子の心親知らず

私は今大学3回生であり、小学三年の頃から通っていた中学受験専門の塾でアルバイトをしている。最近は小3の子たちの相手をする機会が多く、そのことについて親と話していた時のこと。

「小学三年生だとすごくやんちゃな時期で、みんな言うこと聞いてくれないんだよねー」と私が話すと、母親はこう返してきたのだ。「小学三年生なんだし、まだ中学受験の時期からほど遠いからね。そんなに早くから塾に行かせるのなんて、親の自己満足だしいいんじゃない？」と。

先程書いたように、私は小3のときから中学受験のため熟に通っていた。その当時は、「高いお金を払って塾に行かせてあげてるんだから、感謝しなさい」「友達と遊べない分、今のうちに勉強して将来楽するほうがいいでしょう？」などなど、『塾に行けることの有り難さ』をよく言い聞かされたものだった。

それがここに来て、まさかのネタバレ。カミングアウト。ひょっとして母は、自分にブーメランが返ってきていることにすら気づいてないのかもしれない。正直、子どもはそこまで馬鹿じゃない。「親の心子知らず」なんて言うけれど、あれは親が子どもに理不尽な要求をするための言い訳だとさえ思っている。母が当時、塾の素晴らしさについて言って聞かせてきたときも、私は正直なにか違和感を覚えていたというか、内心「ああ、お母さん嘘付いてるな」と思っていた。それでも、母は今まで一言も「あの時塾に行かせたのは、自分の自己満のためだった」なんて言ったことなかったし、ならば自分の勘違いだったということにしておこうと思っていたのに。

私が親御さんに言いたいことは、「嘘を付くなら最後まで突き通せ」と言うこと。とはいえ、先程言ったように、子どもはそこまで馬鹿じゃない。あなた達のつく嘘も、正直見透かされている可能性のほうが高い。その割に、親は子どもの気持ちに全く気づいていないことの方が多いが。子どもを侮るなかれ。