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マスク着用せず反則負け 終焉

将棋連盟は、2月28日の理事会にて、政府のマスク着用緩和の方針を受けて、3月13日付でついに臨時対局規定を廃止することを決めました。これにより、感染症法上のはやり病が2類から5類に変更される5月8日まで、対局中のマスク着用は「任意」、会話を行う場合は「推奨」となります。

ただし、「重症化リスクの高い方が多くいる場所や密集した空間が想定される場合は着用を『指示』する場合があり、公式戦対局の延期措置については特例措置を継続し、連盟主催の将棋大会やイベント等では別途基準を定める場合があります」との事ですし、感染症状がある、検査で陽性となる、咳き込みが多い者は会話の有無に関わらずマスク着用は推奨とされ、当然、同居人に陽性者がいる場合は来館を控えるようにとの事です。

色々と考えたんだろうなぁという感じですね。日浦市郎八段の告発によれば連盟理事は「これから『マスクで鼻までふさぐ』といった規定も盛り込むつもりだ」と発言していたわけで、そう簡単に臨時対局規定を変えるつもりはなかったのでしょう。一方で、マスク不着用で失格問題が大きくクローズアップされていましたし、「高い公共性を求められる公益法人として政府の方針・基準に則った対応をする」とコメントしてしまったこともあって、政府のマスク着用の緩和方針が示されたことで、臨時対局規定の廃止に舵を切ったのではないでしょうか。

にしても日浦八段は悪者のような形になりましたね。いやっ故意に反則をしているため悪者と言えば悪者なんですが、ルールの不備を突いたとも言えなくはないですし、5月12日まで対局停止処分を受けていることもあって、連盟は大きな影響はないとして踏み切ったとも考えられます。処分前に規定の廃止を発表したら、日浦八段が一石を投じたように捉えられますからね。

でも、最後まで説明らしい説明が無かったのは気になります。規則の恣意的な運用や、即反則負けにならないかもしれない臨時対局規定の解釈、規定を一部しか公開しない秘匿性、論争を呼ぶものについては詳らかにした上で議論を重ねてほしかったですね。


なお、これまでのマスク不着用による反則負けについての記事は以下のとおりです。ご覧頂けたら幸いです。


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