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相場の潮流

 株式相場は大発会から大きく上昇し、日経平均は6月の高値まで30%以上も上昇を見せましたので多くの投資家はその恩恵を受けておられるものと拝察しております。
 しかしながら、その恩恵はお持ちの個別銘柄によっては一様ではなく、外国人投資家や機関投資家が主導している指数連動型の銘柄をお持ちの投資家でないと受けられていないのではないかと見られます。
 それでも株主数が多いNTTやトヨタ三菱UFJの株などをお持ちの投資家にとっては過去半年でかなりの資産形成の一助になったものと思われます。

 一方ではマザーズ指数の停滞に見られる株価の低迷が資産の目減りに繋がっている可能性もあり、成長を期待して投資されたテーマ株、グロース銘柄を保有されている投資家にとっては現在の潮流は恩恵を受けられていないと言えます。
 メディアではほとんど日経平均がどうだという伝え方をしておりますのでこのところの相場上昇をポジティブに伝えており、調整してきた数々の銘柄群についてはほとんど無視した状態が見られます。
 知名度のないグロース銘柄やプライムから外された恨みのこもるプライム脱落銘柄なども株価の低迷が続いており、投資家はこれらを諦めて時流に乗るだろうと期待される銘柄にシフトしようとしています。

 市場の潮流はグローバル展開で成長を図る日本を代表する外国人投資家が好む銘柄、東証の要請で株価の強い展開が見られる低PBR銘柄群などを上昇傾向に駆り立てており、その行き着く先を見極めようとしています。この潮流に変化をもたらすには現在主流の銘柄の株価に一定の水準訂正が必要です。

 また何らかのネガティブ要因で全体指数の上昇トレンドに終止符が打たれる必要もあります。既に株式相場は行き過ぎた円安に警戒感も出ており一部の銘柄に影響を受けやすい日経平均は調整ムードが2か月続いております。それは先般から伝えられている中国の不動産不況によってもたらされるのかなど興味深いところですが、市場の潮流に変化がもたらされるためにはそうしたきっかけが必要となります。

 ただ、筆者としては低PBR是正の流れには更に期待したいとは思いますが、全体相場が次の上昇トレンドに向かうためには相応の調整が必要だろうと考えます。その間は案外、長期に売られ続けてきた中小型銘柄に物色機運が高まる展開を期待しております。

 いずれにしろ、引き続き相場の潮流を見極めていきたいところです。


(炎)


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