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過去コラム「まぼろしの影を慕いて」

【編集部注】

 本日は、過去コラムより山本潤氏の2018年3月23日のコラムです。
(日経平均は21,500円前後)


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== 連想ゲーム ==


 首相が退陣したら株価が下がるとか思っている人がいる。
 でも、相場はそんなに単純なものではないのです。

 株では、「風がふくと桶屋が」という連想ゲームは面白いものとされています。

 連想ゲーム。ちゃんと当たるのでしょうか。


 企業業績と内閣。
 地球と冥王星。
 太陽の黒点の位置重要。

 どれも重要なものかもしれないものでしょうか。

 それでも、なんでも株価に直接関係させる「ド」短期な思考がいま目につきますね。

 まるで世の中のすべてがダイレクトになんでも株価に影響するという考えの蔓延。

 そんな運用をしてしまっている機関投資家たちが増えて情けない。

 AIとかCTAとかロボット運用とか浅くて間違っている。

 なんでも株価に結びつけようとするから間違う。

 マイクロセカンドごとに判断を変えるわけだからねえ。

 そんな落ち着きのない人たちが相場の需給に影響をあたえています。
 機関投資家の存在は害悪になりつつあるのではないでしょうか。

 「連想力と想像力が豊すぎる」機関投資家にはうんざりしているのです。


== 他人の行動を予想する ==


 短絡的な反応が需給に影響するから、それを当てようとする人が出てくる。
 だから逆流、逆巻、解約、その前に自分だけは逃げよう!と連想が進む。

 他の機関投資家の動きを当てようとして、別の機関投資家が行動を起こす。

 そういうことを個人投資家まで真似をするからよくないわけですね。


== 長期投資 ==



 大局からいえば、長期投資の観点から、変化に強い柔軟な企業を買えば、
企業業績とマクロなんて「ド」短期じゃなければ無関係といってもいいのですが。

 まして、政治と配当はほぼ関係ない。
 もちろん、外部環境の変化に強いものを投資先として選ぶ必要はあるけど。

 たとえば、ドル円が360円から100円になっても、なぜ貿易黒字?
 日本、人口減、環境悪化、市場が飽和とか、でもなんでずっと増益なのですか??

 世の中はいつでも切実な潜在的な需要に溢れている。

 影にすぎない株価を追わない。
 実態価値、理論価値を信じて欲しいですね。


 日常生活を優先。
 企業実態が本物。

 それが証拠に、株価なんて毎日評価しない非上場企業が今日も元気に活動している。
 株価なんて別に必要なものじゃないですからね。

 企業の活動が社会への貢献になることは、企業にとって絶対に必要。
 そもそも、長期投資家というものは、社会にとって大切だと信じている企業をそもそも保有しているのです。

 そうでしたよね。


 わたしたちは、朝起きて活動し、夜寝る。
 その活動量が企業の実態のベースです。

 一方で株価は、どうしても売りたい人がいるから無理にでもついてしまうもの。
 株価は明日になればまた違う人が違う考えでつけていくだけ。

 企業の実態。その活動をみて、ぐんと伸びているならば、企業価値は向上している。
 その間は、ゆっくりとして欲しい。

 毎日、一喜一憂ではなくて、年に数回、チェックすればよい、みたいに。


== 個人の強み。セカンドプランを持つ ==


 それよりも、相場はたまに、大きく下げるとわかっているならば、大きく下げる期間中、下落の間に数回にわけて、しっかりと買えばそれで儲かるのでは。

 もちろん、投資に絶対はないから損をするかもしれないですよ。

 とくに個人投資家はそもそも解約がないから、そもそも余裕資金の運用なのだから、まったく急いで売る必要がないよね。

 それでも、不安ならば、余裕をもって運用すること。
 下落時のセカンドプラン、サードプランをもつことですかね。


 せっかく大局を見ているつもりになっても、結果として、デイトレードをしてしまう人がいるのは残念。。。。

 どうしても下落するのが不安になるなら、投資したということを忘れてしまうこと。


 10年20年、株価はみないで、放っておいて、楽しみはタイムカプセルにのせて、わすれてしまうことですね。
 そのうち、配当がたくさんやってきます。

 影にすぎない株価といえども、きっとその頃は数倍にはなっていますよ。


(山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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