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売上好調のベンチャー企業が、設立5年目に企業理念をリニューアルした理由

株式会社Hagakureは設立5年を迎えたタイミングで、企業理念をリニューアルしました。

<Hagakureの新しい企業理念>

・人の可能性を広げ、社会での出番を作る会社である
・やってみたいという挑戦する意志を達成感に変える会社である
・社会に役に立ちたい人たちであふれる社会を目指す会社である

あわせて、行動指針として以下の6つを掲げることにしました。

三方に誠実
ユーザー起点の思考
スピードファースト
One Team
現状の不満足
最上至向

半年以上かかりましたが、このリニューアルは、会社を強くするために絶対に必要な取り組みだったと確信しています。着手せず、以前のままだったらと想像すると……。あまり考えたくないですね。

このnoteでは、僕が何を目指し、具体的にどうやって企業理念をリニューアルしたのかを紹介していきます。


1.なぜ企業理念をリニューアルしたのか

「創業まもない企業に企業理念なんて必要なのか?」と思われる方もいるかもしれません。売上が伸びて、やるべきことの方向性と認識がメンバー間で一致していれば、わざわざ時間をかけて言語化する必要はない。 僕自身、そう考えていた時期もありました。

そんな僕が、企業理念の必要性に気がついたのは、社内で意見のすれ違いが目立ちはじめたことがきっかけでした。

去年の夏ごろから意見のすれ違いが頻発し、話し合いをしてもなかなか解決の糸口が見当たらない状況が続いて、サービスにも影響が出始めていました。

社内の士気が落ちているとは思わない。ただ、うまく噛み合っていない。

「何が足りないんだ……」どれだけ考えても答えが見つからない、もどかしい時間を過ごしました。社内のメンバーと何度も話し合いを行いました。

その結果「個人の可能性を広げ、一人でも多くの人が挑戦できる機会を増やしたい」という、僕が起業した理由でもあり、会社として掲げているメッセージに対しては、メンバー間にズレはありませんでした。

ただ、目指している方向性は同じでも、それに至るまでの手段や、個々が描くイメージや思いの示し方には違いがあると気づきました。

その状況を招いたのは、企業理念を言語化してこなかった僕のせいです。

企業理念は、素敵な会社であることをアピールするためのものではなく、「会社の根本的な考え方」を示すもの。採用や、事業の方向性はもちろん、日々の業務の細かな決定は、企業理念に沿っているかが判断軸になります。

つまり、企業理念が無いのは、意思決定をする上での軸が無いということ。

それでは、噛み合わないのは当たり前です。Hagakureは、メンバーにどんどん裁量権を与えて、自分で考え・判断していくことで成長してきた会社です。だからそこ、その根本にはHagakureとしての「判断軸=企業理念」が必要だったのです。

2.どうやって企業理念をリニューアルしたのか

企業理念を考えるプロセスには、めちゃくちゃ時間をかけました。半年かけて話し合いをし、決定しました。

まずは、僕の中にある想いやHagakureとして目指したい姿を、とことん言葉にして並べていきました。その後メンバーと一緒に、個々が大事にしている想いや、Hagakureという会社に対するイメージなどを出し合い、軸になりそうなキーワードを抽出していく。抽出したキーワードをもとにブレストをして…といった工程を繰り返しました。

その過程で、「この人そんなこと考えていたんだ」「そこに一番のやりがいを感じるんだ」といった発見もありました。今までそういった話をみんなで話す機会はなかったので、とても新鮮な体験でした。

各々が熱い気持ちを持って、同じ方向性を見ていてくれたことにとても安心しましたし、Hagakureが目指す方向性にメンバー間でズレがないとわかったことも、ポジティブな発見でした。

一人ひとりの思いを深掘りした後、みんなで企業理念の素案を作成しました。僕は、みんなで考えた素案の中から企業理念を決めるつもりでした。

ですが、考え続けた企業理念の素案が並んでいるのに、僕の気持ちはあまり高まっていませんでした。違和感を覚えた僕は、僕自身の想いとズレはないのか、「みんなの想い」で決定していいのか、と問い直しました。

そして、改めて僕自身のこれまでの経験、起業した時の想いとやりたかったこと、今大切にしていること、今後やっていきたい事業のことなどを込めた言葉を探しました。精緻に推敲を重ねた結果出来上がったのが、今回掲げた企業理念です。

