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「現代俳句」2024年5月号・6月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけています。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のためにご紹介したいと思います。

※今回はまとめて5月号と6月号の俳句を紹介します。


5月


列島春秋


自転車の補助輪外す立夏かな

吉良香織


第十五回現代俳句の風


馬の仔の四肢にみなぎる好奇心

神谷たくみ


すんなりと溶けぬマカロン春愁い

徳見淳子


逃水の水に笑はれゐたりけり

田中葉月


春休みうさぎ当番決める籤

津田番茶


図書館俳句ポスト


春早し「研修中」のバス走る

小松正子


早春やオルゴールの蓋開くごと

池田博臣


風光る路面電車の過ぎし跡

小原達朗


新入会員記念作品


凍鶴のいま渾身の一歩かな

綿引まりこ


生かされてある身と思ふ蘂降る夜

三浦匂花


大夕焼我つかの間の宇宙人

菱田淡海



6月


百景共吟


花火殻水に溺れてゐたりけり

橋本喜夫


第四十一回兜太現代俳句新人賞(令和五年度)


大花野こはれた菓子を伴連れに

楠本奇蹄


翌檜篇


我は食むファラオも食べた無花果を

村山温子


第一回現代俳句 風を詠む


虹の芽はどんな大きな種だろう

江波戸明


夕焼の裏から不意にくる明日

絲布みこ


明日のこと明日にまかせてかき氷

上野英一


昆虫の輝きを抱く夏休み

表ひろ


夏風邪の子の画きし象ピンク色

小林幹彦


ピーマンの中の空気を育てをり

石原玲子


蜥蜴とは小さき恐竜尻尾切る

白﨑寿美子


薔薇風呂に沸々湧いて自尊心

戸川冨士子


感想


感覚として共感できる句や、個人的にモチーフが好きな句を中心に紹介しました。作者それぞれの個性が、着眼点として句に表出しているような気がして、勉強になりました。

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