森の中5

「にゃん吉のおかげで気分が明るくなったよ。街で色々な物や景色を見たいって思ってたのに街に呑まれかけちゃった。」

「気分が良くなって安心。あと一つ道路を渡れば食材のある所までもう少し。」ねこっ汰の気分が良くなったののと目的地までの焦りでにゃん吉が小走りで走り出すと「にゃん吉。あれ?」ねこっ汰が後ろから声をかけます

二匹がこれから渡ろうとしている道路からどんどん動物さん達が引き返してきます。

 少し立ち止まって道路の様子を伺っていると、道路の真ん中にゴリラさんが座りこんで他の動物さん達の行手を阻んでいます。

それを見たねこっ汰が他の道を探そうとにゃん吉に提案しますが、せっかちなにゃん吉は早くお店に行きたくて仕方ありません。

「僕は早くお店に行きたいの。この道がお店までの最短ルートだってさっき確認し合ったよ。」「けど、ゴリラさんが道を阻んで所をどうやって通るの?まさかゴリラさんに道を空けて下さい。なんていうつもり?」

「そのまさかだよ。ねこっ汰。あのゴリラさん見た目は怖いけどよく見ているとうつむいて悲しいような困ったような表情を浮かべているよ。思い切ってお願いしてみよう。」にゃん吉はそう言いながら動物さん達の流れに逆らいながらゴリラさんの方へ向かって歩き出します。すかさずその手を引いてねこっ汰が引き留めます。「ゴリラさんに道を空けてもらうように頼むなんて恐ろしすぎる。何考えてるの?」ねこっ汰がにゃん吉を説得しようとしますが、頑固なにゃん吉は聞く耳を持ちません。根負けしたねこっ汰は一呼吸置きにゃん吉に言います。

「にゃん吉、先ずはせっかちな気持ちを抑えて深呼吸しよう。ゴリラさんと対面してもし危ないって思ったらダッシュで逃げよう。」

「せっかちな気持ちを抑えて深呼吸。スーハー。ダッシュで逃げる。」にゃん吉はねこっ汰

の言ったことを繰り返し深呼吸をします。

「大丈夫。よし行こう」にゃん吉がねこっ汰に声をかけます。「大丈夫だね。行こう。」ねこっ汰も応じます。二匹は少し身震いしながらゴリラさんの所へ向かいます。いざゴリラさんをめの前にするとその大きさに圧倒されそうになってしまいます。まるで大きな岩が目の前にある様なのです。しかし勇気を振り絞りにゃん吉とねこっ汰は目の前のゴリラさんに声をかけます。





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