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ストリートダンスの振付の作り方講座 〜効率よくカッコいい振付をするコツとか考え方〜

僕は地方でダンスインストラクターをやらせてもらってるのですが,地方ってインストラクターの絶対数が少ないです。

都市部だとインストラクターがあふれていて,1つのダンススタジオにたくさんの先生がいて,たくさんのジャンルのレッスンがあって,環境としてとても充実しています。

だからロッキングをやっている人はロッキングだけ教えているし,ヒップホップやってる人はヒップホップを教えています。ワックをやってる人はワックを教えています。

都市部では当たり前のことなのでしょうが,地方ではそうはいきません。何せインストラクターの絶対数が少ないですから。

だから僕はロッキングが本職?ですが,ヒップホップもワックも教えたりしています。


で,教えるということはレッスンの振付もしなくてはいけません。ロッキングの振付は得意なほうだと思うのですが,何せ地方なもので,ヒップホップの振付も,ワックの振付もしなくてはいけません。

生徒をイベントに出す場合はヒップホップの振付が多いですし。


このように僕は得意ではないジャンルの振付をするということを10年以上続けています。

意外と僕の振付は評判がよいです。入賞とかできなくても「あの振付よかったよ」と言われることがけっこう多いです。


振付について教えてもらえる機会ってほぼなくて,テクニカルなことなんてほんと誰も教えてくれません。

それでも今まで仲良くなったダンサーさんと情報交換とかさせてもらって,ネットで調べ漁って得たノウハウがたまってきています。

この記事に書いている内容をちらっと言うと「なるほど〜」と唸ってくれる人がたくさんいます。それだけよい内容だと自負していますし,多くの人にとって盲点だったりもすると思います。

このノウハウを覚えていくと,頭が混乱することなく,同時進行で3〜5の振付はつくることができますよ。


実際,僕は鳥取県の事業の舞台公演でストリートダンス系の作品を5つ振付しなければいけませんでしたが(ジャンルもヒップホップ,ロッキング,スタイルヒップホップなど),同時進行で2ヶ月くらいでやりました。

2ヶ月はけっこう余裕をもって時間をもらったのでゆっくりやらせてもらったのですが,早くやれ,と言われたら1ヶ月くらいでもいけると思います。


この記事では「そもそもアイデアはどうやって生まれるのか?」「振付を作る環境の整え方」「振付を作成する手順」「振付や動きを産むためのトリガー」について書いていきたいと思います。


アイデアはどうやって生まれるのか?

まず根本的なところからお話します。皆さんはアイデアが生まれる過程ってわかりますか?

振付は産みの苦しみ,ようするにアイデアが出るかどうかなのですが,良いアイデアってどうやって生まれるのかってけっこう決まってるんですよ。

ジェームス・W・ヤングさんの「アイデアのつくり方」という本をぜひ読んでみてください。1時間くらいで読めてしまう素晴らしい本です。

この本に書いてあるアイデアが生まれる過程を簡単に説明します。

1.資料集め
2.資料に手を加えてみる(=アイデアを出そうとしてみる)
3.休憩する(=アイデア出しから離れてみる)
4.アイデアが生まれる
5.生まれたアイデアを具現化する

詳しくは本を読んで欲しいのですが,簡単に要約すると「アイデアは考えて考えて考え抜いて,リラックスした状態になってから生まれてくる」ということなのです。

よく振付をしているときはスタジオの缶詰めになって考える人が多いようですが,そうやって考え抜いて,ちょっと振付から離れてみるのです。

散歩したり,好きな映画を観たり,シャワーを浴びたり…完全に振付から離れてみることが重要です。

そして,そのリラックスした状態の脳の隙間にアイデアが「おりてくる」のです。


振付をする環境を整える

まずは振付をする環境についてです。環境は大事です。できるだけ集中できる環境を整えていきましょう。

・振付は朝にするべし

まず振付をする時間ですが,これは絶対に「朝」にした方がよいです。

理由は簡単で朝がもっとも集中力が高く,クリエイティブな仕事をするのに向いている時間帯だからです。

とくに朝起きて2時間の間は,脳がもっともクリエイティブに働くと言われています。なかなか朝起きて2時間以内に動き出すというのは難しいでしょうから,午前中に振付の時間を確保するだけでも全然違うと思います。


