音楽:「あいみょん」の何がスゴいのか?~自身の感性と外部インプットした経験値を融合した曲の完成度の高さ

「何がスゴいのか?」シリーズなのですが、前はアメリカのアーティストということで、アメリカの音楽賞であるグラミー賞を引き合いに出して、書いてみたのですが、今回は日本のアーティスト「あいみょん」を取り挙げるということで、ちょっとアプローチを変えて、
『「歌ウマの」妻と「音楽スキの」私の会話から出た内容』
という視点で書いてみます!

私の妻は歌を歌うのがとても上手い人で、得意な曲なら、カラオケでほぼ100点を連発するくらいです。そんな妻は音楽を聴くときに、楽曲そのものにも増して「歌詞の内容」をかなり重視します。
そして、ヴォーカリストの歌唱については、音程の正しさや歌唱テクニックが高いことは当然として、何より、
「如何に歌詞の内容に感情がのっているか?」
ということを重視しています。
そういった意味で、時々テレビとかに出てくる「歌ウマ小中高校生」的な子のカバーの歌唱は「テクニックはある。しかし人生の経験値が足らないので感情がのっていない」と厳しい目でみていて、妻が挙げる「史上最高の歌手」は晩年の「美空ひばり」さんです。

という、妻が「普通、20歳代でこの歌詞は書けないし、感情を見事にのせていてスゴい!」
と一目置いている、あいみょんの曲をご紹介します。

●あいみょん - 裸の心(LIVE):

特に冒頭の、
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いったいこのままいつまで
1人でいるつもりだろう
だんだん自分を憎んだり
誰かを羨んだり
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の部分がとてもスゴいと妻は言っていました。
(この時あいみょんは25歳くらい)

なお、私は妻と正反対で、音楽を聴くとき歌詞の内容にそれほど関心はないです。しかし、あいみょん本人はかなり歌詞を重視していると聞くので、一応歌詞の内容も咀嚼するようにしています。確かに妻の言う通り、歌詞の内容に感情がのっている気がして、素敵だと思っています。

しかし、やはり私はサウンド自体に関心があるので、そういった耳で聴くと、編曲が神っていると思います。
この曲の場合はイントロと歌い出しのところのビートにドラムスは使わず「水滴が水面に落ちたとき」のような音を使っている点と、間奏の鍵盤ハーモニカを使っているところが、とても好きです!

あいみょんは弾き語り(≒編曲なし)でも活動していますが、ギターテクニック・表現としては、(私は)それほど高度ではないと思っているのですが、それでも弾き語りもとても素敵で、何でだろうと思っていたのですが、妻の言う「感情がのっている」からなのだろうな、と気が付かされました!
(「プロンプター」というカンペ的に歌詞などを表示するミュージシャンは多いのですが、あいみょんは「集中」するためなどの理由で使っていません。なので割と歌詞を間違えます笑。あと、あいみょんのライブには「アンコール」はありません。「どうせやるんだから」とか、これも本編に全力をだして「集中」するためなどの理由があるそうです)

脱線してしまいましたが、この曲は、テレビドラマ「私の家政夫ナギサさん」(主演:多部未華子)のタイアップ曲で、おそらく30歳前後の、バリバリ働く女性(MRだったと思う)が主人公のドラマだったのですが、このドラマの内容とこの曲はとても親和性が高いと感じたことを覚えています。

で、話を戻すと、私はあいみょん自体も結構好きなので、一応バイオグラフィー的な情報を少し知っているのですが、あいみょんは幼少の時から読書が好きで小説(官能小説も笑)、エッセイ、絵本、などなど雑食的に色々と読んで(観て)いたらしいです。(ちなみに先日ちょっと取り挙げたブックオフのヘビーユーザーだったとか笑)
それを妻に話すと、
「あ~、だから他人の経験を自分に取り入れて歌詞が書けるんだ」
と言ったので、私も「なるほどね!」と思いました。

確かに、あいみょんのシングル曲は(他のアーティストにも増して)何か他のコンテンツのタイアップであることが多いです。
ちなみに、私が好きなタイアップ曲は映画「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン〜失われたひろし〜」の「ハルノヒ」です。
→(LIVE)

(映画は「家族愛」が主なテーマで(クレヨンしんちゃんの映画にはどれも少なからずこのテーマが含まれているのですが)、この映画はとりわけ「夫婦愛」がテーマになっていて、曲が映画と超シンクロしているので、映画観てて曲流れると泣けてくる…恥)

なので、結論としてあいみょんの「何がスゴいか?」というと、

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