【飲食店さん向け】COVID-19(新型コロナウイルス感染症)状況下対策用、Instagramを活用した情報発信方法について
※当noteは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に影響を受ける飲食店さんを想定読者としたものです。
※2020年4月22日現在の状況下において、三密環境への参加を推奨するnoteではありません。
こんにちは、ライスカレー製作所の川上(@okyaaaann)です。
私はふだん、さまざまな企業さんのInstagramマーケティング支援事業や、フォロワー数約32万人の「シンプルホーム」という自社メディア事業に従事しています。
今回、このCOVID-19によって多大なる影響を受けている飲食店さんのためになにかできることはないかと思い、自分の得意領域であるInstagramを活用した情報発信に関した、このnoteを執筆するに至りました。
このnoteでは、(幅は広くなってしまい恐縮ですが)主に飲食店さんを想定読者とした、Instagramを活用した情報発信やマーケティング的な要素を踏まえた視点など、いまできそうなことやぜひ取り組んでみてほしいことを記載しています。
内容としては、飲食店さんがInstagramですべきことを4つ、また、実施可能であればぜひ導入を検討してみて欲しいことを1つ、それぞれ記載しています。
安直なことを言うのも憚られるとは存じますが、このnoteがほんの少しでもお役に立てば幸いです。また、もしお役に立ちそうだなと思っていただけたら、同様の環境下の方のお役に立てる可能性が1%でもあるかもしれないので、こちらのnoteをSNS上やご友人・お知り合いの方などにシェアいただけると嬉しいです。
※執筆速度を優先し内容は相当圧縮しているため、細かい説明は省いている部分が多くなっていますが、その点何卒ご容赦いただけますと幸いです。
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■Instagramですべきこと
・プロフィール文章の編集
人は初対面の人間を0.1秒で判断しているという研究結果があり、また、スマホなどのモバイル端末上における人間の画像の情報処理速度は0.01秒であるという研究結果もあります。つまり、人がスマホ上で情報に触れたときは本当に一瞬で勝負が決してしまいます。
その前提がある上で、もしあなたのお店のアカウントにユーザーが訪れたとき、このお店がどこにあるのか、どんな料理を提供しているのか、何時から何時までやっているのかなど、パッと見でわからなければそれだけで即離脱してしまう可能性が大いにあります。
そのため、いまのこの時期だけという一時的にでもいいので、より短い時間でより正確にお店の情報が伝わるようプロフィール文章を編集しましょう。ちなみにInstagramのプロフィールに記載できる文字数は150文字以内です。入れるべき情報は下記のような内容が挙げられるかと思います。
店名
料理ジャンル
お店の特徴
地域や住所
営業日
営業時間
テイクアウトの有無
ミールキットの有無
商品配送の有無
席数限定の予約受付の有無
※電話番号やメールアドレスはボタンとしても設置できます
プロフィール文章では「このアカウントが何者なのか」「どのような価値を提供しているのか」をパッと見で伝えることが推奨されます。SNSはその特性上全国各地(なんなら世界中)の人から閲覧される可能性があるため、仮にテイクアウトなども含み来店を促したい場合は「地域や住所」をより明確にしていきましょう。
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・フィード投稿、ストーリーズ投稿を毎日実施
人は多くのアカウント(やハッシュタグ)をフォローしています。するとどういうことが起きるかというと、ユーザーのタイムラインは一瞬で流れ去っていき、あなたの投稿したコンテンツは見られていない可能性が大いにあるということです。それも想像以上にです。
そのため、正直なところ、いまこの状況下でいえば画像は同じものでもかまいません。とにかく毎日、
「今日はどんなものを」
「何時から何時のあいだに」
「何個を」
「何円で」
提供しているのかということを、とにかく高頻度で発信し続けてみてください。また、プロフィール文章の部分でも記載したような、地域や住所、テイクアウトやミールキットの有無なども投稿文章内に記載しておきましょう。
