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伝票Ⅰ-3伝票制-

これまで、取引はすべて『仕訳帳に記録する』ということをベンキョーしてきました。

会社では、取引量が増えると複数人で処理していきます。そうすると、1冊の仕訳帳で取引を記録するのはとても非効率です。そこで仕訳帳の代わりに、取引ごとに記録できるメモ帳タイプの伝票(でんぴょう)を使います。

1伝票見本

取引を伝票に記入することを起票(きひょう)といいます。起票後は、仕訳のときと同じ要領で、伝票にもとに総勘定元帳へ転記します。

伝票は、①入金伝票(にゅうきんでんぴょう) ②出金伝票(しゅっきんでんぴょう) ③振替伝票(ふりかえでんぴょう)の3種類に分けて記録します。これを3伝票制といいます。

入金伝票

入金伝票は、現金受け入れ(入金)取引を記録するための伝票です。

【例題16-1】①
次の取引を起票しなさい。
10月15日 : 商品30,000円の注文を受け、手付金として現金10,000円を受け取った。

起票のさいは、必ず仕訳を考えてからおこないます。手付金を現金で受け取っているので資産の増加=現金、手付金は負債の増加=前受金となります。

例題16-1①1

入金伝票は、現金勘定借方となる取引のさいに起票します。また、伝票そのものが現金勘定の仕訳を終えた状態を表しているので、勘定科目欄には相手科目(貸方)を記入します。

例題16-1①2


出金伝票

出金伝票は、現金の支払い(出金)取引を記録する伝票です。

【例題16-1】②
次の取引を起票しなさい。
10月20日 : 84円切手10枚を購入し、現金で支払った。

まずは仕訳を考えます。現金で切手を購入しているので、費用の増加=通信費、資産の減少=現金となります。

例題16-1②1

出金伝票は、現金勘定貸方となる取引のさいに起票します。また伝票そのものが、現金勘定の仕訳を終えた状態を表しているので、勘定科目欄には相手科目(借方)を記入します。

例題16-1②2


振替伝票

振替伝票は、現金勘定出てこない取引すべてが対象です。

【例題16-1】③
次の取引を起票しなさい。
10月23日 : 商品150,000円を仕入れ、代金のうち50,000円は小切手で支払い、残額は掛けとした。

他の取引と同じように、仕訳から考えます。商品を仕入れているので費用の発生=仕入です。代金は小切手での支払いと掛けに分かれているので、それぞれ資産の減少=当座預金、負債の増加=買掛金となります。

例題16-1③1

今回は現金勘定がないので、振替伝票を使います。起票のさいは、仕訳をそのまま書き写せばOKです。

例題16-1③2

☆・☆・☆

記録するものを仕訳帳から伝票に変えても、最初に仕訳を考えるところは変わりません。

特に検定試験では、問題文で取引を表現しています。ミスを減らすためにもいきなり起票を考えようとするのではなく、必ず仕訳を書き起こしてから起票するようにしましょう。

今回はここまで。
ではまた。

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