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ヴェルナー・ゾンバルト「恋愛と贅沢と資本主義」(1922)(講談社)の視点 (その3)

 100年以上前の本ですが、タイトルはドイツの経済学者ゾンバルト(1863-1941)の書籍です。
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 前回、無から有が生まれる様を描写しました。
 お風呂、シャンプー、持ち家の例をあげてみました。

 逆にいえば、水にお金を払わない時代のうちに、水メーカーの株を買えば、水が有料化されたころに儲かります。

 このように、株式投資のコツは、無から有へとなる領域を探すことです。
 領域も拡大していきます。月明りや蛍の光は無料の光源でしたが、蝋燭が普及し光源は「市場」になりました。

 宇宙空間への市場の拡大。女性市場への拡大(たとえば女子ボクシング女子野球)。男性市場への拡大(たとえば男性用化粧品)。
 こうした市場拡大は留まることを知りません。

 時間の拡大も同様です。夏野菜の通年化、賞味期間の拡大、冷凍市場の拡大(冷凍できる時間軸が拡大している)。
 関係性の拡大。上流階級から下層階級への市場の拡大。
 人間だけの市場ではなく、ペットの市場への拡張。
 自然全般を大事にする市場への拡張。

 このようなじわりじわりと拡大していく市場をドライブしているのは人の主観であり、気持ちであり、その気持ちは、わたしたちが生物であること、命があることに起因しているのでしょう。


 人類の供給力が増えても価格は上昇し、無から有が生まれてくる様をこの3回の連載で示してきたつもりです。
 大量消費が地球環境を守るためのサービスやインフラに置き換わっただけで、地球を守りたい、火星に行きたいという欲望は大量の消費欲と同根です。
 それを隔てるのは価値観ですが、価値観というものは時代依存で変化していくものです。

 ゾンバルトさんの視点を株式投資に是非ご活用ください。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)

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