見出し画像

『リビング学習』~緊張感と安心感~

リビング学習

少し前に「東大生は、小さいときからリビングで勉強していた子が多い」みたいなテレビを見かけました。

私も中学生くらいからリビングで勉強していたので、(もちろん東大生ではないですが笑)ちょっと誇らしい気分になりました。

へへっ…


塾嫌いからリビングへ

私は人生で『塾』というものにほとんど行きませんでした。

『ほとんど』というのは、中学2年生のころ「春季講習」なるものに行ったことがあったからです。そこでのクラスの雰囲気の悪さと、分からないことを追求できずに進んでいってしまう授業に精神的に参ってしまい、通わなくなりました。

親からは「本当に通わないで勉強できるの?」「別の塾にするかい?」と散々心配されました。(この件で何回ケンカになったか分かりません。)私の中学では9割以上の子が塾に通っていましたし、学校も塾に囲まれていました…ほんとに多かった…親が心配するのも無理はありません…

(反抗期だったので)親への反発心と「どうしても塾は行きたくない」という思いで、自宅学習を始めました。


はじめのころは自分の部屋で勉強していたんですが、お察しの通り、これがまぁ全くはかどらない笑 

すぐに雑誌を読み、少しだけあと少しだけ…で、あっという間に2時間過ぎてる…みたいな。あのころスマホがあったら、きっと動画三昧でした、はい。

さすがに定期テストが近くなり、これではいけない!という危機感を覚えてリビングで勉強するようになったのが、『リビング学習』を始めたきっかけでした。

はじめの頃は定期テスト前だけでしたが、これが普段でも習慣となり、結局、高校受験→高校3年間→大学受験まで、ずっとリビングで勉強していました。


リビング学習のルーティン

リビング学習のタイムスケジュールはこんな↓

画像1

勉強時間みじかっ!笑

家で勉強できるならもう少しやってそうなものですが、時間で見ると全然勉強してなかった…。テスト前でどんなにやばくても、計3時間がMAX…


そんな私のリビング学習のポイントは3つ!

①まずはお菓子休憩から!笑

すぐに勉強!ではなく…帰宅してから1時間はお菓子タイムと呼んで、お母さんとお菓子を食べながらおしゃべりする時間でした。帰宅時間が前後してもなんとしても必ず1時間厳守!で休憩してました。甘やかし~~笑

学校が精神的に辛かった時期もありましたが、このお菓子タイムのおかげでお母さんとたくさん話してモヤモヤせずに勉強モードに突入してました。

高校生では部活が忙しく、帰りが遅くなったのでお菓子休憩はなくなりましたが、そのかわり晩ご飯の時間は必ず1時間程度確保して、おしゃべりしながら気分転換してました。

たくさんの愚痴を聞いてくれたお母さんには感謝感謝!(いまでも長電話に…笑)

②終わり時間も厳守!

休憩時間もそうですが、終わりの時間も厳守!って思っていました。寝るの大好きなので、どんなにテスト前でも徹夜はしません。あとは、ドラマをモチベーションに、このドラマが始まるまでに終わらせる!!と時間制限を作っていました。(そのころドはまりした「花男」のために…道明寺ありがとう…)

リビングだとキッチンやテレビの様子がすごくよくわかるんですよ。

「あ、もうすぐご飯できそうだから、ここまでは終わらせよう」とか「うわ、もうこの番組終わっちゃう」とか。もちろん気が散ることも中には(結構な割合で)ありますが、その危機感が私には合っていたみたいです。

なので、かなり集中して勉強できました。

③テスト前はスケジュールを立てる

普段は基本、宿題とその日の復習だけでした。復習といっても、わからな所はないかや、ノートの整理など(ノート提出が成績に反映される科目もあったので…)簡単な振り返りだけでした。なので、それが終わったら、その日のノルマはクリアです。

しかしテスト勉強になるとプラスαが必要…前述の通り、普段の勉強時間はほとんど変えずにテスト勉強を進めます。だって眠いし、ドラマ観たいので…笑 そこでスケジュール作成が大事!

