤務。1998年独立「フォトオフィス高屋」を設立。現在に至る。 営業写真、商業写真の他にフォトコンテスト審査委員長、鉄道イベント、写真教室、高等学校写真部特別講師などでも活躍。 ライフワークとして抒情的な鉄道風景を表現すべく全国を放浪中。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS) 会員
日本鉄道写真作家協会(JRPS) 会員


写真展「詩のある風景」で目指したことは何でしょうか?

2023年2月にOMSYSTEMギャラリー新宿にて、「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~を開催させて頂き、多くのお客様にご覧頂くことができました。この時の作品を関西、東海、北陸地区の皆様にもご覧頂きたく、このたび長浜鉄道スクエアで写真展を開催させて頂くことに致しました。長浜は私の地元・京都からも近く、一人でも多くに皆様にご来場頂ければと思います。

「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~は、1999年に私が京都で初めて開催した「詩のある風景」~わたしの旅・山陰編~ 以来ひさしぶりの大きな個展となります。今回の写真展はこの1999年の写真展と同一のタイトルとして私自身の成長と変化を確かめつつ、『抒情的鉄道風景』を突き詰めた原点回帰の写真展を目指しました。
この『抒情的鉄道風景』は、私の写真家としてのメインテーマです。1999年の写真展、その後の福知山駅やオリンパスプラザなどでの写真展、JPS・KPS・JRPSといった写真家団体の展示への出品作も、鉄道が持つドラマ性・物語性を一貫して表現してきました。心に沁みるような情景を感じていただき、鉄道マニアではない方にも旅に出たいな、とか、懐かしいな、と思っていただけると嬉しく思います。


1999年 個展図録

撮影でのこだわりや苦労話お話しいただけますか。

私は都会の路線よりも海沿いや山奥を走るローカル線の方が好きで出かけることが多く、その撮影現場に張り詰めた“空気感”を表現することにこだわっています。いろんな人が同じ景色を見ても撮る写真はそれぞれ異なります。作品に閉じ込めた空気感を感じていただいて「この写真って高屋力さんが撮影した写真だよね。」って言って貰えたら最高に嬉しいです。ちなみにOM SYSTEMカメラのアートフィルター機能には、その空気感の表現を大いに助けて貰っています。
また、私は“こんな写真を撮ろう”と予めイメージを決めて撮影に行くことはあまりなく、撮影する時に“この現場で感じることをどう表現するか“をその現場で考えて撮ることがほとんどです。同じ撮影ポイントに行くことも多くあるのですが、あえて違う場所や角度を探して撮影します。そうして撮影した写真は『そこに居合わせた偶然』と言えるかもしれません。季節感は考えますが、天気には逆らいません。例えば雨が降ったら雨の中の鉄道を撮ります。狙い通りに撮るよりも、その時その場所で感じた瞬間を大切にしています。
鉄道撮影では一瞬の撮影のために長く待つことはよくあることです。吹雪の中待ち続けてもバッチリ撮れるとその疲れは吹っ飛びますが、正直心身にこたえます。私の好きなローカル線は1本逃すと2~3時間待つことが多く、光の状態と列車が来るタイミングがなかなか合ってくれません。 “夕日と一緒に列車を撮影したい”と思っても、最高の夕日の5分前に列車が行ってしまった、なんてことも何度も経験しました。

2013年 個展のDM

撮影機材について教えてください。

この写真展は、OM SYSTEMを使うようになった5年前から直近までに撮影した作品で、全てOM SYSTEM(オリンパス機含む)で撮影した作品です。軽量コンパクトというのは本当にありがたく、ここ5年間は撮影回数も撮影ショット数もそれ以前に比べ、ものすごく増えています。小型軽量のOM SYSTEMに機材を替えてからカメラバッグがふた回りは小さくなり、カメラを持っている時間が以前に比べ長くなっているのがその理由だと思います。いつでもカメラを持って出かけられるというのは、作品作りに本当に大切だとつくづく感じます。私は鉄道写真以外にも様々な撮影の仕事をしていますが、最近はそれら全てをOM SYSTEMでこなしています。鉄道写真はOM-1・E-M1X・M.ZUIKO DIGITAL PROレンズ4本・テレコンバーター2種を小型のカメラバッグに入れて、他の撮影時と完全に分けています。この鉄道機材のバッグを持つと、いつもの仕事とは違う「鉄スイッチ」が入るんです。発売と同時に購入したM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROも使っており、その写真も今回出展しています。他にも被写体に対する“圧”が少ないPENや小型単焦点レンズ、高倍率ズームレンズなども使っています。

2013年 個展出展作品

この写真展「詩のある風景」~抒情的鉄道風景2023~の見どころは?

“鉄道と人との関わり”を意識してご覧いただければと思います。作品には人物がとても多く写っています。この人達はたまたまその鉄道風景の中に居合わせた方々で、これらは『偶然の表現』でないと撮れないものです。他の誰も撮っていない場所・時間の様々なドラマを、観る人それぞれが感じていただけたら嬉しく思います。
今回の写真展は先ずタイトルを決めました。そのタイトルから写真展を構成し追い込んでいきましたが、作品のセレクトには随分と悩みました。200枚を超える写真から何回も絞り込み、今回展示する作品を選び出しました。東北から九州、そして桜から雪へと四季折々の情景で構成されています。当初あれもこれもと欲がでていましたが、絞り込んだ結果、満足のいく内容になったと思います。9月9日(土)には、作品解説も実施しますので是非足をお運び頂けたらと思います。写真展をご覧いただき、私なりの「詩のある風景」を感じていただければと願っています。

ありがとうございました。


鉄道写真展

高屋力 写真展 詩のある風景 ~ 抒情的鉄道風景 2023~

■期間 2023年9月2日(土) ~ 9月24日(日)
■会場 長浜鉄道スクエア 鉄道文化館 
  滋賀県長浜市北船町1-41 TEL 0749-63-4091
  開館09:30~閉館17:00(入館は16:30まで)
写真展、トークショーをご覧頂くためには長浜鉄道スクエアの入館料が必要です。(大人300円、小中学生150円)

<公共交通機関利用>
JR北陸本線 長浜駅下車、西口から徒歩3分
<お車利用>
北陸自動車道 長浜ICより、車で15分(約5km)
隣に長浜駅西有料駐車場有

鉄道トークショー

森高倶楽部トークショー

9月2日(土) 13:00~ 

出演:鉄道写真家 高屋力、森誠





高屋力 写真展 詩のある風景 ~ 抒情的鉄道風景 2023 ~ 作品解説

9月9日(土) 13:00~ 
出演:鉄道写真家 高屋力

詳細はこちらをご覧ください。

皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

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