恐怖の「小舟」 …

まだ幼いころ、親戚のおばさんの故郷である石川県の「能登島」へ連れてってもらった。

何より「島」というワードに惹かれ、行くまえから三つ下の妹と、とっても盛り上がっていた。

その日はまず大阪駅から金沢へ、でたしかナナオ?という海辺の町から船に乗ったと思う。

初めての船で、さぁどんな体験ができるのだろうとワクワクしていたところ、目のまえに現われたのは超がつくほどの小っちゃな小舟!…例えるならば、タイ国の草ボーボーの岸に挟まれた泥河で?三度笠のようなかぶり物をした水夫が河に杖のようなものを落とし手で漕いでるようなイメージ(^◇^;)

「これで海を渡るのか!?」


恐怖と動揺で、すぐに家に帰りたくなった。

家族4人でいっぱいいっぱいで、真横に感じる海水と今にも転覆しそうな狭い空間で過ごす時間は、幼い子供には3時間にも4時間にも感じられたが、そんなハズはなく、大人の感覚では、せいぜい15から20分程度だったのだろうとは思う。

かわいそうに三つ下の妹はオカンに抱きついたまんま、ずっと震えていた(笑)。

「能登島」に降り立つとそこはまだまだ幼い子ども、そんな恐怖など忘れてたいへん楽しい夏休みの日々を過ごした。

伊丹市ではぜったいに見れない大きさのトンボや蝉、宿泊したおばさんの実家の民宿まえには海が広がり、カニやウナギを捕った。

そんな夢のような楽しい数日間を過ごしたのだが、…そのときは刻一刻と迫って来た。

そう、あの忌々しい「小舟」に、帰りも乗らなくてはならないのです

(−_−;)


妹は泣き叫び、幼い私も後ずさり、オカンとおばさんを大変に困らせた。

…あの一件があり妹は海が嫌いになり、船恐怖症になり、自らの結婚式でハワイへ行ったときも遊覧船クルーズなどはガン無視で、いまだに出来るだけ乗らないことにしてる、と言う。

以上、the トラウマ! な?お話しでした。



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