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青春18きっぷ6日間の旅 2日目

2018年3月、私は友人と2人で青春18きっぷの旅に出た。今日はその2日目である。
6日間の行程はこちら

1日目はこちら↓

本日は広島から芸備線に乗り、三次から三江線に乗る。三江線は2018年3月で廃線になってしまうので、その前に乗っておきたいという魂胆だ。

三江線は太平洋側と日本海側を結ぶ陰陽連絡路線の一つであったが、1926年の着工から1975年の全線開通まで大変時間を費やした。その頃にはモータリゼーションが波及し、沿線では自家用車を持つ住民が多かった。開通当初から利用状況は芳しくなかったそうだ。詳しくはこちら

早朝の広島駅を出て北へ

外がまだ暗いため駅構内が白飛び
早朝のコンコースは人もまばら
芸備線普通列車。車両は50年もの

今日は移動に徹する行程だ。今日の旅の目的は主に列車に乗ることである。
早朝5時半に起床。昨日買っておいたおにぎりを食べ、ホテルをチェックアウト。外はまだ薄暗く肌寒い。
路面電車に乗って広島駅到着。この時乗った車両が元京都市電の40年物ですごい。広島駅って広島市内の外れの方なんだなと実感する。

芸備線の列車はキハ40・47形の6両編成。朝ラッシュの時間帯だったからだろう。すげえな6両とか初めてみたわ。かつてはどこもかしこも走ってたんだろうけどな…。

広島駅を出てすぐ、車窓に新幹線が映る。

線路と並走する新幹線の車両基地

広島駅の隣の駅、矢賀駅のあたりまでは、山陽新幹線の車両基地につながる線路と並走している。
列車の中から新幹線を眺められてラッキーだった。

車窓は広島市近郊の住宅街から宅地化が進んだ地区(おそらく元農地)に変化し、下深川駅を過ぎたあたりから山や田畑が目立ち始める。中深川駅のあたりで広島近郊といえる地域は終了。狩留家駅は山の谷間の駅だった。
はじめは6両だった列車も、下深川駅で後ろ2両を切り離し、志和口駅でさらに後ろ2両を切り離し、2両編成のワンマン運転になった。

三江線、愛すべき江の川鉄道

三次駅。2両編成で到着
三江線の石見川本行だけまさかの3両編成
三次駅前に掲げられた「ありがとう三江線」
三江線出発信号機

9時前に三次駅に到着。三江線の石見川本行は10時02分発なので、1時間ほど時間がある。駅のセブンイレブン(おそらく元キヨスク)でお茶を購入し、駅前を散策。

駅の隣にある三次市観光協会の売店を眺める。三江線に関するグッズなども販売されていた。「中国地方ローカル線の旅ガイドブック〜愛しの三江線〜」を購入。山陰本線をはじめ、木次線や三江線など、中国地方のローカル線の名所を紹介する書籍である。三江線の記事が載っているというだけで、今となっては貴重なものである。

三江線・石見川本行は通常ではあり得ない3両編成。3月いっぱいで運行を終了するということで全国から鉄道ファンが集まっているため、3両でも満員であった。

春が待ち遠しい
線路は江の川と共にある
何度目かの江の川橋梁
赤茶色の瓦が山陰の特徴

三江線は「江の川鉄道」と言う愛称があり、実際江の川に沿って線路が敷かれている。江の川の上流に三次駅があり、ここに降る雨は日本海に流れる。広島県全てが瀬戸内側というわけではないのも面白い。

上の写真4枚は、全て江の川を写したものである。延々と同じような光景が続くので、初めは感動するが、だんだんしんどくなる。美しいと思う人はそう思うのだろうが。(そもそも18きっぷの旅全体を通して山の中の路線が多いというのもある)

三江線で有名な駅に、宇津井駅がある。この駅は地上からかなり高い橋の上にある駅であるにもかかわらず、ホームに行く手段は階段のみ。乗り降りするには相当不便であるが、天空の駅として鉄道ファンには有名である。私が訪れた際も地上かには多くの鉄道ファンや地元の方がいた。この駅で乗り降りする乗客もいた。

石見川本駅は鉄道ファンで賑わっていた

12時18分、石見川本駅に到着。2時間強の乗車であった。ここで13時45分発の江津行に乗り換える。乗り換えると言っても一旦乗客全員降ろされて、再び同じ列車に乗るだけだが。

お昼ごはんに駅からしばらく歩いたところにあるお店で唐揚げ定食(780円)を食べた。注文してから提供までにかなり時間がかかった上に、唐揚げのボリュームが凄まじく、出発の時刻が迫っていたため、フードファイターの如く喰らった。美味しかったので今度はゆっくり食べたい。今度行く機会があれば良いのだが。

