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歩ける気分【短編小説】

昨日の帰り、バスが来るまで少し時間があった。
まだ夕焼け。
暑さも和らぎ心地良い涼しさ。

歩いちゃおうっかな。
と、次のバス停まで歩くことに。
スマホで音楽を聴きながらトコトコトコトコ。
腕を振りながら「健康になっていく」気がする自分に嬉しくなる。
もっと腕を振りつつ、足を出すとき腰を少しひねったり。

ああ、これから歩いて帰ることにしようかな。
なんて、気持ちも舞い上がる。
一つ目のバス停を越し、まあ、もっと歩いちゃおうか。
と、トコトコ。

少し疲れてくる。
もういいかな。
次のバス停まだかな。
けど、かなり遠い。
歩きながら、「さっき思ったこと」は「変化する」ことを改めて知る。
だるい。
だるいが、怯えるな。
判断しつつ、変化も受け入れつつ、大して今気分じゃない曲が流れてくるのもしんどいと、浅香唯の「GO!GO!90s」だけをリピート再生にする。

心地良さも選べる。
さっき選んだ選択は確実に「健康」にだって繋がっている。
とかなんとか、頭も騒がしい。

と、バス停に到着した。
三分遅れでバスは来た。

バスか。
と、思った。


翌朝目覚めて、少し腰が痛い。
健康とは。

まあ、今日は歩かない。



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