最後に僕が大事にしたのは、「僕の意志を反映させた言葉」であること

みんなとの長い話し合いの時間を設けなければ見つからなかった言葉も含まれていますが、「みんなの意見を採用したもの」ではなく、「僕の意見を採用したもの」だと言い切れることが大事でした。

それは、会社のトップが打ち出すメッセージのほうが、今いるメンバーにも、これから出会うメンバーにも浸透しやすいのではないかと思っての判断でした。多くのことをメンバーに任せていましたが、企業理念の決定に関しては、ちゃんと僕が会社のトップとしての存在感を出さなければという気持ちを強くしました。

会社を成長させる。チームを強くする。
強い決意を持って作ったのが、この企業理念だったのです。

振り返ってみても、半年以上の時間をかけて話し合いを重ねたこと。みんなではなく僕が決定したこと。この2つが、企業理念をリニューアルした価値になりました。

3.これからHagakureが目指すもの

自分のできることで誰かの役に立てるということを、僕はずっと嬉しく感じていました。起業を決める原体験にもなったこの気持ちは、起業後に一層強くなりました。

「自分にできることを増やして新しいステージで活躍したい」と転職を目指す方、「今の職場での役割をもっと深く理解して役に立ちたい」と考える方などが、相談したい、頼りたいと選んでくださる場がデジプロであってほしい。

そう思ってこれまで事業に取り組んできたことを、改めて今回の企業理念をリニューアルする過程で実感することができました。

同時に「Hagakureはもっと多くの仲間と一緒に、もっとたくさんのことに取り組んでいくフェーズにきていたんだ!」と気づくこともできて、気持ちがソワソワするのを感じました。

だからこそ、企業理念として「人の可能性を広げ、社会での出番を作る会社である」ことを掲げた僕たちは、受講生一人ひとりが活躍できる力を得られるようなサービスを目指し、これからも誠実にデジプロという教育事業に取り組んでいきます。

Hagakureが「誰かの役に立つ実感を得てもらえるような機会を作る会社」であれたらすごく嬉しいですね。

そして、社会での出番を作ることは、これからのHagakureの使命だと考えています。

僕の挑戦が、仲間の出番を作ることに繋がっていく。
Hagakureの挑戦が、より多くの人の可能性を広げて、社会での出番を作っていく。
僕一人の力ではできそうにないことも、みんなを巻き込んでやっていきたいし、やっていかなければならない。Hagakureの次のフェーズに向けて、僕の覚悟も決まりました。

僕にとって企業理念と向き合うことは、自分の心の中にある「やるべきこと」を見つけ出し、明確にしていく作業でもありました。

企業理念を考える前、会社を大きくしていくために、事業を拡大し売上を伸ばしていくことが大事だと思いながら、打つべき次の一手にはモヤがかかっている状態でした。企業理念を考える過程で、気持ちがどんどんクリアになっていって、目の前のモヤが晴れて、進むべき道を示せるようになりました。

僕たちHagakureがこれからやるべきことは
人の可能性を広げ、社会での出番を作る会社である。
やってみたいという挑戦する意志を達成感に変える会社である。
社会に役に立ちたい人たちであふれる社会を目指す会社である。

企業理念の実現に向けて、今まで以上に全力で行動し続けます。

しかし、この企業理念を実現し続けるのは、今の僕と今いる仲間の力だけでは不十分です。

こんな企業理念を掲げた会社で働いてみたい、一緒に会社を成長させていきたいという人がいたら、ぜひ力を貸してください。
一緒に挑戦していきましょう!


【プロフィール】

奥 雄太(おく ゆうた)
兵庫県尼崎市出身。メーカー勤務を経てGMO NIKKO株式会社へ入社。インターネット広告事業に従事し、中小企業からナショナルクライアントまで企業規模に関わらず幅広く支援。年間20億円以上のWeb広告運用の実績を持つ。2019年に株式会社Hagakureを設立。デジタル広告のプロを育てる学習サービス『デジプロ』の代表および講師を務める。
趣味:読書
座右の銘:自分に、相手に、社会に誠実
好きな食べ物:魚

【デジプロ】
未経験からでも現場で使える実践的なスキルを習得できるWeb広告専門のオンラインスクール・サービス。
Webマーケティングスクール受講者数NO.1(調査機関:日本マーケティングリサーチ/対象期間:2021年9月時点の累計受講者数/調査対象 主要企業5社)

編集協力/コルクラボギルド(構成・栗原京子、編集・頼母木俊輔

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