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総合か専門か・・・

最近、読書をしていて考えたことがあります。

『外科医、島へ 泣くな研修医6』中山祐次郎

を読んでいたのですが、主人公の雨野隆治は東京で外科医としての経験を積んでいたのですが
とある機会から、島の診療所への半年間勤務を勤めることに。

もちろん、島の診療所には東京の病院のように設備が整っているわけでもなく。東京ではいつも執刀できていた手術も行えない状況が多発します。
つまりは、島では医療の限界が常に見えてしまうというシチュエーション。

しかし、そんな中でも、島の住民にとってみれば「医者」は「医者」。
目が痛かろうが、腰が痛かろうが、とにかく体の不調を訴えれば医者が診てくれるであろうと信じて受診しにやってくる。

つまりは、隆治は東京にいたときのように『外科医』として見られるのではなく、どんな病気や怪我でも対応してくれる『総合科の医者』のような扱いを受けることとなりました。

自分の専門とする外科の知識が活かせなくもないのですが、日々、自分の知識や経験が役に立たないような案件も助けられないような案件も飛んでくるような状況となっておりました。

このシチュエーションがなかなかに面白いと感じました。


ふと考えたことがありました。
教員は総合科のようなスタンスと、専門家のようなスタンスとどちらが大切なのであろう?ということです。

小学校の教員はどちらかというと教科に特化した形ではなく、総合科のようにいろいろな科目を担当し、授業を展開しているように思います。
そして、日本の教育の現状としては
中学、高校、大学とあがっていくにつれて専門性が増し、総合とはいえず
専門家としての地位を確立しているのが実際ではないかなと思いました。


しかし、このような状況の中でも『総合科としてのスタンス』をもっておくことが大切なのではないかなと思いました。

なぜなら、総合的な観点を持ち得ていないと複合的な視点をもてないため、どうしても価値観や教育論も偏ったものとなってしまうのではないかと仮定したからです。
昨今、学びなおしや教養が大切であるとうたわれるようになってきました。

教育も、目の前の生徒と対峙して、対応していくうちに一人一人への向き合い方は確立され適切な指導が見えてくるものであると考えます。
多人数を相手にする分、なかなかそう簡単にはいかないことは分かりますが、スタンスとして、または心構えとして『総合科』のような広い許容は持っておいて損はないのかなと思いました。


まだまだ、考えていけば深い見地へたどり着きそうなのですが・・・
とりあえずは、気づきの書留めまでに


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