また、Instagramにはざっくりいうと「フィード」「ストーリーズ」と2つの投稿場所がありますが、ぜひこの両方に毎日投稿してみてください。人によってはどちらか一方をよく見る(なんならどちらかしか見ない)という方もいるため、より多くの人により多くの回数情報に触れてもらうことを考えると、両方投稿していくことをオススメします。
加えて、投稿する際には必ず「ハッシュタグ」をつけましょう。ハッシュタグをつけることによって、Instagram内でユーザーがあなたの投稿、ひいてはアカウントに閲覧し見つけてくれる可能性が高まります(逆に言えば、ハッシュタグがないとユーザーがあなたの投稿にたどり着ける可能性が下がってしまいます)。投稿文章中につけるハッシュタグの候補としては「店名」「食材名」「料理名」「地域名」「(その他親和性の有りそうなもの)」などのハッシュタグをつけてみてください。
投稿頻度に関してですが、毎日投稿するのはもちろんとして、もし余裕があれば投稿は昼1回、夕方~夜1回の計2回してみてください。フィードで1日何回も投稿するのは憚られるという場合、ストーリーズを積極的に活用してみてください。ストーリーズであれば1日何投稿しても特に問題ない(嫌悪感は抱かない)という空気感がInstagramにはあるためです。
もしかすると、夕方~夜の投稿では「今日あとどれくらい商品が残っているのか」「今日あと何時の時間帯であれば何名で予約可能なのか」という現状共有するような内容も含まれているとより良いかも知れません。(ランチ時でストーリーズを投稿する際も同様です。)
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・ハイライトの設置
Instagramの仕様上、ストーリーズ投稿は24時間で消えてしまいます。ですが、「ハイライト」という機能を使えば、実は24時間以上ずっとプロフィールページ上に残しておくことが可能です。この「ハイライト」はプロフィールページ上の丸いマーク+数文字のテキストがセットで表示されているものです。
投稿したストーリーズの右下あたりにハートマークで「ハイライト」とあるので、そこからストーリーズをプロフィールページに「ハイライト」として設置可能です。これにより、初めてこのアカウントに訪れた人でも過去伝えたい内容を発信したストーリーズを見てもらうことができます。
ちなみに、ハイライトにはそれぞれタイトルがつけられるのですが、プロフィール上で表示されるのは「全角6文字」ですので、より端的なタイトルにするのがオススメです。
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・投稿へのいいね!付け
ユーザーから発見してもらうのを受動的に待つのも一案ですが、待っているだけでなく、こちらから能動的にお店のアカウントに気付いてもらう可能性も高めたいところかと思います。
そこで、もし過去自分のお店関連のハッシュタグをつけて投稿しているユーザーがいれば、その投稿に加え、その人の最新投稿から1,2投稿にいいね!してみてください。ユーザーがこちらのアカウントを見つけてくれる可能性が高まります。ただし、あまり早く連続でやりすぎると止まってしまう可能性もあるため、あまりやりすぎない程度にしておきましょう。
項目としてはあげていませんが、親和性の高そうなユーザーをフォローするのも一案です。
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■実施可能であれば導入を検討してみてほしいこと
・ミールキットの開発・提供
テイクアウトとしてお弁当を販売されているところもあるかと思いますが、それに加え、ぜひミールキットを販売を検討してみてください。可能であれば「レシピ付きのミールキット」をご検討ください。レシピを公開し紙に印刷して同梱するのも一案ですし、なんならInstagram上に画像or動画として投稿していつでも何度でも見れるようにしておくのも一案だと思います。
そして、なぜミールキットを提供してみてほしいかという背景をご説明させてください。
人がなにかを購入する際、自身の中でモノやサービスに対して相対的な価格があります。ジュースだったら100円とか150円とか、ランチだったら数百円~1000円くらいなど、「これにはだいたいいくらくらい払う」という一種の基準値のようなものです。
このCOVID-19の影響によってお弁当のテイクアウトを販売されていらっしゃる所も多いかと思うのですが、たとえばこのテイクアウトのお弁当の価格を2000~5000円にしてしまうと、ふだん自分がランチに払っている金額が1000円くらまでだとすれば、その価格を大幅に上回ってしまう可能性が高く購入されづらいという状況に陥ってしまいます。