ここにきて、悪天候のため長門市〜下関間が150〜220分遅れているという情報が入った。予定が狂うという不安感の一方、友人は楽しそうだった。ひとまず山陰本線を行けるところまで西へ向かうということにした。

何とか予定の列車に乗車できた。やはり江の川に沿った風景が延々と続く。これが三江線の良いところであり、悪いところでもある。

偉大なるローカル線、山陰本線

三江線の路線カラーの駅名標
江津駅入口

15時前に三江線終点、江津に到着。江津駅はそれほど大規模な駅ではなかった。接続駅だから立派という幻想は捨てなければならない。

石見神楽ラッピング列車(キハ126−1002)

快速アクアライナー、益田行に乗車。
車窓は赤茶色の瓦屋根の向こう側に日本海が見える。いかにも山陰本線らしい景色だ。

波子駅。しまね水族館アクアスの最寄り駅

水族館マニア(自称)としては、是非ともアクアスに行ってみたかったが、ここで降りると詰むので今回は見送った。

途中、浜田駅では30分ほどの停車時間があったので、列車を降りてしばらく駅構内などを散策。これがゆとりダイヤってやつか(違う)。

雨模様の日本海

次第に天候が悪化してきた。日本海には分厚い雨雲が立ち込め、遠くの景色が霞んで見える。こんな天気で大丈夫だろうか。遅延は解消したのだろうか。

約4時間の普通列車、益田発下関行

駅名標を撮るのが好きです
益田駅構内
昭和の趣き漂う益田駅入口

終点、益田駅到着。夕方になり腹が減った。例によって次の列車まで時間があるので、駅コンビニでお茶と豚汁を買って食べた。コンビニがあるだけマシだ。江津駅にはなかったぞ。

次の列車というのが、これだ。

キハ47で下関まで直通

2022年1月現在、益田から下関までの直通列車は存在せず、主に長門市で乗り換える。その意味では、この列車に乗ることができたのも貴重な経験ではある。長距離普通列車は年々減少している。

17時46分に出発。初めのうちは面白がって乗れたものの、長距離移動で疲れていた体にさらにかかる負担で正直辛かった。これが18きっぷの醍醐味である(違うと思う)。

さらに荒れる日本海

風景も単調で、いくら経ってもちっとも進んでる気がしない(進んでる)。暇つぶしさえ尽きたので、新しいゲームを考えた。

時刻表すごろく

ルールは考えてる間にどんどん複雑になったが、大体以下のような感じ。

  • 時刻表の路線図と好きな多面体のサイコロを用意。
    (今回は正12面体を使用)

  • 出発地と目的地のJR線の駅を決めて、以下のルールに従って先に目的地に着いた人が勝ち。
    (今回は下関から姫路)

  • サイコロを振り、出た目の数だけJR線の駅を進む。初めは在来線を利用する。

  • 在来線において、路線が分岐する駅を通過する場合、どちらの路線に進むか選べる

  • 在来線幹線では、みどりの窓口のない駅に止まった場合、それより手前のみどりの窓口のある駅まで戻る

  • 地方交通線では、みどりの窓口のある駅に止まった場合、1駅進む

  • 在来線と新幹線の接続駅に止まった場合、新幹線に乗って1駅進むか、在来線で3駅進むか選べる

  • 新幹線に乗っていて、在来線と接続のない駅に止まった場合、新幹線で2駅戻る

  • 目的の駅を通過してしまった場合、反対方向の列車に乗り、目的駅にちょうど止まる必要がある

このような遊びをしていた。ルールはちょっと違うかもしれない。なかなかゴールするのが難しかった。新幹線が在来線と接続しないせいでなかなか前に進まなかったり、在来線の難所がすごろくでも難所だったりした。

そんなことをしてもまだ下関に着かない。
起きていたか寝ていたかよく憶えてないが、気がつくと下関の一駅手前、幡生駅まで来ていた。目的地はすぐそこだ。

本日の宿泊地、下関

益田から一本で来られたことに奇跡さえ感じる
下関駅駅舎

下関駅に到着したのは21時39分。定刻で到着して安心した。
高架駅である下関駅の真下にあるスーパー、ゆめマートで明日の食料と夕飯を購入し、ホテルにチェックイン。今日の収支を記録して、すぐに寝た。よく憶えていない。疲れ切っていたのは確かだ。

明日、3日目は福岡のマリンワールド海の中道でラッコに会いに行く。その後、昼過ぎからは東京方面へ山陽本線でひたすら東へ。三原まで行く予定だ。
朝は5時起き。早く寝よう。

(続く)


(追記)
3日目が書けました。こちらから↓

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