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ひと夏の思い出

7月末、海でウミネコをみた。

3月頃からコロナ自粛がはじまり、4月から仕事を休みはじめた。
思いのほか状況が改善しなくて、でもなんだかこの生活にも慣れはじめていて焦りばかりがつのっていた時、以前から色んな話をしていた友人がふと「あそびにきたら?」と言ってくれた。

うちからその友人の住む地域まで約300km。
このご時世だったことも相まってか高速バスが驚くほど安く、これならいけるかも!とわりとすぐに行くことを決めた。

ただ、肝心の友人とはその後なかなか連絡が取れず、結局行くことを告げたのは前日の夜。

もしかしたら会えないかな〜ともおもったが、それでもいいとおもってた。

「あそびにきたら?」の一言でもう十分だったのだ。
先行き不透明だし、減っていく一方の生活でとかく疲れていた。
毎月のように片道3~4時間かけて海をみて、どこにでもありそうな郊外のショッピングセンターで買い物をして夜には帰るという時間と体力をばかにつかう休日の過ごし方もぱたりとやめてしまった。どこかに行くエネルギーを忘れてしまっていた気がする。

だからもちろん会えたら楽しいだろうけど会えなくても構わなくて、「どこかにいきたい!」という気持ちを思い出させてくれたのがほんとになりよりのプレゼントだったとおもう。

結果的には会えたのだけど。

行く前から道中でも帰りでもアクシデントは絶えなくてよく無事にちゃんと帰れたねという感じだったけど、すごいたのしかった!

雨の多い地域らしく滞在中はずっと雨が降ったりやんだりしてたけど、行きたかった海と図書館に連れて行ってもらった。

仕事をしていた時は助手席に座ることがまったくなかったから、まずそこからすごく新鮮だったけどめちゃめちゃ運転上手いし安心して乗っていられたのもうれしかった。

引っ越してからの近所の図書館は蔵書数も雰囲気もそんなに好きになれなくて全く行かなくなってしまったのだけど、わたしにとって図書館は逃げ場でもあり居場所だった。
全く興味がないであろう友人を前にして、「図書館司書になるのが夢だった」などと柄にもなく自分語りをしてしまったりもした。
付き合わせちゃってごめんよ。

その後海へ。
雨模様で水平線は見通せなかったけど、初めて日本海側の海を見た気がする。

わがまま言って地元のごはんやさんに案内してもらい、早めの夕食をとって解散。
健全でたのしい時間だった。

そしてまた翌日も全くおなじ砂浜に。
本当は行ってみたい美術館とかたくさんあったのだけど、やっぱり海がみたくなったのだ。

そうしたらその砂浜にウミネコがいた。
ものすごくたくさん。

あれ、鳥みたいなのいるね?って話してたらすごい数いて笑ってしまった。
時期だったのかな?
わからないけどあんなに沢山いるの初めて見た。
車を停めてすぐ雨がまた降り出したりして、ゆっくり海岸にいることは叶わなかったけど、少し手をつけて感じた砂のきめ細かさには感動した。
その後手を洗うこともままならず大変だったけど。

車のマットよごしてごめんね。

そんな感じで連日つきあってもらい、ひと夏の思い出をつくった。

なんで今更なのかわからないけど、ふとバスに揺られてたらそんなことが書きたくなってとりとめもなくつらつらと書き連ねたのでした。

ありがとまたね。

また、おめにかかれますように。

2020.09.03 Kao Tan

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