また、ハレの日とケの日という考え方をもとにすると、仮に高いお弁当を買うシーンもあるとすれば、それはおそらくハレの日ではないか思います。ですが、いまはどちらかというと日常であるケの日なので、やはり日常的に高いお弁当を買うという習慣がない以上厳しいことが予想されます。
そのため、実はこの状況下でいつものランチ用(なんならそれよりも特別な日)としてのお弁当を高価格帯で販売するのは、すごく良い手かと言われるとそうでない可能性があります。たとえそれがどれだけ有名店だったり美味しかったとしてもです。
ですが、いま多くの人が家の中にいる時間が長く、ふだん自炊をしない人たちですら自炊をするようになっています。また、ニュースでもあったようにいまSNS上で料理に関する口コミが非常に増えており、多くの人にとって「おうちでの料理」が数少ないエンターテイメントの1つになっていることが思慮されます。そこで、おうちの中の数少ないエンターテイメントである料理の中に自社商品を加えてもらうべく、ぜひミールキットを販売してみてほしいのです。
テイクアウト系の商品においてみなさんが提供する価値を、「ふだんは買わないしそんなしょっちゅうも買えない高めのお弁当」ではなく、「おうちでちょっと良いものを食べたいときに買う(なんなら下処理や味付けも済んだ)一流食材」に転換してみてほしいのです。あそこのお店の味を真似するために調理の全行程をするのはすごく大変だけど、味付けも済んでいるからあとは家で軽く調理するだけで大好きなあのお店の味が楽しめる、という価値を提供してみてほしいのです。
また、初心者向けや中級者以上向けなど、調理レベルを考慮したミールキットをそれぞれ用意してあげるのも一案です(いきなりすべてを揃えて出す必要はないと思っています)。
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2020年4月24日19:30追記
ミールキットに関して下記追記させていただきました。
ミールキットの販売は通常の飲食店さまがお持ちの飲食店営業許可の範疇を越えてしまう場合があるそうで、所管の保健所等に確認していただくことをオススメいたします。衛生面に関する注意点をまとめられているnoteも合わせてご共有させていただきます。
テイクアウト事業で注意したい6つの衛生ポイント
https://note.com/gotoeureka/n/n1447bc8dae4d
Yurika Goto 様、ご丁寧にご連絡いただきありがとうございました!
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そしてこれは余談ですが、これは直近のこの状況下だけではなく、将来的な変化も想定しています。オフラインに場(飲食店さんだと店舗)をもっているというのは非常に価値が高い反面、物理的な制約を強く受けてしまいます。そのため、本当はものすごくヘビーユーザーになってくれる人はいるかもしれないんだけど、いかんせんお店に来てもらわないとだめ、ということが多々発生します。
ですが、いきなりお店にはいけないけどまずはミールキットで試してみて、それがよかったらミールキットをリピート、あるいは今度お店にいこう、というステップやルートもあると考えられます。おそらく、店舗で食事をするのは最上位の価値体験であり、その前のステップとして「そのお店のミールキットをまず家で食べて、お店でも食べてみたいと思ったら来店する」という行動や文化が形成されていく可能性があります。直近の売上を作るという観点はもちろんのこと、これまでの店舗収益だけではない別の売上の柱を作れる可能性でもあるので、もし可能であればぜひミールキットの販売について検討してみてください。
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つらつらと書かせていただきました。
この他にも、たとえば「先払いでの予約権利の販売」などもありえるのかなとは思っていますが、ひとまず上記の5つの内容をメインとして記載させていただきました。
SNS、特にInstagramは日々の積み重ねによってその真価が発揮されるため、このnoteに記載していることに取り組んだとしても劇的な効果はもしかすると見込めないかもしれません。焼け石に水かも知れません。
ですが、ほんの少しでもやれそうなことが残っているとすれば、ぜひこのnoteを参考に取り組んでみてください。どうかほんの少しでも、このnoteがお役に立てば幸いです。