集中力というのは,スマホのバッテリーをイメージしてもらうとわかりやすいのですが,朝起きた時に100%です。

そして,時間が経つにつれていろいろな行動をするでしょうから,どんどん容量が減っていき,夜にはかなり少なくなっています。

集中力がかなり低い状態はクリエイティブな作業には向いていません。夜は簡単な雑務とか単純作業が向いています。


おそらくほとんどのダンサーは振付は夜にすると思います。ダンサーはだいたい夜行性ですからね。昼間は仕事をしてて終業後にダンスをする人も多いですし。

この習慣をちょっと変えるだけでも効率と振付の質は変わってきます。振付をしなければいけない期間だけでも早起きしてみるとよいと思います。


・ポモドーロテクニックを使う

ポモドーロテクニックとは簡単に説明すると「25分間作業して5分間休憩する」というサイクルで仕事をしていくことです。

これを4サイクル続けるとちょうど2時間になります。4セット続けたらちょっと長めに休憩をとってもよいということです。


人間の集中力って意外と短くて,だいたい30分くらいで切れるんですよ。だから集中力が切れるまえに休憩する必要があるんですよ。休憩して集中力を回復させるのです。そのためのポモドーロテクニックです。


コツは,25分たったら,途中でも作業を切り上げて休憩することです。決して切りがよいところで終わってはいけません。途中止めして休憩してください。

途中止めすることにより,休憩中も振付の意識がどこかにあります。でも休憩していて脳はかなり自由な状態になっています。

そこにふっとアイデアが降りてくることもあり,振付がはかどるのです。

また途中止めにしたことで続きが気になり,作業に戻りやすいですし,集中力が少し回復するので,さらによい集中状態を維持することができるのです。


なかなか振りが出てこないからと言って,ずっと部屋にこもったりしてはダメです。いったん作業から離れるだけでも脳はクリアになります。

ちなみにポモドーロテクニックは厳密に25分⇒5分でなくても問題ありません。僕の場合は30分⇒10分くらいにしています。


・スマホは視界から消す

これは鉄板で,かなり効果があると思います。

現代人の集中力を奪っているものはまちがいなく「スマホ」です。これが近くにある状態で振付なんかするとSNSとかLINEとか気になって作業が中断してしまいます。

この作業の中断って実はけっこうヤバくて,作業を中断するごとに集中が切れますし,時間が分断されたことによって「時間がない」と錯覚します。

そして時間がないと思えば思うほど,集中力もなくなっていき,アウトプットの質が圧倒的に下がるのです。


これは日常生活でも言えることで,家でゆっくりDVDとかみてるときにLINEがきても返信してはダメですよ。時間がないと錯覚を起こし,全然リラックスできなくなりますよ。

「スマホで音楽流す」人も多いかと思いますが,その場合は機内モードにするとか,できれば音楽は別のメディア(CDとかiPodとか)で流すのがベストです。振付するときはネットを切断しましょう。


・とにかく邪魔が入らないように

スマホを視界から消しても,例えば家でやってたら郵便がくるかもしれないし,家族が話しかけてくるかもしれません。仲間とやってたら仲間が話しかけてくるかもしれません。

そういう要因をできるだけなくすのがよいでしょう。集中をいちいち外部刺激で分断されるのはやはり作業効率は圧倒的にさがります。

スタジオ借りたりしてこもることをおすすめします。朝の時間帯にスタジオを借りると,安いところもあるでしょうし,スタジオのオーナーも喜びますよ。あまり使われない時間を使ってもらえますから。

