マガジンのカバー画像

日商簿記 : 3級

81
日商簿記3級に必要な内容を無料で公開しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

伝票Ⅳ-補助簿へ転記-

伝票Ⅳ-補助簿へ転記-

補助簿への転記は、起票するたびに個別転記します。これは、仕訳日計表を作成して総勘定元帳へ合計転記した場合でも関係なく、個別に記入するということです。

【例題16-5】
当社は毎日の取引を起票し、補助元帳(売掛金元帳)を作成している。伝票をもとに以下の勘定を記入しなさい。

補助簿への転記は、伝票から個別におこないます。伝票には、売掛金取引をおこなった『りす商店』と『うさぎ商店』がありますが、答案

もっとみる
伝票Ⅲ-伝票の集計-

伝票Ⅲ-伝票の集計-

前回・前々回は、さまざまな取引を起票する方法をベンキョーしました。伝票は仕訳帳の代わりですので、起票後は総勘定元帳や補助簿への転記が必要です。

転記の方法には、①個別転記(こべつてんき)と ②合計転記(ごうけいてんき)の2種類あります。
①個別転記は、伝票を1枚ずつ総勘定元帳へ転記することです。これは、仕訳帳からの転記とほとんど同じです。

一方、②合計転記は各勘定をそれぞれ集計し、合計金額を総

もっとみる
伝票Ⅱ-一部振替取引(分解と擬制)-

伝票Ⅱ-一部振替取引(分解と擬制)-

取引の中には、代金の受け取りや支払いに現金勘定を含む複数の勘定科目からなる取引があります。例えば、次のような取引です。

【例題16-2】
商品30,000円を販売し、代金のうち10,000円は現金で受け取り残額は掛けとした。

仕訳は、以下のようになります。

このような現金勘定と現金勘定以外の複数の勘定からなる取引を一部振替取引(いちぶふりかえとりひき)といいます。

一部振替取引一部振替取引

もっとみる
伝票Ⅰ-3伝票制-

伝票Ⅰ-3伝票制-

これまで、取引はすべて『仕訳帳に記録する』ということをベンキョーしてきました。

会社では、取引量が増えると複数人で処理していきます。そうすると、1冊の仕訳帳で取引を記録するのはとても非効率です。そこで仕訳帳の代わりに、取引ごとに記録できるメモ帳タイプの伝票(でんぴょう)を使います。

取引を伝票に記入することを起票(きひょう)といいます。起票後は、仕訳のときと同じ要領で、伝票にもとに総勘定元帳へ

もっとみる
帳簿Ⅶ-固定資産台帳-

帳簿Ⅶ-固定資産台帳-

固定資産台帳(こていしさんだいちょう)は、会社が保有している固定資産を管理するための補助簿です。固定資産の種類や用途、取得原価、数量、耐用年数、償却方法、減価償却費といったさまざまな情報を記録しています。

この帳簿を見れば、固定資産の取得時から現状までがひと目で確認できるわけですね。

帳簿の形式には、年度ごとに保有する固定資産のすべてを①一覧表にするタイプ と1件ごと帳簿を作成する②個別記録タ

もっとみる
帳簿Ⅵ-受取手形記入帳・支払手形記入帳-

帳簿Ⅵ-受取手形記入帳・支払手形記入帳-

手形の受取りや振出した記録するための帳簿には、受取手形記入帳(うけとりてがたきにゅうちょう)と支払手形記入帳(しはらいてがたきにゅうちょう)があります。この2つは、総勘定元帳だけでは分からない手形の種類、振出日、支払人や受取人、満期日、支払場所等のさまざまな情報を記入します。

受取手形記入帳【例題15-10】①
次の取引を補助記入帳(受取手形記入帳)に記入しなさい。
8月 5日 : りす商店に商

もっとみる
帳簿Ⅴ-買掛金元帳(仕入先元帳)・売掛金元帳(得意先元帳)-

帳簿Ⅴ-買掛金元帳(仕入先元帳)・売掛金元帳(得意先元帳)-

買掛金元帳(仕入先元帳)買掛金の詳細を記録する補助簿には、買掛金元帳(かいかけきんもとちょう)があります。仕入先元帳(しいれさきもとちょう)と呼ばれることもありますが、どちらであっても仕入先ごとに人名勘定(じんめいかんじょう)とよばれる勘定を設けて記録しています。

