VTuberの配信技術が仕事で役に立った話
VTuber向けの企画やサービス開発などで活動している小栗さえと申します。
ちょっと前まではVTuberとして配信活動などもしていました。
最近サイバーエージェントというお会社に入社しまして、本職の話ではありませんが『VTuber的な活動が仕事にちょっと役立ったお話』を紹介しようと思います。
社内でもYouTube配信の経験があることは明かしていているのですが、最近その経験を活かして、配信技術担当として社内で行っている成果発表会や表彰式などの演出をリッチにするお仕事をお願いされました。
(エンタメ系の業界なのでVTuberについて変なイジりも無く良い会社です)
配信の形式は限定公開のYouTubeかZoomの画面共有で行っています。
本職の配信エンジニアの方やクリエイティブの方のクオリティには遠く及ばないですが、それでも反応や成果としては「定期的に開く会ならしっかり立てついてた方がやりやすい」だったり、「表彰が豪華で今までよりモチベ上がりました!」などの嬉しいフィードバックを貰えてます。
所々ネタを仕込んでいたり画面の動きも多いので、それによってZoomのチャット欄も盛り上がり、出席者も退屈せず意欲的に参加・視聴できていると感じます。
サイバーエージェントは社員数が多く、部門単位での共有会や表彰でも100人以上が参加することがあるので、演出に力を入れる甲斐があり与える影響も大きいです。毎回フルスクラッチで作っていると流石にコスパは悪くなってしまいますが、ある程度反復して利用予定のある会議などであれば、綺麗に立て付けたいですよね。
なにより得意なことが仕事に繋がって、番組制作に関する調べものや制作を回しながらお給料がもらえるのでとてもハッピーです!
OBSによるZoom配信のコツ
配信ツールはみなさんお馴染みのOBSでやっているのですが、Zoomで配信する場合、画面共有で配信するか自分のカメラ映像として配信するかを選ぶことになります。
カメラ映像は画面共有機能を占有しないメリットがある反面、BGMの共有や映像による情報伝達には不向きで、3Dアバターで出席する時などに使えると思います。一方画面共有で配信する場合はBGMを鳴らせたり、映像でたくさんの情報を伝えるときなど、発表形式で配信したい時に便利です。
カメラ映像を使う場合は、コントロールの「仮想カメラ開始」からカメラ映像として配信し、Zoomではカメラの選択で「OBS Virtual Camera」を選んでください。
画面共有で配信する場合は、プレビュー画面を右クリックしてでてくる「ウィンドウプロジェクター」を起動して、ウィンドウプロジェクターの画面を共有してください。別ディスプレイがある場合は「全画面プロジェクター」を使うとウィンドウのタイトルバーが映らないのでより綺麗に配信できます。
出演者を画面に移す方法2選
出演者のカメラの映像をもらってOBS上に取り込みたい場合は少し工夫が必要です。私が試して成功している方法では「Google Meetなど別のツールでカメラ映像を共有してもらいその画面をOBSにて取り込む方法」と、「Zoomのアクティブ発言者ビューを取り込む方法」があります。
司会者など継続的に映したいキャストの場合はGoogle Meetなどで裏から映像を送ってもらい、表彰者などサプライズでカメラを向けたい場合はZoomのアクティブ発言者ビューを取り込む方法が有効です。
出演者の背景切り抜き
出演者の背景を透過したい場合は、NVIDIA が提供しているBroadcastビデオエフェクトをOBSのフィルタ機能で使う方法がおすすめです。
使い方についてはこちらの記事が参考になると思います。
カメラデバイスの取り合いに注意!
OBSやZoom、3Dトラッキングツールなどで1つのカメラソースを併用する場合は、ツール間でカメラデバイスの取り合いになりうまく映像を取り込めない場合があります。そういった場合はZoomのカメラをオフにしたり、コストはかかりますが物理的にWebカメラを追加するなどの方法をとってください。
最後に
どうせ趣味で配信をするなら、ぜひぜひ会社でも配信スキルが役立つシーンを見つけて提案してみて、お仕事に繋げてしまいましょう!
ただいきなり「配信スキル持ってます」と言っても利用シーンをイメージしづらかったり凄さや効果が伝わらないと思いますので、まずは部署のオンライン懇親会などでお披露目してみるのがスムーズかもしれないです。
(私はオンライン懇親会で3Dアバターを使ってみたのがきっかけでした)
この記事を見て、配信スキルを仕事に活かせるYouTuberやVTuberが一人でも増えれば嬉しいです!
小栗さえ
VTuber向けの大型企画やサービス開発、コミュニティ運営や事務所運営、企業案件紹介などを手広く手掛けています。2022年8月に、デザインに悩める全VTuberに送るデザイン参考書『VTuberデザインブック』を発刊。
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小栗さえの発信や活動については全て個人に帰属するものであり、所属している会社と連携したものではありません。
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