自分はクリエイティブな時間帯に振付ができて,スタジオオーナーはレンタル代が入ってくる。完全なWin-Winです。


振付制作実践編

・振付を作り上げるための順序

1つの作品の振付を作り上げてまとめる作業には最適な順序があります。

1.選曲
2.曲編集
3.構成
4.振付

の順序でつくっていきます。

1.選曲

まずは選曲です。自分の目的にそって選曲してください。

選曲するとき多くの人が「あの曲使いたい」「この曲使いたい」となって,全部同時につかって,なんかよくわからない作品になることが少なくありません。

これは選曲の罠なのですが,選曲に関しては「欲張らない」ことが大事です。

まずは「絶対に使いたい曲」を1曲選びましょう。そして,それに合う曲を探しましょう。

これは洋服のコーディネートに似ています。上から下まで全部自分が好きな服を着ていて,トータルコーディネートでおかしい人っていませんか?あれと同じです。

まずは絶対に着たい服を選んで,それに合う服をコーディネートしていくとトータルコーディネートはイケてるようになります。


もちろん自分が使いたい曲全てがマッチしてれば問題ありませんよ。でもそうでなければ,どれか我慢した方がよいでしょう。

もしくは同時に2作品分の曲を作ってしまうかです。

例えば,AとBの曲,どっちも大好きだけど,同時に使うと絶対に変になる場合。Aがメインの選曲と,Bがメインの選曲を同時にやってしまうんです。

で,さらに編集までやってしまえば,2作品分の曲ができます。1作品分のストックができますよね。


意外とこの考えをできる人が少なく,なんでも1回ですませようとするから,いろいろ詰め込んで,クオリティは下がっていきます。

そこの欲望はコントロールして多少手間でも1作品ずつのクオリティを上げていきましょう。


自分がどうしても使いたい曲を決めたら,それに合う曲を選んでいきます。曲の知識やストックがたくさんあれば地道に探せばよいですが,コツをいうとすれば「同じアーティストで探してみる」とよいでしょう。

とくに知識がないジャンルではこのノウハウは役に立ちます。

僕はヒップホップの選曲していて「Nelly」の曲を使おうと思い,合う曲を探す時は同じくNellyから探し出しました。

運よくかなりマッチする曲を見つけたので,この作品に関する選曲の時間は大幅に短縮できました。


2.曲編集

正直,曲編集についてはあまりノウハウがありません。僕はMacの「GarageBand」というアプリケーションを使っています。

曲編集する作業も,しっかりと集中できる環境を用意するとよいでしょう。

まったくできない場合は,できる人に頼みましょう。友達でも得意な人は1人くらいはいると思います。


音源を用意する時は,できるだけ音質がよいものを用意してください。

間違ってもYouTubeから違法ダウンロードしたような音源を使わないように。

僕はちょっと前まではCDを買っていて「aiff」という拡張子のファイルを編集していました。「mp3」は非可逆圧縮で人の耳ではわからないかもしれませんが,オリジナルの音源と波形が変わったりします。

あとは「ロスレス」といって,圧縮率は低く,ファイルサイズはちょっと大きめですが,音質はよいファイルを使うのも手です。

有料で曲をダウンロードできるサイトでもできるだけ「aiff」か「ロスレス」のものを購入するようにするのがよいでしょう。

mp3しかない場合は迷うことなく「320kbps」のものを選んでください。


あとは曲を取り込んだりして編集してください。これもきちんとメモしながら編集したほうがよいでしょう。

パソコンの編集は失敗してもすぐにやり直せるので便利です。

またロングバージョンとかショートバージョンも複製しながらつくれるので,こまめに保存する癖もつけておきましょう。

いろんなバージョンをつくって,聞いてみて比較検討するとよりよいと思います。チームメイトや生徒に聞かせてもよいかもしれません。


3.構成

「構成」と聞くともしかしたら「フォーメーション」を思いつく人がいるかもしれません。ここでしっかりと定義しておきましょう。

この記事で書いている「構成」とは,作品全体の構成のことです。

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ストリートダンスの振付の作り方講座 〜効率よくカッコいい振付をするコツとか考え方〜

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鳥取ダンススクールエルンフォ代表のan(山田章広)です。 プロフィール詳細はこちら ⇒ https://lnfo-project.com/blog/profile/