私の中学は謎に副教科(音楽・保健体育・美術・技術家庭科)も筆記テストがありました。ラジオ体操で鍛えられる筋肉についてとか、美術史・音楽史、キュウリの切り方の名前など今は何も覚えていないのですが…。

そのためこの9教科全部を勉強するには時間管理がかなり大変でした。

塾であれば、スケジュールや課題も管理してもらえますが(なんなら豊富な過去問も配られていたらしい…すごい…)、自宅学習だとそれらも自分でやらないといけません。なので、スケジュール帳にテストまでの日数と苦手なところ、復習だけでいいところなどをまとめて、計画を立てて、できなかった部分は週1回の「調整日」にやるようにしていました。計画を立てるのは好きでした…立てるのは…はい…

えら~い、って思うかもしれないですが、これきっとみなさんも普段やってますよね?仕事中とか、家事なんかまさに典型的!「いつ子どもが帰るから、〇時までに夕飯準備のココまでやっておこう!」みたいな。なので、計画を立てる訓練ができた自宅学習はほんとによかったと思います…しみじみ…

そんなこんなでリビング学習は自分の性にも合っていたらしく、大学受験までこのスタイルで勉強していました。


塾とは違った「安心感」と「緊張感」

私が塾が嫌だと思ったのが、その居心地の悪さでした。塾がダメなのではなく、単純にそのクラスメンバーが私には合っていなかっただけだと思います。問題ができないと冷ややかな目で見られる感じがすごく嫌で、安心して「分かりません」って言えないのがとても窮屈でした。その雰囲気と同じくらい、人間関係も大変そうだなと…敵に回してはいけないオーラみたいな…子どもの世界にも色々ありますよね…

とにかくそのクラスは私にとっては「安心感」がなかった。

一方、私は家での安心感が大好きでした。最初こそケンカを繰り返して、やっとの思いで自宅学習を勝ち取りましたが、そのあとは両親もその学習スタイルを応援してくれましたし、お菓子も少し豪華になりました笑

分からないことを聞いても、もちろん親は答えられないですが…

休み時間に先生に聞きに行っていたので、問題ありませんでした。先生たちも喜んで教えてくれたので、なんだか良いことしたみたいで満足♪

しかし、居心地のいい家であっても、程よい「緊張感」は大切です。

見られている!時間がない!といった緊張感は、集中力に結び付きましたし、結果短時間で勉強を進められました。

マックに行って受験勉強したり、スタバで仕事をするのと似通ってますね。(マックでの勉強はもれなく『青春の1ページ』が付いてきますし、スタバでの仕事はもれなく無料wifiとデキル大人感が付いてきます。)


この「安心感」と「緊張感」がちょうどよかったのが、私にとって「リビング学習」でした。


家で勉強するのが困難な子たちにも学習の機会を

私はリビングという場所がありましたが、すべての子どもたちにとってリビングがほどよい「安心感」「緊張感」につながるとは限りません。

私は認定NPO カコタムで学習支援のボランティアをしていますが、家庭の事情や経済的理由で安心して勉強する機会が十分ではない子どもたちはたくさんいます。

そんな子どもたちの1つの選択肢として、学習場所の提供をしている団体です。


今はコロナの影響で直接会っての支援は難しいですが、「オンライン自習室」という取り組みを始め、より多くの子どもたちに安心して、そして少しの緊張感をもって勉強に取り組める機会を提供しています。そのほかのオンラインでの取り組みを拡大させながら、この社会情勢でも変わらず子どもたちへの支援を続けています。


「安心感」×「緊張感」=点数が取れる ではない

こんだけ紹介してきましたが、「安心感」と「緊張感」があればテストで点数が取れるかと言われるときっと違うと思います笑

なんだかんだ、その勉強法がしっくりくるかですし、興味が持てることがあるか(=モチベーション)で結果は如何様にも変わります。

ただ、この記事が1つの選択肢になればな…(東大生になる人もいるらしいし…)と思うばかりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?