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句集『スマッシュ』(亀井千代志著)を読む。

オンライン句会『コールサック句会』でご一緒させて頂いている、亀井千代志さんの句集。
 
※『コールサック句会』の紹介
(鈴木光影さん)


以下、感銘句を数句紹介。

耕しの男ふり返りもせずに

 
耕す人の実直さを感じる。「ふり返りもせずに」の一心不乱さも分かりやすい。
 

ふらここにボーイソプラノ集まりぬ

 
「ボーイソプラノ集まりぬ」とあるので、男の子の集団だろう。
賑やかで楽しそうな雰囲気や年齢層が「ソプラノ」の部分で伝わってくる。
 

棒切れにからりと掛けて蛇の衣

 
蛇のぬけがらを素手で持つのが嫌だから、棒に掛けているのだろうか。
「からり」の部分で、棒にかかっている様子と、ぬけがらが乾燥している様子が伝わってくる。
 

踊櫓組むおのおのの首タオル

 
盆踊りの櫓を組み立てている作業の様子だと読んだ。
組み立ての様子に注目した句という点と、その作業者の首に掛かっているタオルに注目した点と、二重に独自性がある。
 

初霜の足跡に足置いてみる

 
実際に霜の日にやってみたい一句。
積雪ではなく、初霜である点に意外性がある。
 
景が浮かぶ句が多く、内容も多彩で楽しく鑑賞できた。

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最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!