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大きな変化の中で生きる

もうすぐ27歳になる。心の中で「マジか」と囁く。

If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?」とSteve Jobsはスタンフォード大学の卒業式で話をしていた。もう彼はこの世界にはいない。本当に自分はやりたいことをやれているだろうか、本当に自分がやりたいこととはなんだろうか。

大きな変化の中で生きる

GoogleのCEOスンダー・ピチャイ氏は「世界は戻らない」と言った。「コロナ」という言葉を見聞きしない日はないほど、世の中は打ち壊されてしまった。表現を変えると、とてつもなく大きく変化してしまった。このような事態は僕が生きてきた27年間、初めてだ。

僕らは知ってしまった。リモートワークは思った以上にワークしている。家に投資をして、とてつもなく充実してきている。なぜ僕たちは誰かに会うために片道30分、満員電車に揺られていたんだろう。インターネットでモノを買うことは楽しい。もうNetflixを手放せない。Face to Faceのコミュニケーションで獲得していた営業はしばらく使えない。オンライン転職は意外と上手くいっている。今まで前提となっていたことは、強制的にそうせざるを得ない環境を経験し、大きくアップデートした。

もちろん、デメリットもある。孤独でいる時間は思ったよりも苦痛だ。家にずっといるとストレスが蓄積されていく。しかしながら、アフターコロナの世界において社会は大きくアップデートされ、良いモノは残り、良くないモノは改善されていく。家での生活をより豊かにしようとするプロダクトは生まれ続けている。世界はより良い方向に進んでいる。

この大きな変化の中で生きていくためには、この変化を迎合し、自分自身の今までの概念、価値観、働き方、生活を変化させていく必要がある。変化を余儀なくされた人も多いと思う。つまり、あらゆるニーズが変化をしていて、ユーザーが欲しいと思うモノも変化しているということ。新しく生まれてくるプロダクトもあれば、使われなくなってしまったプロダクトもある。特にオフラインで闘っていたプロダクト、サービスは厳しい闘いになっている。オンラインで苦戦していたプロダクトは一気にシェアを広げている。

プロダクトを創るモノとして、この変化の中で、自分には何ができるのか。自宅にいるということもあり、自分と向き合う時間があり、自問自答を繰り返した。

いいプロダクトを創りたい

この1~2年間で様々な想いが頭を巡っていた。2016年に大学院を退学して、当時5~6人の学生ベンチャーdelyにジョインしてから、4年があっという間に経ち、僕たちが創ってきたプロダクトは今では日本中の人たちに使ってもらえるくらいに成長した。苦しいと思う時もあったけれど、走り抜けてきた。

独立して会社を立ち上げる友人たち、瞬く間に成長して重要な役割を任される友人たち、フリーランスになって自由に結構な額を稼ぐ友人たち、インターネットに接続していると誰かの成功が目に入って、今の自分と比較してしまう。本音を書くと、自分で0からプロダクトを創りたいと思ったこともあるし、会社で重要な役割を担ってバンバン意思決定したいと思ったこともあるし、単純にもっと稼げるようになりたいと思ったこともある。そんな感情がないと言えば、嘘になる。

急速に成長していく組織とプロダクト、どんどん入ってくる優秀な人たち、悩みは増えて心が折れてしまいそうになることも何度もあった。いろいろなものを諦めてしまえば楽になると考えたこともあった。

不器用な自分は今まで、それらの感情を押し殺すしか方法を持っておらず、ぐっと堪えて生きてきた。しかしながら、ここ一年で自分との向き合い方を随分と習得できたと思う。自分の中に湧き上がってくる感情と丁寧に向き合い、それらを言語化していくと、大して欲しくないものだと気が付かされる。もちろん、その中には心の底からそう在りたいと思うこともあって、それは紛れもない事実なので、将来的な在りたい自分の像に付け足しておく。多くは隣の芝生が青く見えただけで、これには際限がない。結局、誰かに自分を重ねたとしても、そうなれるわけではないし、また次の誰かに自分を重ね続けるだけだ。

自分と丁寧に向き合い、雑念を振り解いていくと、残った感情は「いいプロダクトを創りたい」だけだった。いいプロダクトを創って、誰かの役に立ちたい、多くの人に幸せを届けたい。心の底から嬉しく思うのは、自分が創ったプロダクトを使ってもらって、感謝の言葉をもらった時だけだった。僕はそのためにプロダクトを創っている。そう気が付くのに、だいぶ遠回りをしてしまったけれど、結局はプログラミングを必死になって勉強していた大学生の時の感情が根底にあった。

この1年間、いいプロダクトを創るためにはどうすればいいのかをひたすら考えて自問自答してきた。最初はマーケットの流れ、運があると思う。軌道に乗り出した時に、重要になってくるのが組織力だと思う。適切な人に適切な形で権限を移譲していき、数多く山積する課題をチームで相互補完しながら解決していく。変化が激しく、プロダクトはすぐにコモディティ化していく世の中において、スピードは命取りになることがある。スピードを上げていくための一つのアプローチが、権限移譲と自走できるように情報量を一緒にすることだと考えている。僕を含めて一人一人がこのチームで自分がすべき役割をしっかりと認識して、チームで勝つためにコトに向かえるととてつもなく強いチームになる。なにより、そういうチームでプロダクト開発に向き合うことは単純に楽しい。27歳は「チームの中で自分が果たすべき役割を考えて行動すること」に取り組んでいきたい。これからはチームの時代。個が躍動し、チームを成して最高のプロダクトを創っていく。

これからの抱負

将来自分がどうなりたいのか、まだはっきりとは見えていないけれど、きっと10年後もプロダクト創りと向き合っていると思う。より多くの人が使う世界的なプロダクトを創りたい、携わりたい。SpotifyやTwitter、Facebookなど世界的に使われているプロダクト、最近だとZoomが急激に成長している。そんな世界的に使われているプロダクトを創ってみたいと考えている。

自分は天才ではない。自分は井の中の蛙だ。「左ききのエレン」を読んでいて (原作は全部見た) 、漫画から直に影響を受ける僕は「天才になれなかった全ての人へ」と「本気出して それから 諦めろ」と「描けよ」に少なからず影響を受けている。凡人である自分は無力ではなく、微力。この微力で世の中に対して良い影響を与えることができるのか。

25歳になる時期に「チャンスは二度とやってこない」というnoteを書いた。人生においてチャンスはそんなに多く訪れない。偉人ルイ・パスツールは「Chance favors the prepared mind. (幸運は用意された心のみに宿る)」と残したと言われている。チャンスが来た時には全力で取り組もうと思う。

ここまで書いて、27歳の抱負は以下の3つにする。

・自分と向き合い続け、嘘で蓋をしないこと
・チャンスが来たら全力で掴む、そのための準備をしておくこと
・本気出して、それから諦めること

来年、またnoteを書く時には世界がより良くなっていることを願っている。

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