【例題15-9】①
次の取引を補助元帳(買掛金元帳)に記入し、締め切りなさい。なお、きりん商店の月初買掛金残高は 5,000円である

もっとみる
帳簿Ⅳ②-商品有高帳(移動平均法)-

帳簿Ⅳ②-商品有高帳(移動平均法)-

商品有高帳の払出単価を決めるもう1つの方法は、移動平均法です。これは、単価の異なる商品を仕入れるたびに平均単価を計算します。

移動平均法【例題15-8】
次の資料にもとづき、商品有高帳を移動平均法にて作成しなさい。帳簿の締め切りも行うこと。
-資料-
9月 1日 : 前月末のノートの在庫は、@80円 30冊である。
9日 : ノート(@180円、20冊)を販売し、代金は現金で受け取っ

もっとみる
帳簿Ⅳ①-商品有高帳(先入先出法)-

帳簿Ⅳ①-商品有高帳(先入先出法)-

商品の在庫を管理する帳簿として商品有高帳(しょうひんありだかちょう)があります。商品の種類ごとに数量の増減・単価・残高を記入します。

商品は仕入れた時期や取引量によって、同じモノでも単価が異なることがあります。このような状況で重要になるのが『単価をいくらで出庫するのか?』です。

商品を出庫するときの単価のことを払出単価(はらいだしたんか)といいますが、お店や会社を経営していくうえで払出単価を把

もっとみる
帳簿Ⅲ-仕入帳・売上帳-

帳簿Ⅲ-仕入帳・売上帳-

商品の購入や販売した際に記録する補助簿にはいくつかありますが、今回は仕入帳(しいれちょう)と売上帳(うりあげちょう)を見ていきましょう。

仕入帳仕入帳は、商品を仕入れたり返品したときの明細を記録する補助簿です。仕訳帳や総勘定元帳を見ただけでは分からない仕入先・品名・数量・単価などを記入します。

【例題15-5】
次の取引を仕入帳に記入し、締め切りなさい。

8月 4日 : しまうま商店より商

もっとみる
帳簿Ⅱ-現金出納帳・当座預金出納帳-

帳簿Ⅱ-現金出納帳・当座預金出納帳-

現金や預金に関する補助簿には、現金出納帳(げんきんすいとうちょう)・当座預金出納帳(とうざよきんすいとうちょう)・小口現金出納帳(こぐちげんきんすいとうちょう)があります。

小口現金出納帳については 、小口現金の単元でお伝えしました。今回は現金出納帳と当座預金出納帳について解説します。

現金出納帳現金出納帳は、現金の増減があったさいに記入する補助簿です 。現金が増えた場合には収入欄へ、減った場

もっとみる
帳簿Ⅰ-仕訳帳と総勘定元帳-

帳簿Ⅰ-仕訳帳と総勘定元帳-

日々おこなわれる取引は、さまざまな帳簿を使って記録しています。帳簿にはたくさんの種類がありますが、大きく分けると主要簿(しゅようぼ)と補助簿(ほじょぼ)の2種類に分けることができます。

主要簿主要簿は、複式簿記には欠かせない帳簿のことでして、仕訳帳と総勘定元帳がそれにあたります。この2つの帳簿は、それぞれに以下の特徴があります。

・仕訳帳・・・・・・・すべての取引を日付順に記録
・総勘定元帳・

もっとみる
帳簿の締め切り

帳簿の締め切り

前回・前々回と財務諸表の作成について見てきました。実はちょっと手順が前後するのですが、財務諸表の作成前には必ず帳簿の締め切りが行われます。

帳簿の締め切りは、当期の帳簿記入を完了させる手続きです。この手続きには、大きく分けて2種類ありまして、1つを大陸式決算法(たいりくしきけっさんほう)、もう1つを英米式決算法(えいべいしきけっさんほう)といいます。

2つの違いは、資産・負債・純資産を集合勘定

もっとみる
財務諸表の作成Ⅱ

財務諸表の作成Ⅱ

本試験での財務諸表の作成は、参考資料として決算整理前残高試算表(前TB)が与えられ10問前後の決算整理事項が出題されます。問題に取り組む際には、精算表の作成と同じ要領で問題ごとに

・決算整理仕訳
・前TBへ仕訳をメモ書き
・仕訳にでてきた科目を財務諸表へ記入する

を繰り返します。問いによってはメモ書きと財務諸表への記入が前後する場合もありますが、基本的にはこの手順で解くことで、時間が経過するご

もっとみる