見出し画像

OKRで起きる組織風土の変化 4選

  自分と組織を常に望ましい最終形態に向けて進むようにするための指針となるツール(パフォーマンスマネジメントツール)であるOKRが注目を集めています。OKRを上手く使いこなせば、大きな成果(ムーンショット)を得られたり、早期に成果を得られたり、といったことが期待出来ます。

 しかし、OKRの効果は成果向上だけではありません。 副次的に起きる組織風土の変化を4つご紹介します。

1.挑戦することが当たり前の組織になる

 OKRは高い目標に挑戦することを前提としています。OKR設定段階で「達成できるかどうか半々ぐらいの確率の難易度」ぐらいに設定しておくことが望ましいと言えます。これには「高い難易度の目標は人を動機づける」といった原則に基づいた考え方です。今の能力で出来ないかも知れないが、頑張れば出来るかも知れない・・・という目標に取り組むことで、最後まで全力を尽くすように促しているわけです。
 しかし、OKRを導入すると失敗や目標未達がつきものとなります。目標が達成できない・失敗するといったことが日常的に起きるので、管理職やメンバーは不安になりがちとなります。しかし、OKRでは達成”度”は評価しません。OKRは成果にフォーカスをします。そのため、組織やメンバーが失敗したとしても「挑戦した結果だから良い」と考える組織文化が促進されます。
 「挑戦したことそのものを歓迎する」「失敗から教訓を導くために前向きに振り返りを行う」「成果にフォーカスする」といった考え方や行動は、組織に挑戦を定着させます。

2.目標設定と遂行に積極的に関与するようになる

 OKRはチーム全体で目標を設定することを前提としています。これによりトップダウン的な目標設定による「押しつけられた感」やボトムアップ的な目標設定による「組織目標との不整合」などを回避し、チーム全体で目標に向かう意識を醸成することを狙いとしているわけです。そのためにOKR設定時には、会議の前に各人が自組織の目標案を考えた上で持ち寄るというステップを取ると良いでしょう。会議では各人のOKR案を元に、統廃合などを行いながら組織のOKRを決めていくわけです。
 これにより、メンバー各人が積極的に自組織が置かれている環境や上位組織の方針を理解し、何をすべきか考えることが求められます。最初は上手く発言できなかったり、的を射ないような目標案を出してしまうかも知れませんが、全員が「自分たちは何をするべきか」ということを考えるトレーニングになるわけです。
 また、組織の目標設定に自分が寄与するということで、エンゲージメントやモチベーションは大幅に向上することが期待されます。これにより、OKR設定後の業務への取り組み方も改善するわけです。

3.経営者目線・俯瞰的視点の獲得

 OKRはその四半期でチームが取り組むべき目標を1つに限定します。これにより組織の全力を今取り組むべき1つの目標に傾けることが出来るようになるわけです。このプロセスを通して組織を取り巻く様々な業務に対し優先順位を付けることが出来るようになります。
 多くの場合で、優先順位を付けるための一番の根拠となるのは「その組織に期待されているミッションは何か」「自分たちが顧客に提供している価値は何か」という存在意義に関するものとなるでしょう。

 誰かに押しつけられるでもなく、自分たちで企業や組織のミッション、顧客への提供価値を見つめ直すこととなるわけです。

4.思考力と業務知識

 OKRでは定性的な目標を設定した後、「目標が目標が達成されたかを測定するための主な結果指標」であるKey Resultを設定する必要があります。これにより、定量的な目標に意欲を感じる人をモチベートするとともに、目標が曖昧になってしまったり、逸れてしまうことを防いでいるわけです。
 Key Resultの設定は企業や組織のミッション、顧客への提供価値を深掘りして考えるトレーニングとなります。例えば「顧客が必要な情報をタイムリーに提供する」といった目標を立てていた場合「必要な情報とは何か」「タイムリーとはどのような状態か」といったことを考え、具体化するようになるわけです。
 これにより、OKR以外の局面でも考えることが当たり前になるでしょう。例えば目標が上手く行かないとき・自社製品がどうも顧客に受け容れて貰えてなさそうだと感じたとき・新製品を開発するときなどです。VUCA時代と呼ばれ、事業環境が不透明で・複雑で・曖昧で・変化が激しくて・・・という時代だからこそ、問題の真因を特定するためのアプローチが必要となるシーンは多くなるでしょう。OKR導入によって、定性⇔定量 表層⇔真因 を行き来するトレーニングが副次的に行われるようになるのです。

さいごに

OKRについてもっと知りたいという方はこちら

当社はOKR導⼊検討から導⼊後の運⽤⽀援までワンストップで⽀援するコンサルティングサービスを提供しています。「自社にOKRを入れた方が良いか?」「OKRを入れてみたが上手く行かない。何を改善すれば良いか?」等、些細なことでもお気軽にお問い合わせください。

画像1

弊社サービスパンフレットはこちら

note|仕事依頼

*お問い合わせ内容は「サービスについて」とし、要件のどこかに「OKR」の三文字を含めて頂くとスムーズです

セレクションアンドバリエーションシニアコンサルタント・中小企業診断士
山本遼